この記事ではラマヌジャンの書いた論文"On the product
タイトルの10という番号はハーディによる書籍"Collected Papers of Srinivasa Ramanujan"におけるナンバリングに準じています。ちなみに"Collected Papers"の全容については
こちらのサイト
や
こちらのサイト
にて閲覧することができます。
なお各命題の証明については論文で示されている式変形以外は自力で考案したものとなるので至らぬ点もあるかもしれませんがあしからず。
この論文の主題はある特定の条件を満たす
の値を求めたり、それを利用して
の値を求めたりすることにあります。
また第4節では類似した手法(?)によって
や
の値も求めたりします。
以下簡単のため
とおく。
と因数分解できることからわかる。
に注意するとわかる。
および積和の公式に注意すると
と求まる。
とおくと
が成り立つ。
補題1,2,3からわかる。
いま
として表せ、したがって上の公式と合わせることで
の値を明示的に求めることができる。
上での議論において
とか
とかに注意するとわかる。
の値は明示的に求まる。
上での議論において
とすることでわかる。
公式1と同様に
と変形して無限積を取ることで
がわかるので、あとは倍数公式
に注意すると主張を得る。
一致の定理から
いま
とおくと冪級数
に対し
が成り立つので
を得る。
が成り立つ。
補題4の証明から
が成り立つので、ビネの公式
および補題5に注意してこの対数を取ることで
を得る。
いま
の値が求まるということだったので、上の公式により
の値も求めることができる。
より
が成り立つので、あとは公式2
に注意すると主張を得る。
と部分分数分解できることからわかる。
いま
に注意すると正の奇数
が成り立つのでこれによって
の値を求めることができる。
と変形したとき、
を得る。
および上の補題に注意するとわかる。
上と同様に