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⌊√k⌋の形の使い道はないけど面白い定理

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次の定理を見つけました。ただしxは床関数(ガウス記号)であり、x以下の最大の整数を表します。そして、n,k,mなどは断りがない場合は自然数(時に0も含める)とします。

ある関数f(x)が存在し、その交代逆数和がαに収束する、つまり
k=1(1)k1f(k)=αとする。このとき、
k=1(1)k1f(k)=α
が成り立つ。

ある関数g(x,y)が存在し、その交代逆数和がβに収束する、つまり
k=1(1)k1g(k,k+1)=β
とする。このとき、
k=1(1)k1g(k,k+1)=β
が成り立つ。

k=1(1)k1k=k=1(1)k1k=ln2
k=1(1)k1kk+1=k=1(1)k1k(k+1)=2ln21

自然数nについて、ある整数m(m=0,1,2,...,2n)が存在して、

n2+m=n
である。

補題3の証明

n2n2+m<(n+1)2=n2+2n+1を満たす整数mm=0,1,...,2nである。各辺に根号を取って
nn2+m<n+1
床関数の定義より、補題3が示される。

k=1n(1)k1={0(n)1(n)

補題4の証明

等比級数和の公式より、
k=1n(1)k1=1(1)n1(1)=1(1)n2
また、(1)n={1(n)1(n)
から補題4が導かれる。

(1)n2=(1)n

補題5の証明

nn2の偶奇性は変わらないことによる。

定理1の証明

k=1(1)k1f(k)=k=1(m=k2k2+2k(1)m1f(m))=k=1(m=02k(1)k2+m1f(k2+m))
ここで、補題3より
f(k2+m)=f(k)
また、補題4,5より、
m=02k(1)k2+m1=(1)k21m=12k+1(1)m1=(1)k1
よって、
k=1(1)k1f(k)=k=1(m=02k(1)k2+m1f(k2+m))=k=1(1)k1f(k)
となり、定理1が示された。

定理2の証明

k=1(1)k1g(k,k+1)=k=1(m=k2k2+2k(1)m1g(m,m+1))=k=1(m=02k1(1)k2+m1g(k2+m,k2+m+1)+(1)k2+2k1g(k2+2k,k2+2k+1))
ここで、補題3より、
g(k2+m,k2+m+1)=g(k,k)
g(k2+2k,k2+2k+1)=g(k,k+1)
である。そして補題4,5より、
m=02k1(1)k2+m1=(1)k21m=12k(1)m1=(1)k10=0
(1)k2+2k1=(1)(k1)2=(1)k1
よって、
m=02k1(1)k2+m1g(k2+m,k2+m+1)+(1)k2+2k1g(k2+2k,k2+2k+1)=(1)k1g(k,k+1)
以上から
k=1(1)k1g(k,k+1)=k=1(1)k1g(k,k+1)
となり定理2が示された。

完走した感想

床関数の性質と交代級数が上手いことかみ合って綺麗に打消しあってくれます。証明も非常に初等的でいいですね。実用性はないですが、見た目は非常に綺麗な式です。国公立二次試験が迫ってきているからって現実逃避で数学をやっているわけではありません、念のため。

投稿日:26
更新日:26
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n=1 帰納法の失敗

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