今日解いた問題がおもしろかったので、備忘録代わりに記事を書こうと思います。また、結構雰囲気で書いているので、誤っているところがあればご指摘いただきたいです。
問題
$A$:可換環とする。$A[x]$の極大イデアル$\mathfrak{m}$であって,
$A\cap\mathfrak{m}\subset A$が極大イデアルでないような例を挙げよ。
この問題の発想としては,$A$はほとんど体みたいな環になっていて、$\mathfrak{m}$で割って元を追加したら体になるようなものを用意すればよさそうだな~。けど、$A\cap\mathfrak{m}$にしたときに極大イデアルになってて欲しくないから$x$を使って書けたら$(0)$になるから極大じゃないんだけどな~。となります。
よって、$A$として局所環を取って、局所化に使う元の逆元を添加するようなイデアルで割ればよさそうなので、その方向で示します。
$A=k[t]_{(t)}$とし、$\mathfrak{m}=(tx-1)\subset A[x]$とします。
これは確かに極大イデアルになっています。
($A[x]/(tx-1)\simeq A[t^{-1}]\simeq k(t)$:体より。)
また、$\mathfrak{m}\cap A=(0)$であり、$A$の極大イデアルは$(t)$であることから、これは極大イデアルではありません。
よって、欲しかった例が手に入りました。
このようにして具体例を手に入れることができたので、幾何の世界で何が起こっているのかを見ていきたいと思います。(厳密な議論はおいて、こうなっているんじゃないかな。という予想を書きます。)
まず、環準同型$\phi:A\to A[x]/(tx-1)$を考えます。
このとき、$\pi:\text{Spec}(A[x]/(tx-1))\to\text{Spec}(A)$が自然に誘導されます。
もし、$\mathfrak{m}\cap A$が極大イデアルなら、この写像は極大イデアルを極大イデアルに対応させるはずです。
しかし、そうはなりません。
実際、$\text{Spec}(A[x]/(tx-1))=\{(0)_{A[x]/(tx-1)}\}$であるので、この元が$\text{Spec}(A)=\{(0)_A,(t)\}$のどちらにいくのかでこの写像のことを知ることができます。
$A[x]/(tx-1)$はつまるところ、双曲線のことであるので$(0)_{A[x]/(tx-1)}$が表す図形は$t\not=0$で$tx-1$を満たすような点です。
これを$\pi$で送ると射影みたいなものなので、$A$の原点以外、つまり$(0)_A$が表す図形に写ります。
よって、$\pi;(0)_{A[x]/(tx-1)}\mapsto (0)_A$であるから、極大イデアルが極大イデアルに対応していません。
これは双曲線が局所化した点(今回は原点)で発散してしまい、その点で逆元を持たないのが原因になっているのではないかと考えます。逆に局所化した点で逆元を持っていればその点に射影で落ちていくところがあり、$\pi^{-1}((t))\not=\emptyset\iff\pi((0)_{A[x]/(tx-1)})=(t)$となるため、極大イデアルを無事保つことができそうです。
今回は以上になります。全然見当違いなことを書いていたら教えていただきたいので容赦なくご教示いただけると幸いです。