局所小圏 $\mathcal{C}$から具体的に薄い圏を構成する(薄化する)方法としては、すでに強薄化圏C(Ob($\mathcal{C}$),{hom(i,j)}$ _{i,j\in Ob(\mathcal{C})}$)を見た。ただし、これは強連結という強すぎる性質を持つ圏なので、実用としては使い勝手が悪いかと思う。標準的な薄い圏の構成法として、以下をあげる。
任意のi,j$\in Ob(\mathcal{C})$に対して、hom(i,j)が空集合でないとき、なんでもよいので$ f'_{ij} $ を唯ひとつ定める。
hom(i,j)が空集合のときは$ f'_{ij} $は存在しないとする。
このとき、C(Ob($\mathcal{C}$),{$ f'_{ij} $}$ _{i,j\in Ob(\mathcal{C})}$)は薄い圏とみなせる。
(証明)
$\mathcal{C}$において、射f:i → j と g:j → k が存在するとき、
g$ \circ $f : i → k が存在する。このとき仮定より$ f'_{ij} $, $ g'_{jk},$ $(g\circ f)'_{ik} $がそれぞれ唯一存在する。そこで
$ g'_{jk}\circ f'_{ij} $ :=$(g\circ f)'_{ik} $ とすれば、『薄い圏の考察(1)』のはじめで見たように、C(Ob($\mathcal{C}$),{$ f'_{ij} $}$ _{i,j\in Ob(\mathcal{C})}$)は薄い圏とみなせる。(証明終)
例。ある命題「AならばB」が成り立つ証明が(ひとつでも)世の中で認められると、命題「AならばB」は真として確定する。このようにして「証明の圏」から「命題論理の圏」が構成できる。
以下は、薄化を用いることによる各分野への応用発展についてgoogleAIによる分析予想です。
(まとめ)
薄化関手の本質は、「情報(複雑な射構造)を簡略化し、本質的な構造関係のみを抽出する」ことです。これにより、データやシステムが「大きすぎる」「複雑すぎる」ために解析が困難だった分野において、より単純で扱いやすい構造への変換という新しい視点を提供します。