とする. この記事において, が入った級数に関して良い拡張を与えることを考える. まず, 一般二項定理から,
が成り立ち, その特別な場合として
を得る. ここで,
はにおけるがに置き換わったものと考え, をの類似ということにする. つまり, 様々な等式に現れるをまたはに置き換えて得られるようなものを類似ということにする.
Legendre多項式は,
によって定義され,
を満たす直交多項式である. ここで, はKroneckerのデルタを表す.
と定義すると, は偶関数であるから, は次の多項式であり, 微分方程式の確定特異点はとなる. 直交性は
となり, はにおいて, 完全直交系をなすことが分かる. 積分
を計算することによって, 関数は区間において, 以下のようにFourier-Legendre展開される.
の類似を考える. まず, は次のような超幾何関数による表示を持つ.
ここにおいて現れるの部分を全てに置き換えることによって, Legendre多項式の類似としての-Legendre多項式が
として定義できる. このとき, がJacobi多項式の特別な場合になっていることから, 以下が成立する.
さらに, 以下の積分が成り立つこともGaussの超幾何定理などを用いた計算によって示される.
これらを合わせると, -Fourier-Legendre展開
を得ることができる. このように, が入った級数が類似にどこまで一般化できるのかは興味深い研究課題だと思っているので, これからも考えていきたいと思う.