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JMO2024予選第6問の三角関数を用いた解法

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JMO2024予選第6問を三角関数を用いて解いてみました.また今回用いる手法は個人的にかなり汎用性の高いものだと感じているので是非参考にして頂きたいです.

解法の流れ

今回の解き方について軽く説明すると,

  • Step1.適当に角α,β,を定める.
  • Step2.角度追跡をして図に登場する角をα,β,で表す.
  • Step3.正弦定理を用いてα,β,の関係式を導く.
  • Step4.出来た関係式から欲しいもの(sinα,cosβなど)を求める.

といった感じになります.

解説

JMO2024予選第6問

AB=AC=5なる二等辺三角形ABCの辺AB上にAD=3をみたす点Dが,辺BC上(端点を除く)に点Eがある.点Eを通り直線ABに点Bで接する円をωとすると,ωは三角形ADEの外接円に接した.ωと直線AEの交点のうちEでない方をFとすると,CF=10が成り立った.このとき,辺BCの長さを求めよ.ただし,XYで線分XYの長さを表すものとする.

図
α=ABC,β=CBF(Step1.)として,円周角の定理や接弦定理を用いて角度追跡を行った結果が上図となります(Step2.).円ω,円ADEの共通接線を引いた理由は接する条件を使いたいからです.
さて,正弦定理をADE,ABEに用いると
ADsin(2α+2β180)=AEsinβ,AEsinα=ABsin(α+β)
がわかり,これより,
3sin(2α+2β180)=5sinαsinβsin(α+β)(1)
がわかります.一方,正弦定理をCEF,CEAに用いると,
CFsin(α+β)=CEsinα,CEsinβ=ACsin(α+β)
がわかり,これより,
2=sinβsinα(2)
がわかります.
以上より未知数2個に対して式が2つ立ったのでα,βが決定できるはずです(Step.3).
求めるものをα,βで表しておきます.正弦定理をABCに適用するとBCsin2α=ABsinαとなり,BC=10cosαがわかります.

さて,(1)を整理すると,32cos(α+β)=5sinαsinβとなり,(2)と併せてcos(α+β)=35がわかります.ここでs=sinαとおくと,cos2α=1s2,また(2)よりsinβ=2sとなり,更にcos2β=14s2となります.
cos(α+β)=cosαcosβsinαsinβに注意すると,
cosαcosβ2s2=35
cosαcosβ=2s235
(1s2)(14s2)=(2s235)2
4s45s2+1=4s2125s2+925
135s2=1625
s2=1665
と計算出来ます.よって,cos2α=1s2=4965であり,αが鋭角であることに注意するとcosα=76565となります(Step4.).
以上から,BC=10cosα=146513がわかります.

おわり

いかがでしたか.今回用いた手法が良いと思ったら是非他の問題でも試してみてください.ここまで読んで頂きありがとうございました.

投稿日:2024530
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c_2
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4908
OMC水色.

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