まえがき
先日のOMC248にてF問題を通した解法がユーザー解のなかにもなかったので, 少し解説を書いてみようとおみます.
OMC248(F) (writer:Shota_1110)
正の実数に対し,関数 を
と定め,をそれぞれ正の実数全体で動かしたときに がとり得る最大の実数値を とします. このとき,以下 つをみたす正の実数の組 が一意に存在することが証明できます.正の整数 を用いて と表せるので, の値を解答して下さい.
解く際に考えたこと
一番左の項になることから, でくくるのが有効に見えるが, あんまり見えてくるものがない.
このとき逆にでまとめてみると左の二項が
となって, に対して対称になっているので, イェンゼンの不等式をうまく使えそうに思える.
ここで とおくと, イェンゼンがうまく使える形になるので, あとはかなり解きやすい形になる.
と表した後は, に関する関数として微分して最大値を求める方法がパッと思い浮かぶが, AM-GMでやった方が楽なのでそっちの方法で書いた.
解説
とすると,
となる. また, が成立する.
このときとすると, となるので, は上に凸である. したがって, Jensenの不等式より,
等号成立はつまりとなる.
このときとすると
と整理できる. より, が成立するので, ある正の実数を用いると, AM-GM不等式より,
とあらわせ, 等号成立はとなる. このとき, がで割り切れると嬉しいので,
となる. 等号成立条件の都合により, とすると,
となるので, の最大値はとなり, 等号成立は
つまり, の満たすべき条件は,
となるので, 公式解説と同様に解ける.