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NF杯2024のS問題を微分方程式を用いて解く

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はじめに

 先日行われた NF杯2024 S問題 を近似と微分方程式を用いて解きます.正確な評価はしません.

本文

 x>0が十分小さいとき1+x=1+12x18x2+O(x3)
が成り立つことに注意すると,k>0が十分小さいときx3=314+3142+1256k4k22=3142(1+1+2157k11572k2)=3142(1+1+12(2157k11572k2)18(2157k11572k2)2+O(k3))=314+kk2157+O(k3)
となり,x2x3の値はかなり近くなる.ここでxixi+1の差εiが小さい場合を考えてみる.xi+2=xi+εi+(xi+εi)2+4xi(xi+εi)4xi22=xi+εi+xi2+6xiεi+εi22=xi+εi+xi1+6εixi+εi2xi22=xi+2εi2εi2xi+O(εi3xi2)
となるからkが十分小さいとき数列{xn}は単調増加数列であり,その差分を取った数列{Δxn}={xn+1xn}は各項が小さな正の値かつ単調減少な数列とわかる.εixi+1xiに戻すとxi+2=2xi+1xi2(xi+1xi)2xi((xi+2xi+1)(xi+1xi))=2(xi+1xi)2xiとなる.この差分方程式を微分方程式d2ydt2=2(dydt)2y1y(0)=314, dydt(0)=kと見て考える.両辺をdydtで割ってtで積分することでlogdydt=logy2+(定数)を得るので初期条件を踏まえてy=33142kt+31423と分かる.y(t)=2024となるtt0とするとkt0=20243314333142であり,これが求める値である.

おわりに

 差分方程式を微分方程式と見ても解答が一致するのは,{Δxn}(あるいはdydt)がほとんど一定であることと平均値の定理よりy(i+1)y(i)=dydt(c)(ici+1)となるcが存在することをイメージすると分かりやすい気がします.

追記

 作問者のU.N.Owenさんが何点級の問題か意見が欲しいとおっしゃっていたので私見を書くと700点級,Difficultyは橙下位程度だと思います.青solverが3時間ほどかけて解いたのであまり当てにならないかもしれません.

投稿日:29日前
更新日:28日前
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Zig
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