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月刊誌シリーズ① 一橋整数の鑑賞(2025.4)

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過去に友達と作っていた月刊誌ですが、公開期限が切れているのでここに投稿します。これから、また色々な記事を書こうと思っています。

はじめに

この会報誌を読んでくれてありがとうございます。
 これは数学研究会で新しく始めようとしていることで、毎月数学について発信したりコミュニティを広げたりするために始めたものです。普段考えたりしている数学のことやある程度勉強したところまででまとめてみた数学のこととかをみんなに共有することで色々な視点で数学を楽しむことができるようにしようと思っています。
 また文系の人向けの記事も書いていこうと思っているので、読みたいところをつまみ食いしながら読んでもらっても大丈夫です。
ーーー2025.4のはじめにより

今回は、私が高1の時に数オリの勉強をしていた中で、整数問題の演習を兼ねて解いていた一橋大学の整数問題の中でも、面白いな(もしくは、有名やな)と思った問題を解説します。

本篇

1問目

2017年

連立方程式
$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{1} x²=yz+7 \\y²=xz+7\\z²=xy+7 \ \end{array} \right. \end{eqnarray}$
を満たす整数の組(x,y,z)でx≦y≦zとなるものを求めよ

解説

全てを足すことにより以下の方程式を得る。

x²+y²+z²=xy+yz+zx+21
⇔x²+y²+z²-xy-yz-zx=21
(ここで左辺にとても扱いやすい形が出てきた!)

$\frac{1}{2}${(x-y)²+(y-z)²+(z-x)²}=21
⇔(x-y)²+(y-z)²+(z-x)²=42(フォーカスゴールドありがとう)

ここで2乗された数は0以上であることと、(x-y)²,(y-z)²,(z-x)²は1,16,25となることがわかる。

ここから先は計算することにより(正負と大小に気をつけるだけの簡単な計算なので省略する)
(x,y,z)=(-2,-1,3),(-3,1,2)とわかる。

1.安易に直接x,y,zを求めに行こうとしない。
 なぜかというと、この場合2乗の数とかけられている数で構成されているため、連立方程式を解くことはかなり複雑になりそうだと直感的にわかる。

2.正負に気をつけること
 こういう形において焦ってとこうとすると、脳内で自然と「整数」を「自然数」と変換されて、解がないってなってしまったりする。

3.数オリをしている人へ
 入試数学における連立方程式は今まで自分が見てきたものやと方程式を足すだけでなんとかなるが、数オリはあと1,2工程踏む必要がある。

2問目

2014年

a-b-8とb-c-8が素数となるような素数の組(a, b,c)をすべて求めよ。

この素数の問題で大切なのが

偶数と奇数についてとmod3(8,9→この2つは数オリくらい)を使う。

ということである。

→ネットには難問と書かれているが正直↑の大原則さえすぐ思い出せれば(というか反射的にでてくるべきである)難易度はいきなり下がると思う。

素数の問題では当たり前として刷り込まれてきた知識をa,b,c…などの形でされたときに、いかに抽象的な肝として引っ張り出してくるかが大事。

解説

まずa〜cの中に偶数が含まれる場合について考える。

a-b-8,b-c-8ではそれぞれa,bしか正の数が存在しないためa,b共に8以上だからc=2しかありえない。

従ってa,bは奇素数であることがわかり、奇数-奇数-偶数よりa-b-8=2・・・☆となる。

以下では合同式は法を3とする(mod3)

b≡0、つまりb=3のときb-c-8<0より不適
b≡1のときb-c-8≡1-2-2≡-3≡0 ∴b-c-8=3 ∴b=13 ☆よりa=23
b≡2のときa=b+8+2(☆の変形)よりb+8+2≡2+2+2≡0∴a=3(不適)

以上の軽い議論からa〜cに偶数が含まれるとき(a,b,c)=(23,13,2)のみとわかる。

次に全て奇数の場合について考える。

このとき、a-b-8=b-c-8=2・・・♪が成立する。(∵奇数-奇数-偶数)
前と同様にここでもa,bは8以上でありa,bが3となることはない(3の倍数にはならない)

以下も引き続きmod3で考える。

・a≡1のときa-b-8≡1-b-8≡-b-1ここで♪より-b-1≡2 ∴b≡0(不適)
・a≡2のときa-b-8≡2-b-8≡-b-6ここで♪より-b-6≡2 ∴b≡1
 a≡1とa-b-8と同様に考えてc≡0(つまりc=3)

 従って(a,b,c)=(23,13,3)   以上より(a,b,c)=(23,13,3),(23,13,2) 

・素数の問題において「偶素数は2だけ」といったような素数の持つ自明な性質を活用することは強力かつ使いやすい。

・素数絡みではmodnに着目することは大事。一回n=3で試す→上手くいかなかったら色々なnで試すとか…

・案外数字を奇数+奇数-…..みたいに一般化しておいてみることで偶奇の特徴に気づきやすかったりする。(ex.期末テストの最終問題の素数絡みのやつ)

整数問題の3大解法(有名)

さっきまでの長い文を読んでいて思ったかもしれないけど、整数問題の解法は大体↓の3つに帰着する。

1.余りに注目(modの使用)
2.因数分解(さっきのx²+y²+z²-xy-yz-zとかも当てはまる)
3.範囲を絞る。(不等式の利用や平方数の性質を用いたりする)

これを中心に考えると沼った時に考える手助けになる。

※一橋の数学は、色々考える→良い感じの式が出てくる→範囲絞る→ゴリ押しっていう方針が多い傾向。(15カ年をみていた感じ)本番は使えんけど オイラーのトーシェント関数 を使った問題も2回くらい出してる。

3問目

2009年

2以上の整数m, nはm³+1³=n³+10³をみたす。m,nを求めよ。

3問目は鑑賞問題である。

勘のいい人、ラマヌジャンが好きな人、フォーカスゴールドをやり込んだ人なら知っていると思うが要するに タクシー数 の話がしたいだけである。

かなり有名な問題で色々な解説が出ているのでここでは解説を簡単にする。

さっきの3大解法を使うなら、今回使えそうなものは2.因数分解だとわかる。

(理由:移項することで3乗どうしのひき算が作れて、その後倍数に注目すれば容易に解けそうだと想像がつくから。)

その後、軽い場合分けにより解くことができる。

ABCD表記について

数学の問題では難易度をABCDで表現することがある。

というふうになっていて、Xや大学への数学等では用いられていることが多いので知っておくと一般的な難易度を知ることができる。

ただ、人によって難易度が違うからかB問題でも東大入試の中でも難しい部類の問題が紛れていることがあるのでA〜Dの評価にとらわれないことが大切。

※ちなみにさっきの3問目は15カ年によるとA問題なので自力で解けるようにしよう!

4問目

2007年

mを整数としf(x)=x³+8x²+mx+60とする。
(1) 整数aと0ではない整数bで、f(a+bi) =0をみたすものが存在するようなm をすべて求めよ
※ただしiは虚数単位である

  1. (1)で求めたすべてのmに対して、方程式f(x)=0を解け

解説

鉄則:実数係数多項式について解にa+biを持つなら、a-biも解である。(逆も成り立つ)

これがわかってしまえば後はもう一つの解をcとかで置いてしまえばいい。(cは実数となる。)

前のページで解は分かった。しかし具体的なa,bやmについては全然分かっていない…

Q.こういう時は何を使うか?
A.解と係数の関係を用いれば良い。
 →変に代入してしまうと計算量が増えたりして面倒くさいから。

これを用いることにより、(a²+b²)(a+4)=30を得て、a²+b²>0より、a+4>0とわかる。ここまで絞ってしまえば30の約数からa,bを特定でき、
mを求めることが可能になる。

(2)はmを代入して計算するだけなので省略する

投稿日:1日前
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