パソコン・タブレットなど、画面の大きい端末での閲覧を推奨します。
ごきげんよう、みなさま。まずはご覧くださりありがとうございます。
本記事は、これまでの講義で扱ってきた内容を、実際の問題を通して定着させるための問題集です。講義中の例題をそのまま並べるのではなく、同じ考え方を別の形で使う新作問題を中心に構成しました。
問題を解く際には、単に答えを求めるだけでなく、「なぜこの法を考えるのか」「どの条件を保存するのか」「どの段階で元の式へ戻るのか」まで意識してみてください。解けなかった問題も、解説を講義の内容と照らし合わせながら読むことで、次の問題へつながるように作っています。
講義は「スタンダード編」と「ハイレベル編」に分かれています。スタンダード編まで読んだ方は本記事の「スタンダード編」まで、ハイレベル編まで読んだ方はすべての問題に挑戦してみてください。
ハイレベル編の問題では、スタンダード編で扱った内容も既習事項として用います。各編の中では、おおむね後ろの問題ほど難しくなります。
なお、スタンダード最難関はスタンダード編の内容を多数組み合わせる総合問題、Level 1はハイレベル編で新たに扱った考え方を比較的素直に使う問題です。使用する道具の範囲が異なるため、この二つの難度は単純には比較できません。
素数 $p,q$ について、
$$
p-q-4,\qquad 2q+3,\qquad 3q+4,\qquad 4q+3
$$
がいずれも素数となるような組 $(p,q)$ をすべて求めよ。
まずは鉄則0の偶奇と大小関係から見ます。$p-q-4$ は正の素数なので $p>q+4$ であり、特に $p$ は奇素数です。また、$q=2$ なら $3q+4=10$ となるため、$q$ も奇素数です。
したがって $p-q-4$ は正の偶数の素数なので $2$ に限られ、
となります。これで鉄則1により、素数条件を
のように $q$ の1文字主体へ整理できました。素数であるべき式が5つ並んだので、鉄則2に従い、まず法 $5$ を候補にします。各式を法 $5$ で整理すると、
です。係数はいずれも $5$ と互いに素なので、これらは $q$ の5種類の余りを一つずつ処理しています。よって5式の少なくとも一つは $5$ の倍数であり、すべて素数なので、その式は $5$ そのものです。
$q+6,2q+3,3q+4,4q+3$ はすべて $5$ より大きいため、$5$ となり得るのは $q$ だけです。したがって $q=5, p=11$ となります。実際、
はいずれも素数です。以上より、
のみです。
この問題で使った鉄則
偶奇から $p=q+6$ を得て1文字化し、変数自身も含めた5つの素数を法 $5$ で整理しました。鉄則0、鉄則1、鉄則2を順番に使う基本的な総合問題です。
素数 $p,q$ について、
$$
p+2,\qquad q-p,\qquad q^2+4,\qquad 4q^2+9
$$
がいずれも素数となるような組 $(p,q)$ をすべて求めよ。
$p=2$ なら $p+2=4$ となるので、$p$ は奇素数です。また、$q-p$ は正の素数だから $q>p\geqq3$ であり、$q$ も奇素数です。したがって $q-p$ は正の偶数の素数なので、
となります。ここで、素数でなければならない
の3つに注目します。後ろの二式には $q^2$ が共通しており、$q$ 自身は $q^2\equiv0$ の場合を受け持てます。そこで、平方数が取り得る余りの種類数から法を探します。法 $3$ や法 $4$ では平方数の余りは2種類しかありません。平方数の余りが3種類になる最小の法は $5$ であり、
です。3つの素数条件で、この3種類を一つずつ処理できるかを調べます。
$q^2\equiv0\pmod5$ なら、素数 $q$ は $q=5$ です。$q^2\equiv1\pmod5$ なら $q^2+4$ が、$q^2\equiv-1\pmod5$ なら $4q^2+9$ が、それぞれ $5$ より大きい $5$ の倍数となるため不適です。
よって $q=5$ だけが残り、$q=p+2$ より $p=3$ です。実際、
はいずれも素数です。したがって、
のみです。
この問題で使った鉄則
最初に平方へ飛びつかず、偶奇から $q=p+2$ を得て1文字化しました。その後、平方数が法 $5$ で取り得る3種類の余りを、$q,q^2+4,4q^2+9$ で処理しています。
正の整数 $n$ について、
$$
2^n+1,\qquad 2^n+3,\qquad 2^n+7,\qquad 2^n+9
$$
がいずれも素数となるような $n$ をすべて求めよ。
まず、どの法を考えるかを式の形から探します。素数であるべき式は4本なので、鉄則2から、$4$ に近い小さな法を候補にします。
整数としての定数部分だけを見ると、すでに $+1,+3$ があります。これらを含む
という連続した並びを作ることを考えると、少なくとも $+0$ と $+2$ に当たるものが欲しくなります。まず $+0$ に当たる式は、問題文にない $2^n$ を補えば作れます。
これで注目する式が5本になったので、次の候補として法 $5$ を試します。すると、定数部分は
となります。つまり、$+7$ が欲しかった $+2$ の役目を果たし、$+9$ も $+4$ の部屋を埋めるため、並べ替えれば
という5つの連続する部屋が揃います。このうち一つは必ず $5$ の倍数ですが、$2^n$ の素因数は $2$ だけなので、補った $2^n$ がその役目を担うことはありません。したがって、もとの4式の少なくとも一つが $5$ の倍数です。
4式はいずれも素数なので、その式は $5$ そのものです。$2^n+1=5$ から $n=2$、$2^n+3=5$ から $n=1$ が候補となり、残りの二式から正の整数 $n$ は得られません。$n=1$ では $2^n+7=9$ となって不適ですが、$n=2$ では
となり、すべて素数です。よって、
のみです。
この問題で使った鉄則
最初から法 $5$ を当てたのではありません。4本の式から $4$ に近い小さな法を疑い、定数部分の $+1,+3$ を手掛かりに、$+0,+1,+2,+3$ という連続した並びを作れないかと考えました。そこで $+0$ に当たる $2^n$ を補うと式が5本になり、法 $5$ が自然な候補として現れます。
実際、法 $5$ では $+7$ が $+2$、$+9$ が $+4$ の役目を果たし、5つの部屋がすべて揃います。さらに、補った $2^n$ 自身は $5$ の倍数にならないため、もとの4式のどれかが必ずその役目を引き受けます。鉄則2と鉄則2'を、法の発見段階からつなげて使う問題です。
余分な式について
この問題では、実は $2^n+3$ を外しても答えは変わりません。残る三式だけを考えると、奇数 $n\geqq3$ では $2^n+1$ が $3$ より大きい $3$ の倍数となり、$n=1$ では $2^n+7=9$ となるため、$n$ は偶数です。
そこで $n=2m$ とおくと $2^n=4^m$ です。$m$ が奇数なら $4^m+1$ が $5$ の倍数となり、素数であるには $4^m+1=5$、すなわち $m=1,\ n=2$ でなければなりません。一方、$m$ が偶数なら $4^m+9$ が $5$ より大きい $5$ の倍数となるため不適です。
したがって、$2^n+3$ がなくても $n=2$ と決まります。講義で触れた通り、問題に並ぶ式がすべて解の決定に必要とは限らず、本問はその例にもなっています。
素数 $a,b,c,d,e,f$ について、
$$
a-b-8,\qquad b-c-6,\qquad c-d-10,\qquad d-e-2,\qquad e-f-4,\qquad a+6
$$
がいずれも素数となるような組 $(a,b,c,d,e,f)$ をすべて求めよ。
5つの差はいずれも正の素数なので $a>b>c>d>e>f$ です。一番小さい素数 $f$ が $2$ であるかどうかによって場合を分けます。
1. $f$ が奇素数のとき
$a,b,c,d,e,f$ はすべて奇素数です。したがって5つの差はすべて正の偶数の素数となり、それぞれ $2$ に限られます。順に戻すと、
です。さらに $a+6=f+46$ も素数なので、
の7つがすべて素数です。1文字で表された素数が7つ並んだので、鉄則2に従い、法 $7$ で7つの部屋をすべて埋められるかを調べます。定数部分を法 $7$ で見ると、
となり、7種類の余りをすべて押さえています。よって7式の一つは $7$ そのものであり、$f+6$ 以降は $7$ より大きいので $f=7$ です。したがって、
を得ます。
2. $f=2$ のとき
$e-f-4=e-6$ が正の素数なので $e>6$ であり、$a,b,c,d,e$ はすべて奇素数です。最初の4つの差は正の偶数の素数だから、すべて $2$ です。
ここで $x=e-f-4=e-6$ とおくと、$x$ も素数であり、
となります。さらに $a+6=x+46$ なので、先ほどと同じ7式が現れます。法 $7$ から $x=7$ を得て、
となります。どちらの組も元の条件を満たすため、答えは
の2組です。
この問題で使った鉄則
6文字の問題ですが、大小と偶奇から多くの差を $2$ に確定し、ほぼすべてを1文字で表しました。$f=2$ の場合にも、新しく $x=e-f-4$ と置くことで同じ構造を作り直せる点がポイントです。
ここまでのスタンダード問題をすべて解けた方へ、最後の一題です。必要な知識は、すべてスタンダード編で扱っています。
素数 $p,q,r$ と正の整数 $n$ について、
$$
r-2^n+5,\qquad p-r-4,\qquad q-2p+11,\qquad r^2+6
$$
がいずれも素数となるような組 $(p,q,r,n)$ をすべて求めよ。
まず $r$ の偶奇を確認します。$r=2$ なら $r^2+6=10$ となるため不適であり、$r$ は奇素数です。したがって $r-2^n+5$ は正の偶数の素数なので、
となります。特に $2^n=r+3\geqq6$ であり、$2^n$ は2の累乗なので $n\geqq3$ です。
次に $p-r-4$ は正の素数なので $p>r+4$ です。$r$ は奇素数であり、$p$ も奇素数となるため、$p-r-4$ は正の偶数の素数です。よって、
です。さらに $q-2p+11$ が正の素数なので $q>2p-11\geqq11$ であり、$q$ も奇素数です。したがって、この式も正の偶数の素数となり、
を得ます。これで、すべての素数変数を $2^n$ を使って表せました。
ここで $X=2^n$ とおき、現在残っている素数条件をすべて $X$ で書き直します。初めの3つの差はすでに $2$ と確定しているため、これから調べるべきものは
の4つです。ここから、使う法を式の本数と $X$ の性質から逆算します。
$X=2^n$ の素因数は $2$ だけなので、どの奇素数 $m$ を法としても $X\equiv0\pmod m$ にはなりません。つまり、$X$ が入り得るのは $m-1$ 個の非零の部屋です。残っている4式で一つずつ担当して過不足なく覆うなら、
となる最小の奇素数を選ぶのが自然です。これを満たすのは $m=5$ なので、ここで初めて法 $5$ が候補として現れます。実際、法 $5$ で $X$ が入れるのは
のちょうど4部屋です。
さらに4式を法 $5$ で整理すると、
となります。よって、4つの部屋の担当は
となり、すべての部屋が過不足なく埋まっています。
$X\equiv1\pmod5$ なら $r=X-3\equiv-2\pmod5$ なので、
となります。この値は $5$ より大きいため、素数にはなれません。
$X\equiv2\pmod5$ なら $p=X+3$ が $5$ の倍数です。しかし $n\geqq3$ より $p\geqq11>5$ なので不適です。
$X\equiv3\pmod5$ なら $r=X-3$ が $5$ の倍数です。$r$ は素数なので $r=5$ でなければならず、
です。したがって $2^n=8$ より $n=3$ を得ます。
最後に $X\equiv4\pmod5$ なら、
となります。しかし $n\geqq3$ より $q\geqq13>5$ なので不適です。
以上から $n=3$ に限られ、先ほど得た関係へ戻ると、
です。実際、問題文の4式は
となり、すべて素数です。したがって、
のみです。
この問題で使った鉄則
最初に $r=2$ を除き、偶奇と大小を順に使って $r,p,q$ をすべて $X=2^n$ で表しました。そこで終わらず、現在残っている4つの素数条件を
と並べ直しています。
$X=2^n$ は奇素数 $m$ を法とすると0の部屋に入らないため、入り得る部屋は $m-1$ 個です。残った式が4本なので $m-1=4$ と逆算し、$m=5$ を候補にしました。実際、平方を含む最後の式が1の部屋を、$p,r,q$ が2・3・4の部屋を一つずつ受け持ちます。
法を先に当てたのではなく、「残った式をすべて $X$ で書く」「$X$ が入れる部屋の個数を式数から逆算する」「本当に各部屋を別々の式が担当するか確かめる」という順序です。係数の付いた式まで整理すること、小さい素数そのものになる場合を残すこと、最後に保存した関係へ戻ることまで含め、スタンダード編の内容を一つの流れに接続しています。
Level 1は、ハイレベル編で扱った新しい考え方を比較的素直に使う問題です。Level 2では、得られた条件を保存し、式や可動部分を作り直しながら複数段階に進みます。Level Maxでは、複数の内容を総合し、途中で得た情報を後から再利用します。
ここから先に、新しい裏技が次々と登場するわけではありません。使う道具は、すべてハイレベル講義までに扱ったものです。
難しくなるのは、一度の包囲で終わらず、得られた条件をどこまで保存するか、いつ可動部分を作り直すか、そしてどの条件へ戻るかを自分で判断しなければならないからです。つまり、ここからの難しさは知識量ではなく、同じフローチャートを何度も正しく接続することにあります。
正の整数 $n$ について、
$$
2^n+33,\qquad2^n+3,\qquad2^n+13,\qquad2^n+7
$$
がいずれも素数となるような $n$ をすべて求めよ。
各式には $2^n$ が共通して現れています。式は4本なので、一つの法で処理するなら、$2^n$ の周期が4以下となる法が候補です。講義の候補法生成に従い、$2^t-1\ (1\leqq t\leqq4)$ を調べると、
より、奇素数の候補は $3,5,7$ です。法 $3$ では $2^n\equiv1$ の部屋が残り、法 $5$ では4式の担当が $2^n\equiv2,3$ の2部屋に重なるため、どちらも完全には処理できません。
一方法 $7$ では、$2^n$ は
です。$n\equiv1,2,0\pmod3$ の各場合に、それぞれ $2^n+33,2^n+3,2^n+13$ が $7$ の倍数になります。
$n\equiv1\pmod3$ なら $2^n+33\geqq35>7$、$n\equiv0\pmod3$ なら $2^n+13\geqq21>7$ なので不適です。$n\equiv2\pmod3$ では $2^n+3$ が $7$ の倍数となるため、素数であるには $2^n+3=7$ でなければなりません。よって $n=2$ です。
実際、$n=2$ のとき各式は $37,7,17,11$ となり、すべて素数です。したがって、
のみです。
振り返り
法 $7$ は偶然試したのではありません。4本の式に対して周期4以下の法を探すため、$2^t-1\ (1\leqq t\leqq4)$ を調べ、候補 $3,5,7$ の中から実際にすべての部屋を覆う法 $7$ を選びました。
講義の記号で書けば、可動部分 $X=2^n$ に対して
が成り立っています。講義で抽象的に表した $R_M\subseteq D_M$ が、実際の問題では「周期によって現れる三つの余りを、三式が一つずつ担当する」という計算になるわけです。
また、法 $7$ で必要なのは最初の三式だけであり、$2^n+7$ は使っていません。三式だけで $n=2$ と決まり、その候補が最後の式も満たすため、この一式は解の決定には余分です。これは講義で扱った「式が余る場合」の確認例です。
素数 $p$ について、
$$
p^4-14,\qquad p^4-68,\qquad p^4-74
$$
がいずれも素数となるような $p$ をすべて求めよ。
$p=2$ では $p^4-68<0$ なので不適です。以下、$p$ は奇素数です。
可動部分を $X=p^4$ とします。3本の式で $X$ の余りを覆いたいので、4乗剰余を3種類以下に圧縮できる素数法を探します。講義の候補法生成に従い、
となる奇素数 $q$ を挙げると、$3,5,7,13$ が候補です。法 $3,5$ では、$p$ が法の倍数でないとき $p^4\equiv1$ となりますが、三式のどれも法の倍数になりません。法 $7$ では非零の4乗剰余は $1,2,4$ ですが、そのうち三式が処理できるのは $p^4\equiv4$ の部屋だけです。
一方法 $13$ では $13-1=4\cdot3$ となり、4乗剰余を3種類に圧縮できるうえ、三つの定数がその3部屋に対応します。これが法 $13$ を選ぶ理由です。
まず $p=13$ では
となるため不適です。以下、$p\ne13$ とします。フェルマーの小定理より
です。$Y^3\equiv1\pmod{13}$ の解は高々3個であり、実際に
なので、$X$ が取り得る余りは $1,3,9$ です。一方、
となり、3式が3つの余りを一つずつ担当します。したがって、少なくとも一式は $13$ の倍数であり、すべて素数なので、その式は $13$ そのものです。
$p^4-14=13, p^4-68=13, p^4-74=13$ を調べると、素数 $p$ が得られるのは $p^4=81$、すなわち $p=3$ の場合だけです。実際、
はいずれも素数です。よって、
のみです。
振り返り
4乗剰余を3種類以下へ圧縮したいという要求から候補法 $3,5,7,13$ を生成し、その中で初めて三式がすべての部屋を覆う法 $13$ を選びました。法を決めてから、例外となる $p=13$ を個別に確認しています。各定数には、三つの4乗剰余を一つずつ処理する役割があります。
素数 $p$ について、
$$
\frac{p^2-7}{6},\qquad \frac{p^2+41}{6},\qquad \frac{p^2+53}{6}
$$
がいずれも素数となるような $p$ をすべて求めよ。
最初の商そのものを、新しい整数変数とします。
とおきます。最初の商が素数なので、$X$ は整数であり素数です。また、商どうしの差を取ると、
です。したがって、
がいずれも素数です。
これらを法 $3$ で見ると、
となり、三式は法 $3$ の三つの余りを一つずつ覆います。したがって、三式のうち一つは $3$ の倍数です。すべて正の素数なので、その式は $3$ そのものです。
$X$ は素数だから $X\geqq2$ であり、$X+8>3, X+10>3$ です。よって $3$ になれるのは $X$ だけであり、
です。したがって、
より $p^2=25$、素数 $p$ は正なので $p=5$ です。実際、
はいずれも素数です。よって、
のみです。
振り返り
分母 $6$ を見て直ちに法を $18$ へ持ち上げる必要はありません。最初の商そのものを $X$ とおくと、三式は $X,X+8,X+10$ となり、複雑な $p^2$ と分母 $6$ が同時に消えます。あとは法 $3$ で三つの余りを一つずつ覆えば十分です。
分数型では、分母を処理する前に「商そのものを新しい整数変数にできないか」を確認することが重要です。これは新版ハイレベル編第9部の「商の一文字化」をそのまま使う問題です。
正の整数 $n$ について、
$$
\frac{2^n-14}{10},\qquad2^n+115,\qquad2^n-47
$$
がいずれも素数となるような $n$ をすべて求めよ。
$\dfrac{2^n-14}{10}$ は素数なので、特に整数です。したがって
であり、$2^n$ の一の位の周期から $n\equiv2\pmod4$ を得ます。そこで $n=4k+2\ (k\geqq0)$ とおき、
と可動部分を作り直します。残る二式は $X+115$ と $X-47$ です。二式で $16^k$ の余りを覆うため、周期が2以下となる法を
から作ると、候補は $3,5,17$ です。法 $3,5$ では $16^k\equiv1$ に潰れますが、そのとき二式のどちらも法の倍数になりません。一方法 $17$ では $16\equiv-1$ となり、$k$ の偶奇に応じて $X$ が $4,-4$ の2部屋を取ります。さらに $115\equiv-4, -47\equiv4\pmod{17}$ なので、二式がその2部屋を一つずつ担当します。これが法 $17$ を選ぶ理由です。
実際、$k$ が偶数なら $X\equiv4\pmod{17}$ なので、$2^n+115$ は $17$ の倍数です。その値は最小でも $2^2+115=119>17$ なので不適です。
$k$ が奇数なら、$-47\equiv4\pmod{17}$ より $2^n-47$ が $17$ の倍数です。これが素数であるためには
でなければならず、$2^n=64$ から $n=6$ を得ます。実際、
はいずれも素数です。したがって、
のみです。
振り返り
最初の分数の整数性から $n\equiv2\pmod4$ を得た後、$2^n=4\cdot16^k$ と形を作り直しました。残る二式に合わせて周期2以下の法を $16^t-1\ (t=1,2)$ から生成し、候補 $3,5,17$ の中から、二式が二つの部屋をちょうど担当する法 $17$ を選んでいます。
正の整数 $n$ について、
$$
2^n+7,\qquad2^n+51,\qquad5\cdot2^n-63,\qquad7\cdot2^n-75
$$
がいずれも素数となるような $n$ をすべて求めよ。
共通部分は $2^n$ です。まず最も短い非自明な周期を作る法を探すと、$2^2-1=3$ から法 $3$ が現れます。法 $3$ では $2\equiv-1$ なので、$n$ が奇数なら $2^n+7$ は $9$ 以上の $3$ の倍数となります。したがって $n=2m$ と書けます。
すると $2^n=4^m$ です。今度は $m$ の偶奇を区別する周期2の法を作ります。$4+1=5$ から法 $5$ を選ぶと $4\equiv-1\pmod5$ であり、さらに $51\equiv1\pmod5$ です。したがって $m$ が奇数なら $4^m+51$ は $55$ 以上の $5$ の倍数となります。よって $m=2k$ であり、
です。最後に残った二式で $k$ の偶奇を処理します。$16+1=17$ から法 $17$ を作ると $16\equiv-1\pmod{17}$ なので、$X=16^k$ は $1,-1$ の2部屋だけを取ります。$k$ が奇数なら
この式が素数であるには $5\cdot2^n-63=17$ でなければならず、$2^n=16$ から $n=4$ を得ます。一方、$k$ が偶数なら $k\geqq2$ であり、
この値は $17$ より大きいため不適です。
$n=4$ のとき各式は $23,67,17,37$ となり、すべて素数です。よって、
のみです。
振り返り
$2^2-1=3$ から法 $3$、$4+1=5$ から法 $5$、$16+1=17$ から法 $17$ を順に作っています。それぞれの法から $n=2m$、$m=2k$ を得るたびに、
と可動部分を作り直しました。法を順番に当てたのではなく、作り直した底 $2,4,16$ に対して、指数の偶奇を区別する素因数をその都度 $B+1$ から生成しています。一つの法で決め切らず、部分的に得た条件を保存して同じ流れを繰り返す問題です。
正の整数 $n$ について、
$$
3^n+2,\qquad3^n+16,\qquad3^n+4,\qquad2^n-3
$$
がいずれも素数となるような $n$ をすべて求めよ。
最初の三式には $3^n$ が共通しています。三式で指数の部屋を三つ処理し、一つだけ残す構造を考え、$3^n$ の周期が4以下となる法を探します。
より、奇素数の候補は $13$ と $5$ です。法 $13$ では $3^n$ が $3,9,1$ を繰り返しますが、三式が処理できるのは $3^n\equiv9$ の部屋だけです。一方法 $5$ では $3^n$ の余りが $3,4,2,1$ と4個ごとに繰り返され、三式がそのうち三つを別々に担当します。これが最初に法 $5$ を選ぶ理由です。
実際、$n\equiv1\pmod4$ なら $3^n+2$、$n\equiv2\pmod4$ なら $3^n+16$、$n\equiv0\pmod4$ なら $3^n+4$ が $5$ の倍数です。
$n\equiv1\pmod4$ では、$n=1$ のときだけ $3^n+2=5$ ですが、この場合 $2^n-3=-1$ となって不適です。$n\geqq5$ なら $3^n+2>5$ なので不適です。他の二つの部屋でも、該当する式は最小の場合から $5$ より大きくなります。したがって、残るのは
だけです。
ここで最後の式を、この指数の部屋全体で割る素数を作ります。周期に対応する数と代表の指数を代入した数を見ると、
から共通する素数 $5$ が現れます。$n=4k+3$ と書けば、$2^4\equiv1\pmod5$ より
です。この式が素数なので $2^n-3=5$ でなければならず、$n=3$ を得ます。実際、各式は $29,43,31,5$ となり、すべて素数です。したがって、
のみです。
振り返り
最初の法 $5$ は、$3^t-1\ (1\leqq t\leqq4)$ から周期4以下の候補を作り、三式が三部屋を別々に担当するものとして選びました。この段階では4つの指数の部屋をすべて処理せず、$n\equiv3\pmod4$ だけを残しています。
その条件が得られたからこそ、次に $2^4-1$ と $2^3-3$ の共通素因数を見る理由が生まれます。残った指数の一部屋から、次の法を作る問題です。
素数 $p,q$ と $2$ 以上の整数 $n$ について、
$$
p-q-2,\qquad q+6,\qquad \frac{p^n+1}{2},\qquad p^2+6,\qquad p^2+10,
$$
$$
p^n-9p-3,\qquad p^n+p+35
$$
がいずれも素数となるような組 $(p,q,n)$ をすべて求めよ。
1. 一文字化し、指数の形を制限する
$q=2$ なら $q+6=8$ となるため、$q$ は奇素数です。$p-q-2$ は正の素数なので $p>q+2$ であり、$p$ も奇素数です。したがって、
です。すなわち $q=p-4,\ q+6=p+2$ であり、$p=7$ なら $q+6=9$ となるため $p\ne7$ です。
次に $n=2^hm$ とおき、$m$ を正の奇数とします。もし $m>1$ なら、奇数乗の和の因数分解により
となり、右辺は $1$ より大きい二因子の積です。これは素数条件に反するため、$m=1$ です。$n\geqq2$ より、
を得ます。
2. $p$ の余りを絞る
$X=p^2$ とし、平方を含む二式を
と整理します。この二式で二つの平方剰余を処理し、後の条件と組み合わせるために一つだけ残す構造を狙います。つまり、非零平方剰余がちょうど3種類となる奇素数法を探します。
奇素数 $\ell$ における非零平方剰余は $(\ell-1)/2$ 種類なので、
から $\ell=7$ が候補として生成されます。先に確認した $p\ne7$ より、法 $7$ における $X=p^2$ の到達する余りは $1,2,4$ の3部屋です。そして $X+6$ が $X\equiv1$、$X+10$ が $X\equiv4$ を担当し、$X\equiv2$ だけを残します。これが法 $7$ を選ぶ理由です。
実際、$p^2\equiv1\pmod7$ なら $p^2+6$ が、$p^2\equiv4\pmod7$ なら $p^2+10$ が、それぞれ $7$ より大きい $7$ の倍数となります。したがって、
です。
ここに $n=2^h$ を重ねると、
となります。$p\equiv3\pmod7$ と仮定すると、$h$ が奇数なら $p^n-9p-3$ が、$h$ が偶数なら $p^n+p+35$ が $7$ の倍数です。この場合 $p\geqq17$ なので、どちらも $7$ より大きくなり不適です。よって、
だけが残ります。
3. 保存した関係へ戻る
最初に得た $q=p-4$ へ戻ると $q\equiv0\pmod7$ です。$q$ 自身が素数なので、
と確定します。
4. 指数を決める
$p=11$ を代入すると、最後の二式は $11^n-102$ と $11^n+46$ です。$h$ の偶奇を区別する最小の法として $2\equiv-1\pmod3$ を用いると、$n=2^h$ は法 $3$ で、$h$ が奇数なら $2$、偶数なら $1$ となります。そこで $11^n$ を指数の法 $3$ だけで扱えるよう、$11^3-1$ の素因数を調べます。
を見ると、三数に共通する素因数として $19$ が現れます。したがって、法 $19$ なら周期3を利用しながら、$h$ の奇数・偶数を二式で一つずつ処理できます。これが法 $19$ を選ぶ理由です。
$h$ が奇数なら、
この式は素数なので $19$ そのものであり、$11^{2^h}=11^2$ から $h=1,\ n=2$ です。一方、$h$ が偶数なら
このとき $h\geqq2$ なので、式は $19$ より大きく不適です。
以上より候補は $(p,q,n)=(11,7,2)$ だけです。実際、各式は
となり、すべて素数です。したがって、
のみです。
振り返り
偶奇から $p=q+4$ と一文字化し、分数の素数性から $n=2^h$ に制限しました。平方剰余と指数情報を重ねて $p$ の余りを一つに絞った後、最初に保存していた $q=p-4$ へ戻っています。最後は $(p,q)$ を固定したうえで、指数型として法 $19$ を使い直します。
素数 $p,q,r$ と $2$ 以上の整数 $n$ について、
$$
p-q-2,\qquad q-r-4,\qquad r-2,\qquad q+6,
$$
$$
\frac{p^3+14}{p-q+9},\qquad
\frac{p^n+1}{q-r-4},\qquad
p^n+2p+2,\qquad
p^n-12p-6
$$
がいずれも素数となるような組 $(p,q,r,n)$ をすべて求めよ。
1. 三つの素数変数と分母を整理する
$r-2$ が素数なので $r=2,3$ は不適であり、$r$ は $5$ 以上の奇素数です。$q-r-4$ と $p-q-2$ は正の偶数の素数になるため、どちらも $2$ です。よって、
となります。特に、
であり、二つの分母も
と確定します。
2. 最初の分数から $(p,q,r)$ を決める
$\dfrac{p^3+14}{13}$ は素数なので、特に整数です。したがって、
法 $13$ で $4^3\equiv10^3\equiv12^3\equiv-1$ であり、3次式の解は高々3個なので、
の3通りです。ここで保存した $q=p-4,\ r=p-10,\ r-2=p-12$ へ戻ります。
$p\equiv4\pmod{13}$ なら $q$ が $13$ の倍数なので、$q=13,\ p=17,\ r=7$ です。$p\equiv10\pmod{13}$ なら $r=13$ となり、$(p,q,r)=(23,19,13)$ ですが、$q+6=25$ となって不適です。$p\equiv12\pmod{13}$ なら、素数 $r-2$ が $13$ の倍数なので $r-2=13$ となりますが、$r=15$ は素数ではありません。したがって、
まで確定します。
3. 指数の形を二段階で作り直す
二つ目の分数は $\dfrac{17^n+1}{2}$ です。$n=2^hm$ とおき $m$ を正の奇数とすると、$m>1$ では奇数乗の和の因数分解によって商が二因子の積になります。したがって、
です。
次に $p^n+2p+2=17^n+36$ を使います。ここでは新しい法を探す前に、最初の分母からすでに現れている法 $13$ を再利用できないか調べます。法 $13$ では $17\equiv4$ かつ $4^3\equiv-1$ なので、$17^6\equiv1$ です。したがって $17^n$ は $n$ を法 $6$ で見ればよく、$n=2^h$ における $h$ の偶奇を区別できます。
$h$ が奇数なら $n=2^h\equiv2\pmod6$ であり、
この値は $13$ より大きいため不適です。よって $h$ は偶数であり、$h=2k\ (k\geqq1)$ とおくと、
となります。
4. 残った指数の部屋から最後の法を作る
最後の式は $17^{4^k}-210$ です。$k\geqq2$ なら $4^k\equiv16\pmod{24}$ となります。この指数の部屋全体を処理する素数を作るため、講義第13部の「構造が見えた後の実験」に従って
の共通素因数を調べます。ユークリッドの互除法で最大公約数を求めると、
となるため、候補法として $73$ が生成されます。
実際、法 $73$ で $17^2\equiv-3$ なので、
よって $k\geqq2$ なら $17^{4^k}-210$ は $73$ より大きい $73$ の倍数となり、不適です。したがって $k=1$ であり、
です。
5. 最終確認
$(p,q,r,n)=(17,13,7,4)$ のとき、各式は
となり、すべて素数です。したがって、
のみです。
振り返り
偶奇による前処理で、変数を含んでいた分母が $13$ と $2$ に固定されます。最初の分数から得た $p$ の3種類の余りを、保存した $q,r$ との関係へ戻して処理し、その後は $n=2^h$、さらに $n=4^k$ と指数を作り直しました。最後には、残った一つの指数の部屋から法 $73$ を生成しています。
ここまでのすべての問題を解き切った方へ。最後の一題です。
素数 $p,q,r$ と $2$ 以上の整数 $n$ について、
$$
p+2,\qquad q-p-4,\qquad r-q,
$$
$$
\frac{p^3+4446}{q-p+1},\qquad
2^n+1,\qquad
\frac{p^{n+2}+39058}{r-q+5},\qquad
\frac{p^n+1603}{q-p-2}
$$
がいずれも素数となるような組 $(p,q,r,n)$ をすべて求めよ。
1. 前処理によって分母を固定する
$p+2$ が素数なので $p\ne2$ であり、$p$ は奇素数です。また、$q-p-4$ は正の素数なので $q>p+4$ であり、$q$ も奇素数です。したがって $q-p-4$ は正の偶数の素数となるため、
です。さらに、$r-q$ は正の素数なので $r>q$ です。$q,r$ はともに奇素数だから $r-q$ も正の偶数の素数であり、
となります。これにより、問題文に現れていた三つの分母は
と固定されます。前処理を終えたことで、変数を含んでいた分数が、法 $7$ と法 $4$ を使う条件へ姿を変えました。
2. 立方剰余と因数分解で、変数と指数を別々に絞る
$\dfrac{p^3+4446}{q-p+1}$ は素数なので、特に整数です。分母は $7$ であり、$4446\equiv1\pmod7$ なので、
法 $7$ で直接調べると、この合同式を満たす余りは
の三つです。この情報は、まだ一つに決めずに保存しておきます。
次に $2^n+1$ が素数であることを使います。$n=2^hm$ とおき、$m$ を正の奇数とします。もし $m>1$ なら、$2^n+1=(2^{2^h})^m+1$ は奇数乗の和として因数分解されるため、素数にはなりません。よって $m=1$ であり、$n\geqq2$ だから、
を得ます。
3. 一つの分数条件に、保存した二つの情報を重ねる
$\dfrac{p^{n+2}+39058}{r-q+5}$ も素数なので整数です。分母は $7$ であり、$39058\equiv5\pmod7$ だから、
ここで $n=2^h$ を使います。$h$ が奇数なら $n\equiv2\pmod6$、$h$ が偶数なら $n\equiv4\pmod6$ です。先ほど保存した $p\equiv3,5,6\pmod7$ と組み合わせると、次の表になります。
必要な余り $2$ が現れるのは、$p\equiv5\pmod7$ かつ $h$ が奇数の場合だけです。したがって、
です。ここで、最初から保存していた $p+2$ へ戻ります。$p+2$ は $7$ の倍数であり、しかも素数なので $p+2=7$ です。よって、
まで確定します。
4. 今度は指数 $h$ 自身を絞る
残る分数条件は、
が素数であることです。すでに $h$ は奇数ですが、これをさらに二つの部屋へ分けたいので、$2^h$ の周期を小さいものから調べます。周期2を与える法 $3$ では、奇数 $h$ に対して $2^h\equiv2\pmod3$ に固定され、これ以上分かれません。
次の短い周期4は $2^4-1=15$ の素因数から作れます。そのうち法 $5$ では $2^h$ の最小周期が4なので、奇数 $h$ は
の二つに分かれます。特に $h\equiv1\pmod4$ なら $n=2^h\equiv2\pmod5$ です。これが指数 $h$ の分類に法 $5$ を使う理由です。
$h\equiv1\pmod4$ という指数の部屋全体を処理する法を作るため、周期に対応する $5^5-1$ と、代表の指数 $2$ を代入した $5^2+1603$ の共通素因数を調べます。
には共通する奇素因数 $11$ があります。したがって法 $11$ では $5^5\equiv1$ かつ $1603\equiv8$ となり、
この商は整数なので分子は $4$ でも割り切れます。$4$ と $11$ は互いに素だから、商は $11$ の倍数です。最小の $h=1$ の場合でも商は $(5^2+1603)/4=407>11$ なので、$h\equiv1\pmod4$ は不可能です。したがって、
そこで $h=4m+3\ (m\geqq0)$ とおくと、
と指数の形を作り直せます。
5. 前に使った分数へ戻り、最後の一部屋を処理する
ここで新しい式を使うのではなく、第3段階で使った
へ戻ります。$m\geqq1$ なら $n=8\cdot16^m$ は $16$ の倍数です。この指数の部屋全体を処理する法を作るため、周期に対応する $5^{16}-1$ と、代表の指数 $2$ を代入した $5^2+39058$ の共通素因数を調べると $17$ が得られます。
実際、フェルマーの小定理より $5^{16}\equiv1\pmod{17}$ であり、$39058\equiv9\pmod{17}$ なので、
この商は整数であり、$7$ と $17$ は互いに素なので、商は $17$ の倍数です。$m\geqq1$ なら商は $17$ より大きいため、素数にはなりません。よって $m=0$ であり、
と決まります。
6. 最終確認
$(p,q,r,n)=(5,11,13,8)$ のとき、七つの式は
となり、いずれも素数です。したがって、求める組は
のみです。
振り返り
偶奇による一文字化で変数を含む分母を $7,7,4$ に固定し、立方剰余から得た $p$ の三つの部屋と、因数分解から得た $n=2^h$ を保存しました。その二つを同じ分数条件へ重ねることで、$p\equiv5\pmod7$ と $h$ の奇数性を同時に取り出し、最初の $p+2$ へ戻って $(p,q,r)$ を確定しています。
後半では指数 $h$ 自身を法 $4$ で部分的に処理し、$n=8\cdot16^m$ と可動部分を作り直しました。最後は新しい条件を追加せず、前半で使った分数へ再び戻り、残った一部屋から法 $17$ を生成しています。各操作は講義で扱った範囲ですが、どの情報を保存し、いつ前の条件へ戻るかがこの問題の核心です。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
スタンダード編では、偶奇と大小から文字を減らし、式の数や平方数の余り、不自然に欠けた式に注目して、小さな素数の倍数となる式を探しました。ハイレベル編ではそこからさらに進み、可動部分が実際に取り得る余りを調べ、指数の周期から候補法を作ってきました。また分数型では、商を整数として捉え直し、商の一文字化や分母との互いに素を利用することで、必要以上に法を大きくしない処理も行いました。軽い処理では扱えない場面に限り、分母を掛け戻して法を持ち上げます。
後半の問題では、一つの法だけで決着するとは限りません。途中で得た条件を保存し、変数や指数の形を作り直し、必要なときに以前の条件へ戻ることが重要でした。特に最後の問題は、一つ一つの操作はすべて講義の範囲にありながら、それらをどの順番で接続するかが核心となっています。
解けなかった問題があったとしても、それは失敗ではありません。どの段階で方針が見えなくなったのかを確認し、対応する講義へ戻った後でもう一度挑戦してみてください。その往復によって、個別の解法ではなく、初めて見る問題に対して自分で方針を組み立てる力が身についていくはずです。
「いずれも素数」という一つの問題形式から始まった本記事が、合同式や整数問題そのものを眺める視点を、少しでも広げるものになっていれば幸いです。
みなさまの日常に良き数学の彩りのあらんことを。
それでは、ごきげんよう。