いつものようにTwitterを巡回して可愛い絵をRTしていると
有理数xに対し、$x+\frac{1}{x}$の小数部分はどのような値を取りうるか。
元のツイートはこちらから
という問題が流れてきました。
これは自分でも解けそうだぞと、見た感じでパッと解法も思いついたので手を出したら思ったより難しかったです。
先に言っておくとある程度の主張はできましたがこれが最も強い主張であるという証明はできていません。
また、数学的に証明が正しいかは分からないので間違いや説明不足等あれば教えて頂きたいです。(こないでほしい)
それとLatex表記はなかなか使わないので不自然なところがあるかもしれませんが多めに見てほしいです。
前置きはこのくらいにして私の出しうる最大限強い主張とその証明を説明していきます。
$既約分数$
$0$$\leq$$\frac{a}{b}$$\lt$1 $(a,b \in \mathbb{Z}_{\geq_0}$、$b \gt 0、gcd(a,b)=1)$
$が、ある有理数xに対して$
$ \lbrace{x+\frac{1}{x}}\rbrace=\frac{a}{b}となるための必要十分条件は、$
$整数tがあって、t \equiv a\, (mod\ b)\ かつ\ t^2 - 4b^2\ が完全平方数となるものが存在すること$
$である。すなわち、ある整数kが存在して$
$t^2 - k^2 = 4b^2\quad (つまり\ (t+k)(t-k) = 4b^2)$
$を満たすことである。$
$x=\frac{p}{q}\ (p,qは互いに素な整数、q>0)とおくと$
$x+\frac{1}{x}=\frac{p^2 +q^2}{pq}$
$となる。この値が整数部分nと小数部分\frac{a}{b}を用いて$
$\frac{p^2 +q^2}{pq}=n+\frac{a}{b}$
$と表されるとき、t=nb+aとおくと$
$b(p^2 +q^2)=pq \cdot t$
$これをpについての二次方程式\ p^2-\frac{qt}{b}p+q^2=0\ とみなすと、$
$pが整数になるための判別式の条件より$
$(\frac{qt}{b})^2-4q^2が有理数の平方、すなわちt^2-4b^2が完全平方数である必要がある。(逆も成立する必要がある)$
$t^2-k^2=4b^2は(t+k)(t-k)=4b^2と因数分解されるため、$
$4b^2の約数の組\ (u,v)\ (uv=4b^2、u< v、u≡v\ (mod\ 2))に対して$
$t=\frac{u+v}{2}, k=\frac{v-u}{2}$
$とおけば条件を満たす。ここで、t≡a\ (mod\ b)となるかどうかが判断基準となる。$
$上記条件より、分母bの種類に応じて以下の制約が得られる。$
$1.bが奇素数pの場合$
$可能な小数部分は$
$\lbrace 0,\frac{1}{p},\frac{p-1}{p}\rbrace$
$のみに限られる。$
$(例:b=5のとき\frac{2}{5}や\frac{3}{5}は不可能)$
$2.b=2^m (m \geq 1)の場合$
$a≡0 または a≡±(2^{i-1}+2^{2m+1-i})\quad (mod\ 2^m)\quad (i=1,2,...,m)$
$となるaのみが可能。$
$(例:b=8のとき、a=0,1,2,4,6,7は可能だがa=3,5は不可能)$
$3.一般のbの場合$
$bの素因数分解を用いて中国余剰定理により$
$上記の条件を合成することで、具体的な可能なaの集合が決定される。$
$\lbrace x+\frac{1}{x}\rbrace\ (x\in\mathbb{Q})=\lbrace\frac{a}{b}\in\mathbb{Q}\mid 0\leq\frac{a}{b}\lt 1, \exists t \in \mathbb{Z}\ s.t.t≡a\ (mod\ b),t^2-4b^2\in{Z^2}\rbrace$
$すなわち、小数部分\frac{a}{b}が実現可能であるための必要十分条件は、$
$4b^2の偶数の約数uに対して$
$\frac{u+\frac{4b^2}{u}}{2}≡a\ (mod\ b)$
$となるものが存在することである。$
$一般のbの場合中国余剰定理により決定されると書いたが具体的な方法を示しておく。$
$1.奇素数冪p^eの場合$
$uv=4p^{2e}で、u,vは共に偶数である$
$4はpと互いに素なので、u,vのp-進評価だけを見ると$
$u=2p^i, v=2p^{2e-i} (0\leq i\leq 2e)$
$と書ける。すると、$
$t=\frac{u+v}{2}=p^i+p^{2e-i}$
$である。これをp^eで見ると、$
$負の約数を許すとu,v\lt 0の場合があり、そのときtの符号が反転するため$
$t≡-1,0,1\ (mod\ p^e)$
$が出る。また、それ以外の剰余が出ることはない。$
$そのため、S(m)を「法mで実現可能な剰余類の集合」とすると$
$S(p^e)=\lbrace0,±1\rbrace\quad (mod\ p^e)$
$と書くことができる。$
$2.2の冪2^eの場合$
$uv=2^{2e+2}なので偶数約数uは$
$u=±2^j\quad (1\leq j\leq2e+1)$
$の形であり、また$
$v=±2^{2e+2-j}$
$であるので、$
$t=\frac{u+v}{2}=±(2^{j-1}+2^{2e+1-j})$
$したがって、S(m)の形で書くと$
$S(2^e)=\lbrace ±(2^{j-1}+2^{2e+1-j})\ mod2^e\mid 1\leq j\leq2e+1\rbrace$
$と書くことができる。ただし、重複はまとめるものとする$
$3.一般のbの場合$
$b=2^{e_0}p^{e_1}_1 \dots p^{e_r}_rとする。$
$各素因数冪ごとに可能な剰余集合$
$S(2^{e_0}),S(p^{e_1}_1),\dots,S(p^{e_r}_r)$
$を求める。すると、法bで可能な剰余類の集合S(b)は$
$S(b)=\lbrace a\quad (mod\ b)\mid a\ mod\ 2^{e_0}\in S(2^{e_0}),a\ mod\ p^{e_i}_i\in S(p^{e_i}_i)\forall i\rbrace$
$である。これは中国余剰定理により、各素因数冪ごとの条件を同時に満たすa(mod\ b)が一意に定まることによる。$
$既約分数\frac{a}{b}が与えられたとき、$
$1.bを素因数分解する。$
$b=2^{e_0}p^{e_1}_1\dots p^{e_r}_r$
$2.各素因数冪についてaの余剰を調べる。$
$このどちらか一方が外れていれば不可能である。$
この問題を見つけたのがAM1時でそこから問題が解けずにAM5時ぐらいまで悩んでしまいました。
その後なんとか土台の構想が作れたのですがそこから肉付けしていくのにすっごく時間がかかりました(´・ω・`)
最初の方でも述べたように数学的に証明が正しいかどうかは私には分からないのでぜひ間違いや説明不足を指摘していただけると助かります。