こんばんはかえでです.
今回は最近やった幾何について書こうと思います.正直内容少なすぎて投稿するか迷いましたが,面白くはあると思います.前提知識はかなり重めです.知らなかったら調べてください.
先日Twitterで以下のような情報を目にしました:
任意の三角形について,その重心,$X(17)$,$X(18)$,$X(930)$は共円である.
$X(17),X(18)$はナポレオン点,$X(930)$は外接円上の謎の点です.調べたら$X(930)$は直線$X(17)X(18)$のtripoleらしいということを知ったので,一般化できるだろうなと思って試したら以下が成り立つことが分かりました.
$\triangle ABC$の重心を$G$,類似重心を$K$とし,Kiepert双曲線を$\mathcal{K}$とする.$K$を通る直線$\ell$が$\mathcal{K}$と$X,Y$で交わっているとし,$\ell$の$\triangle ABC$におけるtripoleを$P$とする.このとき,$P,X,Y,G$は共円である.
面白い主張ですね.少し頑張れば証明できたのでAoPSに投稿したところ,最近親しい台湾のckliaoという幾何erにさらに次のような一般化ができると教えてもらいました.
$\triangle ABC$と点$\bullet$に対して,その等角共役点を$\bullet^*$で表すとする.
平面上の点$R$に対し,二点$X,Y$を$XY \cap X^*Y^*=R$となるように取る.また,$\odot(ABC)$上の点$P$を$\text{Per}_R(P)=XY$となるように取る.このとき,$\odot(R^*XY)$は$P$を通る.
$\text{Per}_R(P)$というのはいわゆる張志煥截線/Permutation lineというやつで,$R$の$\triangle ABC$におけるcircumcevian triangleを$\triangle R_AR_BR_C$としたときの,$R,PR_A \cap BC, PR_B \cap CA, PR_C \cap AB$を通る直線のことです.
これは定理2と同様に証明できるので証明していきましょう.
まずは使う補題たちの紹介から.
$\triangle ABC$と等角共役点の組$(P,Q),(R,S)$について,四角形$PRQS$のMiquel点$M$は$\odot(ABC)$上にあり,さらに$M$の$\triangle ABC$におけるSimson線は四角形$PRQS$のNewton線に直交する.
$\triangle ABC$と等角共役点の組$(P,Q)$について,$\odot(ABC)$上の点$R,S$を$Q \in RS$となるように取る.このとき,$S$の$\triangle ABC$におけるSimson線は$\text{Per}_P(R)$に直交する.
四角形$P_1P_2P_3P_4$のMiquel点を$M$とし,Newton線を$\tau$とする.このとき$\measuredangle MP_1P_4= \measuredangle (P_1P_2,\tau)$が成り立つ.
補題4,5は有名事実なので Foci of Steiner inellipse and other triangle centers を参照してください.以下補題6を示します.
Lambertの定理の逆から$M$を焦点とし四角形$P_1P_2P_3P_4$に内接する放物線$\mathcal{P}$が存在するので,$\mathcal{P}$と$P_1P_4$の接点を$T$とし,$\mathcal{P}$の軸を$\kappa$とする.このとき有名事実として$\tau \perp \kappa$なので,光線定理などから$$\measuredangle (P_1P_2,\tau) = 90^\circ-\measuredangle (\kappa,P_1P_2) =\measuredangle MTP_1 = \measuredangle MP_1P_4$$となって示される.$\quad \blacksquare$
(ちなみにこれはほぼ循環論法に近いので気になる人は有名事実として飛ばした部分の証明を頑張ってください)
では元の問題の証明を.
$\textbf{Proof:}$ 直線$PR^*$と$\odot(ABC)$が再び交わる点を$Q$とし,四角形$XYX^*Y^*$のNewton線を$\tau$,Miquel点を$M$とする.今有名事実として$R^*=XY^* \cap X^*Y$であるので,補題4,5,6から
$$\measuredangle MPR^*=\underbrace{\measuredangle MPQ=\measuredangle (XY,\tau)}_{\text{Simson line}}=\measuredangle (MR,X^*Y^*)$$
となって,$\odot(R^*XY)$が$P$を通ることが示される.$\quad \blacksquare$
簡潔で分かりやすくていいですね.こういう構図,大好きです.
Permutation line,早く勉強したいんですけどisoconjugationとbarycentric productの良い教材がなくて全然手をつけれてないんですよね.なぜか初等幾何なのに群論が登場するのもハードルの一つ...
以上です.