皆々様,お久しぶりです.しんぎゅらです!!続編を書く書くと言いながら,音沙汰なくてすみません.
今回は,part2で紹介した
実はこの度,卒業研究発表会を無事完遂いたしまして,その際に調べた関数芽とその$\K$-軌道を紹介します.
後々説明しますが$\K$-単純特異点(後ほど説明)の分類がある程度(私もどの程度か分かってない)研究されていて,有名なもので$A-D-E$のタイプは特異点論を勉強すれば耳にしないことはないでしょう.
今回説明するのは$E_{18}$-型特異点というものです.
\begin{align}
f(x,y)=x^{3}+y^{10}+\sum_{10i+3j>30}a_{ij}x^{i}y^{j}
\end{align}という冪級数を考えます.
$x,y$に重み$(10,3)$を与えることで,最初の$x^{3}+y^{10}$は重み付き$30$次斉次になり,シグマ以降の項は$30$次以上の項になります.
さてこの$f$は実は$f_{a,b}(x,y)=x^{3}+y^{10}+axy^{7}+bxy^{8}$に$\R$-同値になります.(詳しくいうと,$\{a_{ij}\}$に対して$(a,b)\in\mathbb{R}^{2}$が存在して$\R$-同値)(これは気合いの計算と$10$-決定(後ほど説明)を用います)
$f_{a,b}$は$a,b$を動かすと関数としてめっちゃ変わりそうですが,実は$a,b$によらずMilnor数$\mu(f)$は$18$で一定なのです.更に$\K$-同値類もたったの3つになるのです.はい、もう激ヤバ確定〜〜
その同値類とは
$
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{ll}
g_{1}=x^{3}+y^{10}+xy^{7}+xy^{8}&& (a\neq0) \\
g_{2}=x^{3}+y^{10}+xy^{8} &&(a=0,b\neq0) \\
g_{3}=x^{3}+y^{10} &&(a=b=0)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
$
を代表元とする3つです.
同値類分布の様子(画像デカすぎ)
同値類が$3$つであることの証明はpart2で紹介した
$T(f)\cong T(g)\Rightarrow f\keq g$(Mather-Yauの定理)
を用います.数式処理ソフトSingularで$T(g_{1}),T(g_{2}),T(g_{3})$を調べると生成元を見比べれば,すぐに確認できます.手計算はやめとけ.
それぞれのTjurina数を求めると,$\tau(g_{1})=16$,$\tau(g_{2})=17$,$\tau(g_{3})=18$になります.
齋藤の定理から,$\tau(f)=18$の時のみ重み付き斉次多項式$g_{3}=x^{3}+y^{10}$に$\R,\K$-同値です. ヤバ!!(ギャルピース)
また,$f_{a,b}$は$a,b$についてモジュライ($\R$-同値について)です。すなわち,$f_{a,b}\req f_{c,d}$ならば$(a,b)=(c,d)$ということです.これを考えれば「$\K$-同値だけど$\R$-同値でない」関数の具体例も得られますね!!ワオ!!
以上しんぎゅらでした!!まったね〜〜!!