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分数を含む漸化式の解法また整理法について

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はじめに

この記事において以下に示すのは、"おそらく"、ほとんどの分数を含む漸化式において使える漸化式の整理また解法である。
記事の題にも示したように、以下の方法は、数学的に議論の余地の残る内容である。そのため、これを読む方のうち、この記事に関して何かしらの数学的不整合や理論の飛躍が見られた場合には指摘をしていただけると助かります。

漸化式の解法

筆者の知識の不足のために、一般の漸化式について統一的に記述は行えなかったため、以下に例を挙げ、この方法について理解していただこうと思う。

解法の要旨

そうは言っても例だけを挙げていては、正しい理解に繋がらないとも感じるため、簡単にこの整理法また解法を示す。この解法は、一言でいえば、漸化式において議論の対象になっている数列を分子、分母に分けて、それぞれを数列として捉えなおすことで、漸化式の見通しを良くする方法だ。これは分数を含む漸化式においては、特に強い能力を発揮する。

具体例と解法

以下に示す例は筆者には特に思い出深く、この解法を初めて使った漸化式である
$$a_{1}=1,a_{n+1}=\frac{1}{a_{n}+1}$$
上記のような漸化式は一般項の推測により解かれるのが常であるが、以下に示す方法により、代数的な考え方のみでも解くことができる。
まず、ある数列$A_{n},B_{n}$を用い、$a_{n}=\frac{A_{n}}{B_{n}}$のように置く、このとき、$a_{1}=1$であるから、$A_{1}=1,B_{1}=1$として考える。これらを用いると、与えられた漸化式は
$$\frac{A_{n+1}}{B_{n+1}}=\frac{1}{\frac{A_{n}}{B_{n}}+1}$$
整理し、
$$\frac{A_{n+1}}{B_{n+1}}=\frac{B_{n}}{A_{n}+B_{n}}$$
このとき、分子分母どちらの数列についても、
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} A_{n+1}=B_{n}\\ B_{n+1}=A_{n}+B_{n} \end{array} \right. \end{eqnarray} $$
のような関係を持つように、数列を設定したものとすると、
上記の式を整理し、
$$B_{n+1}=B_{n}+B_{n-1}$$
のようになり、これは、簡単な三項間漸化式の計算により解ける。ここでは、n項目のフィボナッチ数列を$F_{n}$とすれば、
$B_{n}=F_{n+1},A_{n}=F_{n}$であるので、
$a_{n}=\frac{F_{n}}{F_{n+1}}$
が言える。もちろん、途中に示した三項間漸化式を解けば、これは、完全な形で解ける。

例における計算の精査

例においていくつかの確認を怠ったが、これらが問題のないものであることを以下に示す。
まず、0除算についてだが、これは、そもそも数列の要素に定義不可なものが含まれない限り、数列の定義上現れないため、起こりえない。次に、分子分母の数列の定義についてだが、この方法においては、例では、
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} A_{n+1}=B_{n}\\ B_{n+1}=A_{n}+B_{n} \end{array} \right. \end{eqnarray} $$
で示される関係をそもそもの定義としている。そのために、上記の式に分数の性質から矛盾が発生することはない。

おわりに

重ねてここでも書くが、この方法には数学的な厳密性をほとんど考えていない。もし、数学的に問題がある部分があれば、指摘をいただきたい。

投稿日:1013
更新日:1021
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tokara
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