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素微分友愛数となる相異なる自然数同士は互いに素

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前提

素微分についての記事(数学を愛する会Wiki)

piを0から数えてi番目の素数とする。またqiは有理数とする。
n=i=0piqiと書けるとき、素微分Dを以下のように定義する。
D(n):=ni=0qipi
また対数素微分ldを次のように定義する。
ld(n):=i=0qipi
以下の関係式は明らか。

D(n)=nld(n)

本題

素微分友愛数とは、

{n=D(m)m=D(n)

となる自然数の組n,mである。
今のところ、素微分友愛数となるのは自明なn=m=ppとなる自然数しか見つかっていない。なお、n=m=D(n)となる自然数は素微分完全数と呼ばれている。

素微分友愛数の性質

素微分友愛数である自然数n,mについては、以下のいずれかが成り立つ。

  1. n=m(素微分完全数)
  2. n,mが互いに素

D2(n)を計算すると、
D2(n)=D(D(n))
=D(nld(n))
=D(n)ld(n) + nD(ld(n))
=nld(n)2 + nD(ld(n))
nが素微分友愛数ならば、
D2(n)=n=nld(n)2 + nD(ld(n))
両辺をnで割れば、
1=ld(n)2 + D(ld(n))(1)

さて、ld(n)およびD(ld(n))は共に、有理数である。
そこで、ld(n)として、互いに素な自然数a,bを用いて、
ld(n)=ba 
とおく。すると関係式(1)からD(ld(n))は、
D(ld(n))=1(ba)2=a2b2a2(2)
と書ける。
対して、ld(n)=baを素微分すると、
D(ba)=D(a1b)
=a1D(b)+D(a1)b
=a1D(b)a2D(a)b
=aD(b)D(a)ba2(3)
(2)(3)を比べて、
a2b2a2=aD(b)D(a)ba2
a2b2=aD(b)D(a)b
a,bで因数をまとめると、
a2aD(b)=b2D(a)b
a(aD(b))=b(bD(a))
両辺が整数であり、a,bが互いに素であるため、全体はabを因数にもつ。
つまり整数sが存在して、以下のように書ける。
a(aD(b))=b(bD(a))=abs
これにより、2組の関係式を得られる。

{aD(b)=bs(4)bD(a)=as(5)

sについて考察する。

s>0の場合は、大小関係からabかつbaが成り立つので、等式が成り立つならばa=b=s=1が分かり、これは素微分完全数に対応する。

s<0の場合を考える。
ld(n)=baであったから、n,D(n)との間には以下の関係が成り立つ。
D(n)=ban
これを変形し、
D(n)=ban
D(n)a=bn
等式より、ある正の整数(t)が存在して、
D(n)a=bn=abt
とできて、
{n=at(6)D(n)=bt(7)
の二つの式ができる。
(6)を素微分すると、(7)に等しくなることから、
D(n)=D(a)t + aD(t)=bt
D(a)として、式(5)を適用し、
(bas)t + aD(t)=bt
ast + aD(t)=0
D(t)=st
正の整数tに対して、D(t)0であるため、s<0は不適。

残るはs=0の場合である。この場合、t=1であることも分かるので
(6)(7)に代入して、
{n=aD(n)=b
a,bは互いに素であったので、nD(n)は互いに素。

証明終

ここから得られること

・素微分友愛数n,mが相異なるなら、平方因子がない。
つまり、どんな素数pと自然数kについても、np2kとなる。

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もっといい方法あるかも

投稿日:22
更新日:23
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