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高校数学議論
文献あり

2 人ババ抜きで勝敗がつくまでにかかる手数の期待値

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「2 人ババ抜きで勝敗がつくまでにかかる手数の期待値」を厳密に求めました.
結論から先に述べると,

$\displaystyle \frac{42359022377877221}{5475767134635315} \fallingdotseq 7.73572$ (回)

です!!!

種々の計算については [ こちら ] を参照していただくことにして, この記事では上の値を求めるために使った各種の結果のみを羅列することとします.

ババ抜きの設定と用語

・プレイヤーの人数は 2 人.
・どちらが先手でどちらが後手かは確率 $\displaystyle \frac{1}{2}$ で決まる.
・トランプのジョーカー以外のカードを "スートカード" と呼ぶ.

手持ちのカードの枚数が多いプレイヤーを先手とする流儀もあるようですが, 私の設定では手持ちのカードの枚数に関わらず公平に $1/2$ の確率で先手が後手かが決められるものとしました.
このようにすると, 場にカードが配られ, ペアとなるカードをすべて捨てたあとでスートカードが双方ともに $n$ 枚ずつある状態から始めて勝敗がつくまでにかかる数の期待値が極めて美しい数式で表され, しかもそれはスートカードが $14$ 枚以上あるような変則ババ抜きにおいてさえ成り立ちます.

場にカードが配られ, 一方がスートカードを $m$ ($m=25,26,27$) 枚持った状態からペアとなるカードをすべて捨てたあとでスートカードが双方ともに $n$ 枚残る場合の数を $R(m,n)$ とすると, 次のようになる.

$n$$R(26, n)$$R(25, n)$,$R(27,n)$
01232139335760
101533895724400
295529055714560
3033590200740096
4870964371763200
50150502741069824
62079865116426240
70199848950366208
81552569060556800
9082945457520640
10343479146250240
1109014775644160
1215546439434240
130115158810624
$\binom{52}{26}=495918532948104$$\binom{52}{25}=\binom{52}{27}=477551179875952$

場にカードが配られ, ペアとなるカードをすべて捨てたあとでスートカードが双方ともに $n$ 枚残る確率 $q(n)$ は次のようになる.

$n$$q(n)$$\%$
015401741697/1216837141030070.0126572
15182080150/32887490298110.15757
21194113196432/1216837141030070.981325
313949418912/4042648309073.45056
410887054647040/1216837141030078.94701
520879958528/13505406670715.4604
625998313955328/12168371410300721.3655
724981118795776/12168371410300720.5295
819407113256960/12168371410300715.9488
910368182190080/1216837141030078.5206
10613355618304/173833877290013.5284
111126846955520/1216837141030070.926046
12194330492928/1216837141030070.159701
1314394851328/1216837141030070.0118297

場にカードが配られ, ペアとなるカードをすべて捨てたあとで双方に残るスートカードの枚数の期待値は
$\displaystyle \sum_{n=0}^{13} n q(n)=\frac{5850}{901} \fallingdotseq 6.49279$

場にカードが配られ, ペアとなるカードをすべて捨てたあとでスートカードが双方ともに $n$ 枚残った状態から始めて,

  1. ジョーカーを持っていないプレイヤーが先手の場合の勝敗がつくまでにかかる手数の期待値を $E_1(n)$,
  2. ジョーカーを持っているプレイヤーが先手の場合の勝敗がつくまでにかかる手数の期待値を $E_2(n)$,
  3. 勝敗がつくまでにかかる手数の期待値を $E(n)$

とすると, 次が成り立つ.

$\displaystyle E_1(n)=\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} n+\frac{1}{1}+\frac{1}{3}+\frac{1}{5}+\cdots + \frac{1}{n} \text{ ( }n\text{ が奇数のとき)}\\ n+\frac{1}{2}+\frac{1}{4}+\frac{1}{6}+\cdots + \frac{1}{n} \text{ ( }n\text{ が偶数のとき)} \end{array} \right. \end{eqnarray}$,
$\displaystyle E_2(n)=\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} n+\frac{1}{2}+\frac{1}{4}+\frac{1}{6}+\cdots + \frac{1}{n-1} \text{ ( }n\text{ が奇数のとき)}\\ n+\frac{1}{1}+\frac{1}{3}+\frac{1}{5}+\cdots + \frac{1}{n-1} \text{ ( }n\text{ が偶数のとき)} \end{array} \right. \end{eqnarray}$,
$\displaystyle E(n) = n+\frac{1}{2}\left(\frac{1}{1}+\frac{1}{2}+\cdots+\frac{1}{n}\right)$.

なお, この結果はトランプのスートカードが $14$ 枚以上ある場合でも成り立つ.
具体的には次の通り.

$n$$E(n)$$\%$
000
13/21.5
211/42.75
347/123.91667
4121/245.04167
5737/1206.14167
6289/407.225
72323/2808.29643
85241/5609.35893
952489/504010.4145
1057781/504011.4645
11693551/5544012.5099
12751301/5544013.5516
1310515353/72072014.5901

$q(n)$$E(n)$ を用いて, 期待値は次のように求められます.

2 人ババ抜きで勝敗がつくまでにかかる手数の期待値は
$\displaystyle \sum_{n=0}^{13} q(n)E(n)=\frac{42359022377877221}{5475767134635315} \fallingdotseq 7.73572$

なお, Gemini 3 を使ってババ抜きのプログラムを書いて (数分で書けた!) 10,000,000 回の試行をしたところ, 平均手数は 7.7350737 (回) となり, 理論値とほとんど一致しました.

参考文献

投稿日:22日前
更新日:22日前
数学の力で現場を変える アルゴリズムエンジニア募集 - Mathlog served by OptHub

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投稿者

高校生に数学を教えています。 数学に関するあんなことやこんなことを考えるのが趣味です。

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