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を実数とする.正の整数に対して定義され実数値をとる関数であって,
- 任意の正の整数に対して
をみたすものが存在するようなをすべて求めよ.
構成,結構いっぱいできるはずで,最初に思いついたのは
としてだけずらすものです.
漸化式的に値を定義していた方もいました.
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正実数に対して定義され正実数値をとる関数であって,任意の正実数に対して
が成り立つようなものをすべて求めよ.
ただし正整数に対してとはで定義されたものであり,実数に対してで以下の整数のうち最大のものを表すとする.
とするととなり矛盾.よっては正整数.
任意の正整数についてなので任意の正整数についてをみたす正実数がとれるのでとる.
よりとでき,すると
となるのでとなるようにすればなる正実数をとれることがわかる.
とすると
の式にを代入してから.これをに当てはめると.
この式は十分性をみたす.
僕の原案:
を魔改造してもらってできた問題です.
の肩にも,式の肩にも,両肩に荷を載せました.
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平面上においてある点が良い点であるとは,その点の座標と座標が共に以上以下の正整数であることを指すものとする.匹のウサギがからまで,良い点から良い点への移動のみで移動する.また,ウサギは今いる良い点より座標と座標の少なくとも一方が小さい点には移動できないものとする.このとき,任意の,,をみたす整数に対して,からへ移動したウサギが存在したという.ウサギの匹数としてありえる最小値を求めよ.
僕は解けてない
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を正の整数,を整数としたとき,
が成立することを示せ.
僕は解けてない
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鋭角三角形の垂心をとする.でを対称移動させた点をそれぞれとする.との交点,との交点,との交点をそれぞれとする.点をそれぞれ三角形,三角形,三角形の外心とする.このとき,
(1)三直線が全てある共通の一点を通ることを示せ.
(2)(1)の点をとするとき,を求めよ.
訂正:(2)について,は三角形の外心.
だからは共円.
よりは共円.
同様にやもそれぞれ共円だから,三角形は三つの線分の垂直二等分線から成る三角形.
そのためとはいずれもに垂直なので,.
同様により三角形は相似拡大の関係にあるため(1)が示された.
ここで,辺の中点を,三角形の九点円の中心をとする.
は定義から線分の垂直二等分線上にあり,よりについてもそうである.より直線は三角形の外心を通り,同様に直線についてもいえるので,は三角形の外心.
とする.
である.同じことを繰り返して足せば
である.ここで二つの三角形の相似比はだから面積比がになるので,.
よっては線分をに外分する点であるため,
がの中点であることは演習とします.
他にも同じ式からが三角形の重心だと示していく方針も
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正実数に対して定義され正実数値をとる関数であって,任意の正実数に対して
が成り立つようなものをすべて求めよ.
より,.
ここで,と仮定する.
で定義される数列を考えると,からであるため,はより大きい数とより小さい数が交互に並ぶ数列である.
より,.
よって十分大きいについてであり,これはに矛盾する.
したがって.これは十分性をみたす.
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を以上の整数とする.平面上の個の点からなる集合が以下の条件を満たす.
任意の相異なる二点に対してあるの要素が存在し,三角形が正三角形となる.
このときとしてありえる値をすべて求めよ.
のときはを正三角形の頂点からなる集合とすれば条件をみたす.
以下とする.
の二つの要素であって,二点間の距離が最大であるような二点をとり,三角形が正三角形となる点をとる.最大性から以外のの要素についてより,は正三角形を含むルーローの三角形内にある.
対称性よりとするとの範囲は上図の A である.すると三角形が正三角形になるような点の範囲は上図の B,C であるため,これはルーローの三角形外であるから矛盾する.
したがってのみ.
自信作です!
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を正の整数に対して定義され正の整数値をとる広義単調増加関数とする.(1),(2)それぞれについて条件をみたすをすべて求めよ.
(1)任意のをみたす正の整数についてのとき
(2)任意のをみたす正の整数についてのとき
二つの問題に特に関連はないので別々に考える.与式へのの代入をいずれもとする.
(1)
よりまたは.
- のとき
よりとなるため.
よりで,単調増加性から - のとき
単調増加性からでないため
より
よって.
上に行っちゃったからもう一回書くと
より
よりとなってしまい矛盾.
から
より,
より,
よって.
より以降は定数.
あり得るのは次の4つ.
,
これら全部十分性をみたす(証明略)
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正の整数に対して定義され正の整数値をとる関数であって,任意の正の整数に対して
が整数になるようなものをすべて求めよ.
より問題の条件は
が整数になることと同値.この分数へのの代入をで表す.
はを割り切る.よって
はを割り切るのでを割り切る.よって以上の素数について,
- をみたす素数が無数に存在するとき
はを割り切る.を十分大きくすればはと互いに素であるからはを割り切る.
より. - ある整数が存在して,素数がのときであるとき
とする.
はを割り切るのでも割り切り,からも割り切るので,を割り切るためを割り切る.
任意の以上の素数またはであるについてがで割り切れない素数は無限に存在するので(証明略)
はを割り切る.
であることからであるためを割り切る.
ここで,が奇数ならがを割り切ることからも奇数であるための奇約数がであることと合わせてとなる.
はを割り切るのでを割り切る.ここでとするととは互いに素だから,はを割り切る.よって.
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非負整数の組であって,
をみたすものをすべて求めよ.
和田杯で唯一解答者が出なかった問題.長いので別の記事に分けて書こうと思う.
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垂心を,外心を,外接円をとする鋭角三角形がある.辺の中点をとし,辺の垂直二等分線が直線と交わる点をそれぞれとし,線分の中点をとする.直線との交点のうちでない方を,直線との交点のうちでないものを,三角形の外接円と直線の交点をとする.二つの直線が点で交わるとき,を求めよ.
全てを知ってる作問者目線ということでめちゃくちゃ一致法をします
三角形の九点円の中心を,重心を,直線との交点を,半直線と直線,の交点をとする.
angle-chace(容易だから略)よりは共円.
でより直線は角を二等分する.
(とかを使う)
よっては共円.
典型構図(NP=NK')より三角形の外接円は直線にで接する.この円をとする.
よりであるから三角形の外接円は直線にで接する.この円をとする.
の根心はの交点であるためは共線.
よりは共円.というわけでとが一致してとも一致するので答えは.
を使いたかった問題
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正の整数の組であって,
をみたすものをすべて求めよ.
対称性からとします.
なら.
ならはいずれも偶数だからという平方数の和がの倍数になるよということでが型素数であることからはの倍数.
すると(ここはでも多分いい)を考えてがの倍数になるので,フェルマーの最終定理よりだめ.
よって解は
作問者による解はフェル終とかジグモンとか使ってないんですって。
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鋭角不等辺三角形において,内心を,内接円をとする.辺との交点をそれぞれとする.三角形の外接円と三角形の外接円の交点のうちでないものを,を直線で対称移動させた点をとし,三角形の外接円をとする.同様にを定める.
(1)はある共通の二点を通ることを示せ.
(2)三角形の外心をとする.(1)の二点が直線上にあることを示せ.
上図みたいなとを含まない弧の中点をとる.
有名事実としては共線(証明は読者への課題).
より,であるため
したがって三角形の内接円の半径を,外接円の半径をとすると
これはによらない値なので,直線は三円の根軸.
の共点とかを使うのかと思ったらそのままいけてしまった.そっちの共点を使うルートもあるらしい.
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鋭角三角形において,から辺に下ろした垂線の足を,から辺に下ろした垂線の足をそれぞれとする.三角形の外接円と直線との交点二つをとする.三角形の外接円と直線の交点のうちでない方をとし,辺上にをみたす点をとる.線分の中点をとしたとき,三角形の外接円と三角形の外接円は互いに接することを示せ.
上図みたいなをとる.
中心半径の円での反転では不動だから
よって二円はで交わる.
あとはに着目すれば有名な話になる.
さえとれればどうやってもできそう
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なる鋭角三角形において,内心を,からに下ろした垂線の足をとする.直線上になる点をとる.ここで,から直線に下ろした垂線の足を,辺の中点をとしたとき,三角形の外接円と三角形の根軸をとする.線分の中点をとしたとき,がを通ることを示せ.
長さ追跡をします.座標じゃないし余弦定理とかも使わないし許されると思ってる.
からにおろした垂線の長さを,角内の内接円,外接円の半径をそれぞれとする.
よりであるため.
より.
より.
D',G,J,K,M,N,U,Zをとる.
(三角形の相似から)
より
であるため
,よってとは垂直.この交点をとすると,よりは三角形の外接円上にあり,よりは共円.そのため二円の根軸は直線であり,これはを通るので示された.
ここに乗ってないやつは後日別記事で上げようと思います.