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現代数学解説
文献あり

Srivastavaによる二重超幾何級数の展開公式

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次はSrivastavaによって1970年に示された公式である.

Srivastava(1970)

0m,n(a1,,ar)m(c1,,cu)n(e)m+n(b1,,bs)m!(d1,,dv)nn!(f)m+nxmyn=0n(a1,,ar,c1,,cu,e,fe)n(f+n1)n(f)2n(b1,,bs,d1,,dv)n(xy)nn!rFs+1[a1+n,,ar+n,e+nb1+n,,bs+n,f+2n;x]uFv+1[c1+n,,cu+n,e+nd1+n,,dv+n,f+2n;y]

αn=(a1,,ar)n(b1,,bs)n,βn=(c1,,cu)n(d1,,dv)nとすると, 右辺は
0n(f)n1(f+2n1)(fe)nn!(e)n0j,k(e)n+j(e)n+kj!k!(f)2n+j(f)2n+kαn+jβn+kxn+jyn+k=0j,k(e)j(e)kαjβkxjyk0n(f)n1(f+2n1)(fe)n(jn)!(kn)!n!(e)n(f)n+j(f)n+k(jjn,kkn)
ここで, Dougallの和公式より,
0n(f)n1(f+2n1)(fe)n(jn)!(kn)!n!(e)n(f)n+j(f)n+k=1j!k!(f)j(f)k5F4[f1,1+f12,fe,j,kf12,e,f+j,f+k;1]=1j!k!(f)j(f)k(f)j(f)k(e)j+k(e)j(e)k(f)j+k=(e)j+kj!k!(e)j(e)k(f)j+k
であるから, これを代入して定理を得る.

xxe,yyeとしてからeとすると以下を得る.

0m,n(a1,,ar)m(c1,,cu)n(b1,,bs)m!(d1,,dv)nn!(f)m+nxmyn=0n(a1,,ar,c1,,cu)n(f+n1)n(f)2n(b1,,bs,d1,,dv)n(xy)nn!rFs+1[a1+n,,ar+nb1+n,,bs+n,f+2n;x]uFv+1[c1+n,,cu+nd1+n,,dv+n,f+2n;y]

xfx,yfyとしてからfとすると以下を得る.

0m,n(a1,,ar)m(c1,,cu)n(e)m+n(b1,,bs)m!(d1,,dv)nn!xmyn=0n(e,a1,,ar,c1,,cu)n(e+n1)n(e)2n(b1,,bs,d1,,dv)n(xy)nn!r+1Fs[a1+n,,ar+n,e+nb1+n,,bs+n;x]u+1Fv[c1+n,,cu+n,e+nd1+n,,dv+n;y]

これらの等式において, 右辺の和に現れる超幾何級数になんらかの和公式が適用できるように特殊化すれば, 二重超幾何級数を超幾何級数で表す様々な等式を得ることができるだろう.

参考文献

[1]
H. M. Srivastava, Certain pairs of inverse series relations, J. Reine Angew. Math., 1970, 47-54
[2]
H. M. Srivastava, Sums of certain double $q$-hypergeometric series, Rend. Sem. Mat. Univ. Padova, 1984, 1-8
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Wataru
Wataru
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超幾何関数, 直交関数, 多重ゼータ値などに興味があります

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