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高校数学解説
文献あり

ピタゴラス数を求める

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曲線は幾何学的に興味深いものだが、算術的あるいは代数的な情報を含んでいることもある。座標が有理数、実数、複素数である曲線上の各点について考えることになる。また、これとは少し違った流れで、合同数とピタゴラス数との関連についても考える。

単位円: 実数 vs 有理数

x2+y2=1という方程式を考える時、各々の点(x,y)θ[0,2π)上の(cosθ,sinθ)という形式を持つ。
これは実部について考えるときは理にかなっているが、有理数についてはどうだろうか。有理点(ab,cd)について代入すれば、(ab)2+(cd)2=1と表せるので、変形すれば、(ad)2+(bc)2=(bd)2である。これは単位円上の有理点(ab,cd)が、x2+y2=z2の整数解に対応しているということである。逆に、A,B,CZ,C0においてA2+B2=C2であるなら、単位円上の有理点(A/C,B/C)に対応していると言える。

単位円上の有理点のパラメータ化

Lt(1,0)(0,t)を通る直線であるとすると、y=t(x+1)と示せる。もし(a,b)が単位円と直線の交差点であるなら、b=t(a+1),a2+b2=11a2=b2=t2(a+1)2 1a2=(1a)(1+a)=t2(1+a)21a=t2(1+a) a(t2+1)=1t2 a=1t21+t2 b=t(1+a)=2t1+t2 (a,b)=(1t21+t2,2t1+t2)ここで、tRにおいて、
limt±(1t21+t2,2t1+t2)=(1,0) これにより、単位円上のすべての点について特徴付けることができる。有理点については、t=ba+1 したがって、(a,b)が単位円上の有理点であれば、傾きtは有理数であることは自明である。

すべてのピタゴラス数を見つける

これまでの数式を使ってピタゴラス数をすべて見つける。正の整数A,B,Cがあり、A2+B2=C2について調べる。例えば、もしA,B,Cが公約数tを持つなら、A=A0t,B=B0t,C=C0t,A0,B0,C0ZよってA2+B2=C2A02t2+B02t2=C02t2A02+B02=C02 ここで、A,B,Cが公約数を持つ時、gcd(A,B,C)=1で表す。ここで、パラメータ化された式がt=m/nと有理数で表されるなら、a=A/C=n2m2n2+m2,b=B/C=2mnn2+m2

すべてのピタゴラス数A,B,Cについて、n>mとなる正の整数について、以下の形式を持つ。A=n2m2,B=2mn,C=n2+m2

アルゴリズムとしては以下のようになる。

      for n in range(2, 6):
    for m in range(1, n):
        if gcd(m,n) == 1:
            A = n**2 - m**2
            B = 2*m*n
            C = n**2 + m**2
            Area = int(A*B/2)
            congruent = squarefree(Area)
            print(f"(m,n)=({m},{n})")
            print(f"(A,B,C)=({A},{B},{C})")
            print(congruent)
    

参考文献

[1]
Thomas R. Shemanske, Modern Cryptography and Elliptic Curves: A Beginner's Guide
投稿日:20231017
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  1. 単位円: 実数 vs 有理数
  2. 単位円上の有理点のパラメータ化
  3. すべてのピタゴラス数を見つける
  4. 参考文献