0
現代数学解説
文献あり

「特異点のこころえ」問1.1の回答

35
0

「特異点のこころえ」(参考文献参照)の演習問題の回答を順次記事にしていきます。
今回は問1.1の回答を作成しました。

問1.1 (x1,y1)R2f¯の特異点であるとき, rankJf¯(x1,y1)=1が成り立つ(ヤコビ行列の階数が0となる特異点は現れない)ことを示せ.

f¯の定義

f¯(x,y)=(x2y2+2ϵx,2xy2ϵy)=:(f1(x,y),f2(x,y)) (ϵ0) 

仮定の(x1,y1)R2f¯の特異点であるとは,rankJf¯(x1,y1)1であることに他ならない.すなわち,rankJf¯(x1,y1)=0,1であるので,rankJf¯(x1,y1)0を示せばよい.これを背理法で示す.
rankJf¯(x1,y1)=0,すなわち,
(f1x(x1,y1)f1y(x1,y1)f2x(x1,y1)f2y(x1,y1))=(2x1+2ϵ2x12ϵ)=(0000)が成立すると仮定すると.ϵ=x1=ϵとなり,ϵ=0が得られる.
しかし,これはϵ0と矛盾する.

参考文献

[1]
佐久間一浩, 特異点のこころえ―トポロジーの本質を視るために, 株式会社 日本評論社, 2019, pp.9-12
投稿日:2023125
更新日:2023125
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

幾何学(複素幾何、リーマン幾何、微分トポロジー、代数トポロジー)の勉強をしています。今は特異点のこころえを読んでいます。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中