今回は右切り捨て可能素数をすべて挙げる.
例えば$593993$のように各桁の値が$0$でなく, $593993, 59399, 5939, 593, 59, 5$のように右から数字を一つずつ切り捨てた数も素数になるような素数をいう.
右切り捨て可能素数は有限個ありその数は$83$個であることが知られている.
まず右切り捨て可能素数を「すべて」調べ上げるために次のようなものを考える.
一桁の素数$p$を選ぶ.
[1]
($0$でない)任意の一桁の数$q$に対して
(1) $10p+q$が素数にならないとき
\begin{equation}
p\rightarrow \times
\end{equation}
と書く.
(2) $10p+q$が素数となる$q$が存在するとき
$10p+q$が素数となる$q$のなかで最小のものを$q_{1}$とする. このとき,
\begin{equation}
p\rightarrow 10p+q_{1}
\end{equation}
と書く.
さらに, $10p+q$が素数となる$q$のなかで二番目に小さいものを$q_{2}$とする.
このとき,
\begin{eqnarray}
&p&\rightarrow 10p+q_{1}\\
&&\rightarrow 10p+q_{2}
\end{eqnarray}
と書く.
$10p+q_{3},10p+q_{4},\dots(q_{1}< q_{2}< q_{3}< q_{4}<\dots ,\ q_{1},q_{2},q_{3},q_{4},\dots\ne 0)$が素数となっても同様である.
これをどんな零でない一桁の数$q$をとっても$10p+q$が素数とならないようになるまで続ける.
以下新たに得られた素数に対して(桁の規制を超えて$p$と置き直すと)[1]と同様の操作を繰り返すことができる. この操作を繰り返しすべての末端が$\times$となるまで続ける.
[2]
これを他の一桁の素数に対しても行う.
この一連の操作によりすべての右切り捨て可能素数が「枝」に現れることは良いだろう.
素数$2$に対して[1]を行うと
のようになる.
これを$3,5,7$に対して行ったものが次である.
さらにこれを小さい順に並べてみよう.
$2,3,5,7$
の$4$個
$23,29,31,37,53,59,71,73,79$
の$9$個
$233,239,293,311,313,317,373,379,593,599,719,733,739,797$
の$14$個
$2333,2339,2393,2399,2939,3119,3137,3733,3739,3793,3797,5939,7193,7331,7333,7393$
の$16$個
$23333,23339,23399,23993,29399,31193,31379,37337,37339,37397,59393,59399,71933,73331,73939$
の$15$個
$233993,239933,293999,373379,373393,593933,593993,719333,739391,739393,739397,739399$
の$12$個
$2339933,2399333,2939999,3733799,5939333,7393913,7393931,7393933$
の$8$個
$23399339,29399999,3733799,59393339,73939133$
の$5$個
以上の$83$個が右切り捨て可能素数である.
右切り捨て可能素数と同様に左切り捨て可能素数も考えることができる. これは$4260$個あるそうだ.
wiki(2024/6/14)
流石にこれを書き並べることはしないが興味があり時間に余裕がある人はやってみると良い.
今回この記事を書いたのはいくらネットで右切り捨て可能素数を列挙したものを探しても見つからなかったからである. ありとあらゆる情報が(正誤を抜きにして)漂っていると思いがちなネットの世界でも案外いくら探しても見つからないことがある. このようなときは実際に自分で手を動かし自分だけの情報を掴んで欲しい.