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ヤコブスタール和の一般化

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記号の約束

pを奇素数とします。
Fpを位数pの有限体とします。
Fp×を位数pの有限体の乗法群とします。
aFpの元
HFp×の部分群とする。
hHの元

U1を絶対値1の複素数のなす群とする。
θ(a)Fp×からU1への群準同型
ρ(h)HからU1への群準同型

θ(a):={ θ(a)   a0 0         a=0

|A|Aが有限集合なら位数、Aが複素数なら絶対値とする。

自明準同型と非自明準同型

群準同型fが自明とは定義域のすべての元a
f(a) が単位元になること

群準同型fが非自明とは、fは自明ではない群準同型のこと。

非自明準同型の性質

非自明準同型fの定義域Gが有限集合で
fの像が整域の単数群なら、
gGf(g)=0
が成り立つ。

証明

gGf(g)=gGf(gg)=f(g)gGf(g)
非自明性よりf(g)1となる、gを選べる。
f(g)10及び
0=(f(g)1)gGf(g)
より
gGf(g)=0

仮定

仮定1
θ(a)Fp×で非自明
仮定2
θ(h)ρ(h)Hで非自明
仮定3
ρ(h)Hで非自明

仮定1,2,3を満たすため、pは奇素数とした。

α(a)

α(a)の定義

α(a):=hHθ(h+a)ρ(h)

α(a)の性質

性質1

hH
α(ha)=hHθ(h+ha)ρ(h)=hHθ(hh+ha)ρ(hh)=α(a)θ(h)ρ(h)
|α(a)|2=|α(ha)|2

性質2

α(0)=hHθ(h)ρ(h)は仮定2より0
α(0)=0

定理

HaHFp×|α(a)|2=p

証明

aFp×|α(a)|2=aFp|α(a)|2
=aFph,hHθ(h+a)ρ(h)θ(h+a)ρ(h)
=h,hHρ(h(h)1)aFpθ(h+a)θ(h+a)
(a:=h+a)
=h,hHρ(h(h)1)aFpθ(hh+a)θ(a)
θの定義よりa0としてよい,
(a:=a1)
=h,hHρ(h(h)1)aFp×θ(hh+a1)θ(a)
=h,hHρ(h(h)1)aFp×θ((hh)a+1)
=h,hHρ(h(h)1)aFpθ((hh)a+1)h,hHρ(h(h1))
h,hHρ(h(h)1)は仮定2より0
=h,hHρ(h(h)1)aFpθ((hh)a+1)
以下
h=hhhで和を分ける
前者の場合|H|p
後者の場合仮定1を用いて下記のように0になる
aFpθ((hh)a+1)=aFpθ(a)=aFp×θ(a)=0

まとめると
aFp×|α(a)|2=|H|p
α(a)の性質1より
HaHFp×|α(a)|2=p
証明終了

投稿日:2024326
更新日:2024326
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  1. 記号の約束
  2. 自明準同型と非自明準同型
  3. 非自明準同型の性質
  4. 仮定
  5. $α(a)$
  6. $α(a)$の定義
  7. $α(a)$の性質
  8. 定理
  9. 証明