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n + 1個の点を通るn次以下の函数の一意性とLagrangeの補間公式

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$$\newcommand{Ker}[0]{\operatorname{Ker}} \newcommand{Max}[0]{\operatorname{Max}} \newcommand{Spec}[0]{\operatorname{Spec}} $$

$x$座標が相異なる$n + 1$個の点$(x_{1}, y_{1}), (x_{2}, y_{2}), \ldots, (x_{n + 1}, y_{n + 1})$を通る$n$次以下の函数$y = f(x)$が唯一つ定まり, 次の式で表される :
\begin{equation} f(x) = \sum_{i = 1}^{n + 1} \frac{f_{i}(x)}{f_{i}(x_{i})} y_{i}, \text{ただし} \; f_{i}(x) = \prod_{k \neq i} (x - x_{k}) \text{.} \end{equation}

(一意性) $f, g$$n$次以下の函数とし, $f(x_{1}) = g(x_{1}) = y_{1}, f(x_{2}) = g(x_{2}) = y_{2}, \ldots, f(x_{n + 1}) = g(x_{n + 1}) = y_{n + 1}$が成り立つとする. $n$次以下の函数$h = f - g$$h(x_{1}) = h(x_{2}) = \cdots = h(x_{n + 1}) = 0$が成り立ち, したがって$n$次以下の多項式$h$$n + 1$次の多項式$(x - x_{1}) (x - x_{2}) \ldots (x - x_{n + 1})$で割り切れるから, $h = 0$, ゆえに$f = g$である.

(存在) $f$を定理の通りに定義したとする. $f_{i}$の定義より$f_{i}(x_{i}) \neq 0$である. 一意性より$i = 1, 2, \ldots, n + 1$に対し$f(x_{i}) = y_{i}$が成り立てばよい. $f(x_{i}) = \sum\limits_{i = 1}^{n + 1} ({f_{i}(x)} / {f_{i}(x_{i})}) y_{i}$で, $k \neq i$ならば$f_{k}(x_{i})$$(x_{i} - x_{i}) = 0$が積の中にあるから$0$であり, $k = i$ならば$f_{k}(x_{i}) = f_{i}(x_{i})$だから$f(x_{i}) = y_{i}$である.

この定理で出てきた$f(x) = \sum\limits_{i = 1}^{n + 1} ({f_{i}(x)} / {f_{i}(x_{i})}) y_{i}, f_{i}(x) = \prod\limits_{k \neq i} (x - x_{k})$Lagrangeの補間公式と呼ばれる公式です.

Lagrangeの補間公式

$n + 1$個の点$(x_{1}, y_{1}), \ldots, (x_{n + 1}, y_{n + 1})$を通る$n$次以下の函数$y = f(x)$
\begin{equation} f(x) = \sum_{i = 1}^{n + 1} \frac{f_{i}(x)}{f_{i}(x_{i})} y_{i}, \text{ただし } f_{i}(x) = \prod_{k \neq i} (x - x_{k}) \end{equation}
で与えられる.

投稿日:25
更新日:213

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