はじめに
お久しぶりです. APMO2023の問題が公開されたようで, 問4がFEだったそうです(よくやったぞAPMO). そのため今回はAPMO2023-4の解説をしたいと思います.
APMO2023-4
を正の実数とする. 正の実数に対して定義され正の実数値をとる関数であって, 任意の正の実数に対して
が成り立つようなものをすべて求めよ.
解法
不等式で評価
今回はのタイプで意味わかんないがありますね. こういうやつは不等式評価するとよさそうです. なのでです. の中身が等しくなってはいけないのでよりがわかります. さて, 正の実数を任意に動かすと右辺は未満の値を全てとることができます. しかし左辺はそれと等しくなってはいけないので以上である必要があります. ということで以下のことがわかりました.
こんな感じでならばという手法がしばし有用であることがあるため知らなかった人は意識しましょう.
解はと予想できるため, なんとかしてが得られれば勝ちです. 補題1を与式の左辺に適用してみましょう.
となるためですね. これは補題1のみでは得られません.
単射を示す
不等式評価はこれ以上進展が見られなさそうなので別の戦略を考えます. 単射性か全射性が示せればうれしいです. とりあえず単射を示していきたいと思います.となる正の実数をとります. 単射を示すためにはを示す必要があります. 与式にを代入して比較してあげるとです. もしもだとするとは周期をもつことになりますが, 補題1に矛盾しそうです.と仮定してとするとを改めてと置き換えることでです. よって周期性を持つのでをと置き換えていけばとなりますね. すなわち任意の正の整数に対してです. 左辺で補題1を適用するととなるのでが任意の正の整数で成り立つようです. しかしになど代入してあげると左辺が定数となって任意に動けるを上から押さえてしまいます. これは明らかに矛盾ですね. よってではないです. の場合はただを入れ替えただけなのでこれもあり得ません. したがってであることがわかります.
条件を活用
せっかく単射がわかったのでこれを利用したいですね. 与式からうまくという形を作ることを目標にします. 与式はが邪魔ですね. とりあえずをに置き換えてとします. こうすればが2つあるので与式を2回適用しての項だけを残せそうです. 与式のにを代入するととなります. これを上の式に代入して
となるのでを一つ消化できました. もう一度同じことをやります. 与式のにを代入すると
となります. これを上の式に代入して
となるので, の単射性より両辺のが外れて
よりが得られました. なんか大変なことになりましたね. 右辺で補題1を適用すると
だからが得られました. 分数を解消するためをそれぞれとしてにしました.
仕上げ
わかったこと
(補題1) 任意の正の実数に対してである.
(補題2) 任意の正の実数に対してである.
(補題3) は単射である.
(補題4) 任意の正の実数に対してである.
得られた情報を上に並べました. 補題2と補題4を組み合わせるとだからです. 補題4でをとしてにを代入すればとなって, なんとが導かれました!補題1と合わせれば任意の正の実数yに対してが得られます.
逆に任意の正の実数に対しなら与式の左辺はで, 右辺はとなるため十分性も大丈夫です. 最終的に答えはとなります.
おわりに
いかがだったでしょうか?関数方程式を解くときはこのような思考で解いています. この記事が皆さんのFE攻略のヒントになればうれしいです. 最後まで読んでいただきありがとうございました.