こんにちは、高3のぱぺです。
いまさっき作問した問題を投下しておきます。
この記事の後半で解答を載せますが、それは1週間後の6/24(火曜)とします。
それまでの間、電卓などなしでぜひ解いてみてほしいです。
実数 $\sqrt{6+\sqrt{6+\sqrt{6+\sqrt{10}}}}$ の値を小数第$3$位まで求めよ。
注:小数第$4$位を切り捨てした値を答えること。 (2025.6/26)
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$\displaystyle a_1=4, \; a_{n+1}=\sqrt{6+a_n} \; (n=1,2,3, ...)$ によって定まる数列の第$5$項 $\displaystyle a_5=$ $\sqrt{6+\sqrt{6+\sqrt{6+\sqrt{6+4}}}}$ の小数第$3$位までを求めればよい。
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$a_1>3$かつ、すべての自然数$n$において「$a_n>3$ならば$a_{n+1}>3$」であるから、
「すべての自然数$n$において$a_n>3$」$-①$であることが帰納的に示される。
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ここで、
\begin{aligned}
a_{n+1}-3 &=\sqrt{6+a_n}-\sqrt{6+3} \\
&=\frac{(6+a_n)-(6+3)}{\sqrt{6+a_n}+\sqrt{6+3}} \\
&=\frac{a_n-3}{a_{n+1}+3} \; <\frac{a_n-3}{3+3} \;=\frac{1}{6}(a_n-3)
\end{aligned}
であるから、$\displaystyle a_{n+1}-3<\frac{1}{6}(a_n-3) -②$
$②$を繰り返し用いることで、$n>1$のとき、
\begin{aligned}
a_n-3 &<\frac{1}{6}(a_{n-1}-3) \\
&<\left(\frac{1}{6}\right)^2(a_{n-2}-3) \\
&< \dots \\
&<\left(\frac{1}{6}\right)^{n-1}(a_1-3) =\left(\frac{1}{6}\right)^{n-1}
\end{aligned}
より、$①$も加味して $\displaystyle 3< a_n<3+\left(\frac{1}{6}\right)^{n-1} -③$
$n=5$のときもこれは成り立ち、代入すると
\begin{aligned}
3< a_5&<3+\left(\frac{1}{6}\right)^4\\
&=3+\frac{1}{1296} \\
&<3+\frac{1}{1000} =3.001\\
\\
\therefore \; 3< a_5&<3.001
\end{aligned}
したがって、$a_5$の値は小数第$3$位まで求めると $\mathbf{3.000}$ である。
Twitterでも解答をいただきました!(各本人に掲載の許可をとっております。)
たるたる( @tarutar_55 ) さんより
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(数値が範囲内に入るよう)祈りながら計算
最後に出てくる3.2^2が2の累乗の形なおかげで筆算不要なところが気持ちいい
たるたる(@tarutar_55)さんの解答 →Twitterページへ
$\displaystyle \sqrt{6+\sqrt{6+\sqrt{6+\sqrt{9}}}}$ $=3$の$4$重根号の中で$9\rightarrow10$にするだけの$1$の誤差と考えれば、値は「$3$プラス微量」と考えられますね。
どういうことかというと...
$x>0$に対して$\Delta x$ が $\displaystyle \frac{\Delta x}{x}<<1$ を満たす ($\Delta x$が$x$より十分小さい) のであれば、
\begin{aligned}
\sqrt{x+\Delta x}-\sqrt{x}
&= \frac{\left(\sqrt{x+\Delta x}\right)^2-\sqrt{x}^2}{\sqrt{x+\Delta x}+\sqrt{x} }\\
&=\frac{\Delta x}{\sqrt{x+\Delta x}+\sqrt{x}}\\
&\approx\frac{\Delta x}{\sqrt{x}+\sqrt{x}} =\frac{1}{2\sqrt{x}}\Delta x
\end{aligned}
というように、$\sqrt{x}$の誤差は、$x$の誤差$\Delta x$の$\displaystyle \frac{1}{2\sqrt{x}}$倍ほど小さくなります。
$x=9$を考えれば$\displaystyle \sqrt{9+\Delta x}-\sqrt{9}\approx\frac{1}{6}\Delta x$ , つまり根号の中身の$\displaystyle \frac{1}{6}$程度の誤差ですね。
$\displaystyle \sqrt{10}=\sqrt{9+1}\approx\sqrt{9}+\frac{1}{6}\cdot 1=3.166...$ に対して$\sqrt{10}\approx 3.1622...$ . かなりいい近似?
それはそれとして$\Delta x=\sqrt{10}-3\approx 0.16$で、与えられた実数$X$と$3$との誤差が$\displaystyle \left(\frac{1}{6}\right)^3\Delta x$と考えると、小数第$3$位くらいまでは$0$が続きそうと考えられます。そこまで予測できたら$3< X<3.001$を示せばいい...だけかもしれません。
そこまで細かく考察しなくとも、$\sqrt{x}$の増加速度は$x$のそれより数倍小さいだろうと認識できていれば、小数第$1$~$2$位くらいまでは$0$が続きそうと感じるはずなので、あとは第$3$位まで$0$であることを祈るしかなくなります。外れたら$3.001< X<3.002$を調べる必要が...。彼の勇気に拍手です。
それと根号を$1$個ずつ外す解法ってうまくいくものなんですね。🤔
大島学習塾( @oshima_juku )さん より
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解いてみました
大島学習塾(@oshima_juku)さんの解答 →Twitterページへ
接線で近似するという方法は本当に素晴らしいとしか言いようがありません。こちらも勉強になります。
ここでも(接線の係数に)$\displaystyle \frac{1}{6}$が出ているのはたまたまなんでしょうかね。
【2025.6/17】
解き方は自由ですが、高校範囲で解けるとよいですね。
様々な解き方、期待しております。
【2025.6/26】
この記事のコメント欄にも面白い方法で解いてくださった方がいました。
みなさん、問題を解いていただきありがとうございました!
なお、記事にはこれ以上の解答を掲載する予定はないと思いますが、引き続き、面白い解き方、また違った解き方などあれば是非この記事のコメントに書いていただければと思います。
2025.6/17.23:30 問題投稿
2025.6/18.16:30 問題欄に空白を増設
2025.6/26.16:40 解答掲載
2025.6/26.19:20 少し修正