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JJMO2025を解いてみた

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 解いてみました.問10から自信ないです.それ以前も含めて,間違っていたら指摘してもらえれば訂正します(たぶん).
 あと,著作権の関係で怒られたりしたら記事は削除します.

問1

 gcd(m,n)=gcd(m,m+n)=gcd(m,2025)
 n>0よりm<2025であり,gcd(m,2025)<2025
 よってgcd(m,2025)20253=675であり,m=675,n=675×2のとき,実際に満たす.

問2

 下図のようにagを定める.

 和が10であることから,a,bが決まるとc=10abが確定する.
 同様に考えてa,b,d3つが決まると
c=10ab,f=10bd,g=10ad,e=2a+b+d10
と順次確定する.ここでb+e=f+gを用いて式を作ると,a+b+d=10を得る.
 そこで改めて,d=10abと置き直そう.今度は
c=10ab,f=a,g=b,e=a,h=10ab
と全ての値が確定する.
 つまりa+b+d=10を満たすようにa,b,dを設定すれば,残りの値は順次確定していくということである.
 そのような場合の数は,9C2=36通りである.

問3

 ACDBEDより,BE=154を得る.
 次にABEADFより,AD=247を得る.
 最後に方べきの定理DADE=DCDBを用いて,BD=187

問4

 正六角形の中心が置かれうる点は13点である.下図のように名前を付ける.

 13点から6点を選べばよい.ただし正六角形を重ならないように置くという条件は,上図において隣接する2点を選べないと言い換えられる.
(i)点Oを選ぶ場合…A,B,C,D,E,Fは選べない.a,b,c,d,e,fのうち1点を選ばなければよいので6通り.
 以下の場合分け(ii)~(v)は,点Oを選ばないものとする.
 ここで隣接する2点を選べないことを思い出そう.A,aのいずれか,B,bのいずれか,F,fのいずれかを1つずつ選んでいけばよいことがわかる.
(ii)A,B,C,D,E,Fから0点を選ぶ場合…1通り.
(iii)A,B,C,D,E,Fから1点を選ぶ場合…6通り.
(iv)A,B,C,D,E,Fから2点を選ぶ場合…9通り(正六角形ABCDEFの対角線の本数になる).
(v)A,B,C,D,E,Fから3点を選ぶ場合…2通り.
 以上を足し合わせて,24通りである.

問5

 こういう問題は実験してみよう.見やすさのため,N=5025とおく.何度か操作を行ってみると,次のように変化していくことがわかる.
操作1回目:N1,1
操作2回目:N2,2
操作3回目:N3,2,1
操作4回目:N4,3,1
操作5回目:N5,3,2
操作6回目:N6,3,2,1
操作7回目:N7,4,2,1
操作8回目:N8,4,3,1
操作9回目:N9,4,3,2
操作10回目:N10,4,3,2,1
 1,3,6,10回目が特徴的であり,次の仮説ができる:

 操作n(n+1)2回目で,石の数はNn(n+1)2,n,n1,n2,,1となる.
 また,操作((n+1)(n+2)21)回目までは,石の入った箱はn+1個である.

 証明は後回しにする.この予想が正しいと仮定して,先に問題を解いてしまおう.
 k(k+1)25025であるようなkを求めたい.
 k(k+1)2k22よりk22×5025=226×550
 よってk213×525.改めてk=213×525と置こう.
 k22=5025だから,(k1)k2<5025<k(k+1)2である.
 先ほどの仮説によれば,操作5025回目で,石の入った箱はk個となるが,最初5025個入っていた箱が空箱になることに注意して,答えはk1=213×5251個である.

 なお,仮説の証明については,以下の遷移をもとに帰納的に考えればよい.

  • 石の数がM,n,n1,,1M1,n+1,n1,n2,,1
  • 石の数がM,n,n1,,nk+1,nk1,,1M1,n,n1,,nk,nk2,,1

問6

 2b=a+cよりc=2ba.これを用いてもう一方の式を変形すると
b2b(c2+c1)+c(c+1)(c1)=0
となる.因数分解して{bc(c+1)}{b(c1)}=0に気付けたらあとは簡単である.
(i)b=c1のとき.a=c2であり,(a,b,c)=(c2,c1,c)が条件を満たすようなc79998通り.
(ii)b=c(c+1)のとき.a=2c2+cであり,(a,b,c)=(2c2+2,c(c+1),c)が条件を満たすようなc199通り(2c280000を解けばよい).
 足し合わせて,80197通り.

問7

FPB:FPD=BFC:DFC=BC:CD
EAB:EAD=CAB:CAD=BC:CD

ここで,四角形AEPFの面積は,11であることがわかる.BFPの面積をSとおき,BC:CD=1:kとおくと,
S:7=1:k
(S+11):13=1:k
である.よってk=611であり,BDDC=56である.

問8

 条件1:どのようにk枚のカードを選んでも,選んだカードに書き込まれた整数の平均値は整数となる.
を考えよう(ただしk<nとする).この条件は,次の条件と同値である.
 条件2:全てのカードをkで割った余りは等しい
(証明)条件1⇒条件2:任意の2枚のカードの置き換えが可能なため.
    条件2⇒条件1:確かめよ.

 従って,問題文の条件「どのように1枚以上n4枚以下のカードを選んでも,選んだカードに書き込まれた整数の平均値は整数となる」は,全てのカードをlcm(1,2,3,n4)で割った余りが等しい,と言い換えられる.
 この条件を満たすときに,さらに,全てのカードをn3,n2,n1,nで割った余りも等しければよい.つまり,n3,n2,n1,nlcm(1,2,3,n4)の約数であればよい.
 n3,n2,n1,nのいずれもが素数でも素べきでもなければよい.

 素数を小さい順に書いていくと,次のようになる.
2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,
(n3,n2,n1,n)=(24,25,26,27),(25,26,27,28),(32,33,34,35)は素数こそ含んでいないが素べき25,32を含んでいて不適.答えは(n3,n2,n1,n)=(33,34,35,36).すなわちn=36である.

問9(想定解ではない)

 ACBFの交点をPBFと円ABCDの交点をQ(B)と置く.
 比較的見つけやすい三角形の相似として

  • ABCFDEDF:DE=7:6と,内接四角形の角度の性質)
  • BCEDQE(円周角の定理)
  • BCPDEQBEC,BAPDFQ(先の二つから得られる)
  • ABFDQFBPA(内接四角形の性質)

 とりあえずここまでで,BP=4,EP=5,AP=447,BF=494などがわかる.
 ここでもう一押しほしいところである.例えばABDPCEでどうだろうか.

(このあと,よい解き方がわからない.)
 Stewartの定理からCPを求め,CE,AD,DF,DEの順に求めればCD=638となることはわかったが,この方針だと
CP=29+6356156
となるので,想定解ではないはず…….

問10

 条件より,黒いマスの塗り分け方は大きく分けて3通りである.

  • 左上隅から右下隅までの対角線を全て黒く塗る.
  • 二つの正方形で表せる図aの型
  • 三つの正方形で表せる図bの型
    図a 図a
    図b 図b
     図aの黒いマスの塗り方は,水色の正方形の辺の長さが229なので28通り.
     図bの黒いマスの塗り方は,
    (i)赤色の正方形が1マスの場合…水色の正方形の辺の長さが228 なので27通り.
    (ii)水色の正方形が1マスの場合…27通り.
    (iii)赤色も水色も2マス以上の場合
     黄色のマスは1マス以上なので,正方形の作り方が27C2通り.
     それぞれに対して,赤色・水色の正方形の黒いマスの塗り方が3通り.
     従って,27C2×3=1053通り.

以上を足し合わせて,1+28+27×2+1053=1136通り.

問11(途中)

最初に書いていた途中までの思考(一応置いておく)
 とりあえず,条件を満たすようなa1,,a7 を作ってみよう.
 集合U={1,2,3,4,5,6,7}の任意の部分集合S,Tに対して,STであればiSaiiTai である.これだけを満たす例として,(a1,,a7)=(1,2,4,8,16,32,64)がある.
 ところが,この例ではa7>a1+a2となっており,問題文の全ての条件を満たさない.そこで,
(a1,,a7)=(x+1,x+2,x+4,x+8,x+16,x+32,x+64)
と置いて,問題文の条件を満たすようなxを求めよう.条件より,
- x+64<(x+1)+(x+2)
- (x+32)+(x+64)<(x+1)+(x+2)+(x+4)
- (x+16)+(x+32)+(x+64)<(x+1)+(x+2)+(x+4)+(x+8)

である.これらを解いて,x>97を得る.よって,(a1,,a7)=(99,100,102,106,114,130,162)は条件を満たす.
(なお,x=1の場合a1+a2=a3となっていてiSaiiTaiに反するのだが,x>97の範囲では,このような心配はなくなっている.)

 次に,a7<162となるような例が存在するか,考えなければならない.

 まず,問題文の2個目の条件を満たすようなa1,,a7 を作ってみよう.
 a1=1,a2=2,a3=3とする.次にa4=4とすると,a1+a4=a2+a3で条件に合致しないので,
a4=5としよう.同様にしてa5=8で成立する.
 いきおいa6=13としたくなるが,それでは3+5+8=1+2+13で条件に合致しない.よってa6=14としよう.
 最後にa7=25である.
(なお,以上の思考において,例えばa1+a2+a7>a4+a5+a6ならばa1+a2+a3+a7>a3+a4+a5+a6を満たすので,正解した問題数が3つまでの場合について考えれば十分である)
 以上で,とりあえず(a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7)=(1,2,3,5,8,14,25)を得る.

 このままでは問題文の1個目の条件を満たさないので,
(a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7)=(x+1,x+2,x+3,x+5,x+8,x+14,x+25)
を考えよう.条件より,

  • x+25<(x+1)+(x+2)
  • (x+14)+(x+25)<(x+1)+(x+2)+(x+3)
  • (x+8)+(x+14)+(x+25)<(x+1)+(x+2)+(x+3)+(x+5)

である.これらを解いて,x>36を得る.よって,(a1,,a7)=(38,39,40,42,45,51,62)は条件を満たす.

 次に,a7<62となるような例が存在するか,考えなければならない.
 が……?気分的にはなさそうだが非存在のまともな証明は,私には難しそうなのでお手上げ.

投稿日:113
更新日:114
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