どうも。コロサイコロです。初投稿です。
今回は先日行われたコンテストリレーの問題と解説を書きたいと思います。
あまり文章を書くのに慣れていないため、特に解説などで無駄に冗長な部分があるかと思いますが、どうかご容赦を。
まずは、先日のコンテストリレーに参加してくれた皆様、ありがとうございました!
しかし、最初に挙げた解説にいくつか間違いがあったことに気づけませんでした。私のミスです。
本当に申し訳ありません。指摘してくれた皆様、ありがとうございます。
また突然の募集にもかかわらず共同writerになることを快く引き受けてくれたきういさんと勢久摩さん、そしてtesterをしてくれたpomodor_apさん、本当にありがとうございました。
いろいろありましたがなんとか初writerとしてコンテストが終えられてうれしく思っています。
さて、前置きはこのくらいにして問題の再掲と解説を掲載をしたいと思います。
問題はツイッターの第一回コンテストリレー(@contest_relay)さんのアカウントからも見られますが、こちらにも載せようと思います。
前半$7$問が単答式、後半$4$問が記述式の問題です。
一気にすべての問題を載せるため、スクロールし過ぎると下にある解説が見えてしまうのでご注意を。
ここでの$n(n\geqq 4)$面ダイスとは$1\leqq k\leqq n$をみたす正の整数$k$において$k!$が出目となり,それぞれのサイコロにおいてすべての出目が等しい確率で出るダイスである.例として,$4$面ダイスは$1,2,6,24$の目が等しい確率で出るダイスである.
さて,ここに$4$面ダイス・$6$面ダイス・$8$面ダイス・$12$面ダイス・$20$面ダイスが一つずつある.この$5$つのダイスを同時に振ったときに出た目の和と積がともに$30$の倍数となる確率は互いに素な正の整数$a,b$を用い$\dfrac{a}{b}$とあらわされるので$a+b$を解答せよ.
$3$数$p,q,r$はすべて実数である.ここに,最高次の係数が$\dfrac{1}{3}$である$2$次多項式$f(x),g(x),h(x)$がある。この多項式の係数の積はそれぞれ$0,75,-150$であり,また方程式$f(x)=0,g(x)=0,h(x)=0$はそれぞれ$pとq,qとr,rとp$を解にもつ.このとき,$p,q,r$を解に持つ3次方程式$x^3+ax^2+bx+c=0$において$-ab+3c$の値を求めよ.
$AB=35,AC=27$である三角形$ABC$において,線分$AB$上に点$D$,線分$BC$上に$2$点$E,F$をとり,点$A$から直線$BC$におろした垂線の足を$G$とすると$5$点$B,E,F,G,C$はこの順に並び以下を満たした.
$BD=5,BE=7,FG=3,GC=12\sqrt{2}$
三角形$DEF$の外心を点$O$としたとき,線分$AO$の長さを求めよ.
$1\leqq n \leqq 750$を満たす正の整数$n$において,$n^k-1$が素数$751$で割り切れる正の整数$k$が存在する$n$はいくつあるか.ただし$k$は$1$以上$749$以下であるとする.
以下の式を満たす$100$以下の正の整数$n$はいくつあるか.ただし$\phi(n)$で$n$以下の$n$と互いに素な正の整数の個数を表す.
$\phi(n)^{\phi(n)}\equiv 1\pmod n$
数列$I_n$は正の整数$\alpha(1\leqq \alpha\leqq 2025)$を用いて
\begin{equation*}
\begin{cases}
I_1 = 4\alpha + 2 \\
I_{n+1} = I_n + (\alpha n^2+(4\alpha+2)n+\alpha)n!
\end{cases}
\end{equation*}
と表される.このとき,$I_{1021}$が$2$で割り切れる回数が最大になるような正の整数$\alpha$の総和を求めよ.ただし$1021$は素数である.
$AB=3,BC=4,CA=5$である三角形$ABC$の内部(周上を含む)に相異なる$3$点$P,Q,R$をとるとき,$AP+AQ+BQ+BR+CR+CP+PQ+QR+RP$のとりうる値はある数$x$よりも大きくなるので$x$の最大値を求めよ.ただし求める値は正の整数$a$,共通の平方因子を持たない正の整数$b,c$と平方因子を持たない正の整数$d$を用い,$a\sqrt{b+c\sqrt{d}}$とあらわされるので,$a+b+c+d$の値を解答せよ.
$p,q$は相異なるとは限らない素数であり,$n=pq$とする.このとき,
$\sum\limits_{k=1}^{n} k^{n!}\equiv\phi(n)\pmod n$
となる$2$数$(p,q)$の組の条件を求めよ.ただし$\phi(n)$で$n$以下の$n$と互いに素な正の整数の個数を表す.
$A$さんと$B$さんが,以下のようなゲームをする.
さて,ここで$N=100001$となったとする.$A$さんと$B$さんが互いに最善を尽くすとき,$B$さんの行動によらず$A$さんが勝利できる$k(1\leqq k<100001)$の値は何通りあるか.ただし,$1297$と$9091$は素数である.
$2025$個の正の実数$l_{i}\quad(1\leqq i\leqq2025)$の組は,次の条件をいずれも満たす.
このとき,図形$P$に内接する円の半径としてありうる最大の整数が$326800$以下となることを示せ.ただし,条件$1$において,この図形の各辺が$l_{1}+1,l_{2}+2,\cdots ,l_{2025}+2025$の順に反時計回りに並んでいるとは限らない.
$n\geqq 2$である正の整数$n$であり
$(n-1)!!\equiv \pm 1\pmod n$
を満たす$n$の条件を求めよ.ただし$n!!$は$n$が奇数のとき,偶数のときそれぞれ$\prod\limits_{k=1}^{\frac{n+1}{2}}(2k-1)$,$\prod\limits_{k=1}^{\frac{n}{2} }2k$である.
いかがだったでしょうか。ここからは問題順に解説と一部作問者からのコメントを書いていこうと思います。
$5$以上の整数$i(i\leqq20)$において
$i!=5!\times6\times7\times\cdots (i-1)i=120\times6\times7\times\cdots (i-1)i$
より$i!$は$30$の倍数。
$1!,2!,3!,4!$はそれぞれ$1,2,6,24$でありこれらは$5$の倍数ではない。
そのため$5$の倍数である$i!$が出目に含まれていなければいけないが、これは$30$の倍数であるため、これが少なくとも一つ入っていればほかの出目に依存せず積が$30$の倍数になるといえる。
次に和が$30$の倍数となる条件を考える。
ダイスの出目に関して
$1!\equiv1,2!\equiv2,3!\equiv6,4!\equiv24,i!\equiv0\pmod{30}$
が成立する。
よって出目を30で割った余りとしてありうる整数は$0,1,2,6,24$の$5$つのみといえる。
先ほどの積の条件から出目に$i!$が必ず登場することと$4$面ダイスの出目に$i!$が表れないことを踏まえると出目を$30$で割った余りの組み合わせは
$(0,0,0,6,24),(0,2,2,2,24),(0,6,6,24,24)$
の$3$通りとわかる。
$6,8,12,20$面ダイスに含まれる$i!$の数はそれぞれ$2,4,8,16$個なので求める確率は
$\dfrac{(2\cdot4\cdot8+2\cdot4\cdot16+2\cdot8\cdot16+4\cdot8\cdot16)\cdot{}_2\mathrm{C}_1+(2+4+8+16)\cdot{}_4 \mathrm{C}_1+(2+4+8+16))\cdot{}_4\mathrm{C}_2}{4\cdot6\cdot8\cdot12\cdot20}=\dfrac{37}{768}$
よって解答は$\mathbf{805}$。
自分の名前にサイコロを冠しているのだからダイスで一個は問題作ろうと思って作りました。
累乗でやろうとしてうまくいかなかったので階乗に切り替えたら意外ときれいに落ち着きました。
問題条件より
\begin{equation*}
\begin{cases}
f(x) = \dfrac{1}{3}(x-p)(x-q) = \dfrac{1}{3}x^2-\dfrac{1}{3}(p+q)x+\dfrac{1}{3}pq \\
g(x) = \dfrac{1}{3}(x-q)(x-r) = \dfrac{1}{3}x^2-\dfrac{1}{3}(q+r)x+\dfrac{1}{3}qr \\
h(x) = \dfrac{1}{3}(x-r)(x-p) = \dfrac{1}{3}x^2-\dfrac{1}{3}(r+p)x+\dfrac{1}{3}rp
\end{cases}
\end{equation*}
また
\begin{equation*}
\begin{cases}
0=-\dfrac{1}{3}\cdot\dfrac{1}{3}(p+q)\cdot\dfrac{1}{3}pq \\
75=-\dfrac{1}{3}\cdot\dfrac{1}{3}(q+r)\cdot\dfrac{1}{3}qr \\
-150=-\dfrac{1}{3}\cdot\dfrac{1}{3}(r+p)\cdot\dfrac{1}{3}rp
\end{cases}
\end{equation*}
これを整理し
\begin{equation*}
\begin{cases}
pq(p+q)=0 \\
qr(q+r)=-2025 \\
rp(r+p)=4050
\end{cases}
\end{equation*}
が求まる。ここで$3$次方程式において解と係数の関係より
\begin{equation*}
\begin{cases}
a=-(p+q+r) \\
b=pq+qr+rp \\
c=-pqr
\end{cases}
\end{equation*}
であるので
\begin{align}
-ab+3c &= -(-(p+q+r))(pq+qr+rp)+3(-pqr) \notag\\
&= p^2q+pq^2+q^2r+qr^2+r^2p+rp^2 \notag\\
&= pq(p+q)+qr(q+r)+rp(r+p) \notag
\end{align}
よって求める答えは$0-2025+4050=\mathbf{2025}$。
解と係数の関係から対称式の値を求める問題で$a^3+b^3+c^3$を求めさせる奴はそれこそ頻出だと思うのですが、$a^2b+ab^2+b^2c+bc^2+c^2a+ca^2$を求めさせる奴は見ないなと思って作りました。ちなみに実際の値は$(p,q,r)=(\dfrac{3\cdot5^{\tfrac{2}{3}}}{\sqrt[3]{2}},-\dfrac{3\cdot5^{\tfrac{2}{3}}}{\sqrt[3]{2}},\dfrac{9\cdot5^{\tfrac{2}{3}}}{\sqrt[3]{2}})$になります。綺麗に$2025$になるやつが見つかってよかった。
三平方の定理より$AG=21,BG=28$である。ここで点$D$から直線$BC$におろした垂線の足を点$H$としたとき、$DH\parallel AG$より$\triangle DBH\sim \triangle ABG$がわかる.相似比は$BD:BA=1:7$より$BH=4$となり、ここまでの条件より$HF=EG=21$もいえる。このとき$\triangle DHF$と$\triangle FGA$に注目すると$DH=FG,HF=GA,\angle DHF=\angle FGA$より$\triangle DFH\equiv\triangle FGA$が示される。よって$\angle DFA=180\degree-\angle DFH-\angle AFG=180\degree-\angle DFH-\angle FDH=180\degree-(180\degree-90\degree)=90\degree$となる。また$\triangle DHE,\triangle AGE$がともに直角二等辺三角形となることに注意すると$\angle DEA=90\degree$がわかり、四角形$ADEF$が円に内接することが示される。かつ、この円$ADEF$は三角形の外接円が一意に定まることより中心含め円$DEA$,円$DEF$と当然一致する。よってもとめたい線分$AO$の長さは円$DEA$の半径となり、$\angle DEA=90\degree$より線分$AD$は$\triangle DEA$の外接円の直径であるので$30\cdot\dfrac{1}{2}$=$\textbf{15}$。
自分が中$1$のときに作った問題を改題してみました。(なんならこれが出したいがためにコンテストをしました)
中$1$のときは台形$DHGA$の部分だけで上底$+$下底$=$高さのとき何が成立するかを考えて作ったのですがそこに色々つけ足したらいい感じの問題になったので出しました。
751の原始根ではない数の個数を求めればよい。
751の原始根のうちの一つを$r$とおいたとき、$r^0,r^1,r^2,\cdots,r^{749}$でこれを$751$で割った余りとして$1$から$750$までのすべての整数を表現することができる。そのため$r^k$もまた$751$の原始根であるとすると$k,2k,3k,\cdots,749k$を$750$で割った余りはすべて異なる値となるので、$k$は$750$と互いに素でなければならない。よって$750$の原始根の個数は$\phi(750)$で求められ、これは$200$。よって答えは$750-200=\mathbf{550}$。
$n=1$のとき、成立する。
$Euler$の定理より、条件を満たすためには$n$と$\phi(n)$が互いに素であればよいとわかる。
また、$n$が素数であれば$n$と$\phi(n)$が互いに素となるのは自明であり、その数は$25$個である。
以下、$n$が合成数であるときを考える。
$n$が偶数であるとき、それが$2$以外の素因数を含んでいるならば、その素因数を$p_i$とおく。
このとき$\phi(n)=n\cdot\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{p_i-1}{p_i}$であり、$p_i-1$は偶数であるため$\phi(n)とn$は公約数に$2$を持ち不適。
また、$2$のべき乗においても$k\geqq2$において$2^k\cdot\dfrac{1}{2}=2^{k-1}$より、公約数に$2$をもつため偶数は$2$のみであることが言える。
このべき乗の議論と同様に、$n$の約数に素数のべき乗($0$乗、$1$乗を含まない)が入っている場合、$\phi(n)$と$n$は公約数にその素数を持つため、条件を満たさない。
よって奇数の場合は素数同士の積でなければならないことが言える。
$3\cdot5\cdot7=105$であるため、$n\leqq100$から$n$は相異なる$2$つの素数の積であることが言える。そのうち小さいほうの素因数を$a$とする。
また、$n$の素因数には$31$以下の素数しか含まないことも言える。$31$以下の奇素数は$3,5,7,11,13,17,19,23,29,31$の$10$個である。
これらから$1$を引いたものはそれぞれ$2,4,6,10,12,16,18,22,28,30$である。
$a=3$の場合、$1$を引いたものから考え$\phi(n)$と$n$が互いに素であるためにはもう一つの素因数に$7,13,19,31$を含まないことが条件としていえる。よって$a=3$のものは$5$個存在する。
同様に考え、$n\leqq100$に注意すると$a=5,7$であるものはそれぞれ$4$個、$2$個存在するといえる。$a=11$の場合、$11\cdot13=143$より不適。
よって求める答えは$1+25+5+4+2=\mathbf{37}$。
解説に二度も訂正が入ることになってしまい申し訳ありませんでした。
もともときういさんが$1000$以上の数で小さい物から順に$3$つ答えさせる問題だったものをコロサイコロが改題しました。
一般解を出しにくいもの(そうでもないかも?わかりませんでした)で値の上限を使うものは多いと思いますが、そのなかでも意外といい例かなと思います。
漸化式の2つ目の式において、$I_n$を左辺に移行してみると右辺が($n$の$2$次式)$\times n!$となるので、一般項$I_n$は$n!\times$($n$の$1$次式)$+$定数項とおけることがわかる。そのため$I_n=(\beta n+\gamma)n!-\delta$とおくと
\begin{align}
I_{n+1}-I_n &= (\beta n+\beta+\gamma)(n+1)!-\delta-(\beta n+\gamma)n!+\delta \notag\\
&= (\beta n^2+\beta n+\gamma n+\beta)n! \notag
\end{align}
よって$\beta=\alpha,\gamma=3\alpha+2,I_1$の式から$\delta=0$がわかるので
$I_n=(\alpha n+3\alpha+2)n!$
となる。よって$I_{1021}=(1024\alpha +2)1021!$と表せ、これが$2$で割り切れる回数は$\alpha$の値に依存せず一定の値をとる。よって求める値は$1$から$2025$までの整数の総和なので
$\dfrac{2025\cdot2026}{2}=\mathbf{2051325}$。
任意の三角形$XYZ$に対し、内部に点$W$をとったときの$WX+WY+WZ$の最小値を求める。ここで$\angle XYZ\leqq60\degree$としても一般性を失わない。
直線$YZ$に関して点$X$と反対側に(直線$YZ$上でもよい)に2点$W^{'},Z^{'}$を$\triangle{WYW^{'}}と\triangle{ZYZ^{'}}$がいずれも正三角形となるようにとると、$WY=W^{'}Y$であり、$\triangle{WYZ}\equiv\triangle{W^{'}YZ^{'}}$から
$WX+WY+WZ=XW+WW^{'}+W^{'}Z^{'}\geqq XZ^{'}$
等号は点$W^{'},Z^{'}$がいずれも直線$XW$上にある時に成立する。
この結果を$\triangle{PAB},\triangle{QBC},\triangle{RCA}$にそれぞれ適用することを考える。
各三角形における点$Z^{'}$に対応する点をそれぞれ$S,T,U$とすると
$AP+AQ+BQ+BR+CR+CP+PQ+QR+RP\geqq PS+QT+RU$が成立し、$3$点$P,Q,R$が相異なることから
$PS+QT+RU>PS+PT+PU$といえる。
$\triangle{UST}$に対しても適用することを考え、点$Z^{'}$に対応する点を$V$とすると$UV$の長さが求める値である。
$B(0),C(4),A(3i)$なる複素平面を考えると、点$U,V$の座標はそれぞれ$U(\dfrac{3}{2}\sqrt{3}+2+(2\sqrt{3}+\dfrac{3}{2})i),V(-\dfrac{3}{2}\sqrt{3}-2-(2\sqrt{3}+\dfrac{3}{2})i)$であることが計算によりわかるので、この2点間の距離は$2\sqrt{25+12\sqrt{3}}$と求まる。よって解答は$\textbf{42}$。
$k^{n!}\equiv a_k\pmod n$とする。($0\leqq a_k \leqq n-1$)
$1$)$p\ne q$のとき
$k=n$のとき$a_k=0$は自明である。
$k$と$n$が互いに素であるとき、$Euler$の定理から$a_k=1$であるのでその総和は$\phi(n)$である。
$k$が$p$の倍数であるとき中国剰余定理と$Euler$の定理より、$p^{r+1}\equiv1\pmod q$なる$r$を用いて$a_k=p^r(p-q)$と表せるのでその総和は$-p^{r+1}$であり、同様に$k$が$q$の倍数であるとき$q^{s+1}\equiv1\pmod p$なる$s$を用いその総和は$-q^{s+1}$といえる。
このとき
\begin{align}
\sum\limits_{k=1}^{n} k^{n!} &\equiv \phi(n)-p^{r+1}-q^{s+1} \pmod n \notag
\end{align}
よって$n$が$p^{r+1}+q^{s+1}$の約数でなければならないが、そのような$p,q$の組は存在しない。
よって$p\neq q$となる組は存在しない。
$2$)$p=q$のとき
$k$と$n$が互いに素のとき、$Euler$の定理から$a_k=1$であるのでその総和は$\phi(n)$である。
$k$が$p$の倍数であるとき、$p,q\geqq2$より$n!\geqq2$。よって$k^{n!}$は$n$の倍数なので$a_k$の総和は$0$となる。
よって$\sum\limits_{k=1}^{n} k^{n!} \equiv \phi(n)$が成立する。
したがって、条件を満たす$(p,q)$の組は$(p,q)=(t,t) (t$は素数)である。
$k=1$のとき、$A$さんが$N$の約数$11$を言わなければならず$B$さんが勝利する。
$k\geqq2$について考える。
$N=100001$において$N$の約数でありかつ連続しているものは存在しないため,$k=1$のような負け方にはならず、$100001$を言ったものが負けとなる。
そのため$A$さんが勝利するためには、$A$さんが自身の手番で$100000$を言いそこでストップすればよい。
ここで、$100000$を$k+1$で割った余りを$r$とおく。以下合同式の法は特に断りがない限り$k+1$とする。
$r\neq0$であるとき、$A$さんが自身の最初の手番で$r$までの整数を言う。その後$B$さんが$i$個($1\leqq i \leqq k$)の整数を言ったならば次に$A$さんが$(k-i+1)$個の整数を言うことで、$A$さんは$k+1$を法として$r$と合同な数を言って手番を終了することができる。そのため$A$さんが$100000$を言うことができ、$A$さんが勝利できる。
しかし、これは$N$の約数である$11,9091$のどちらもが$k+1$を法として$r$と合同でないときにしか成立しない。
$1$)$9091\equiv r$のとき
このとき、$A$さんが$9090$を最後に言う手番があったと仮定すれば、その後$B$さんは$9092$以上の数を言ってから、つまり$2$個以上整数を言ってから手番を終える必要があり、ここでBさんが$i$個の数を言ったならば$A$さんは$(k-i+2)$個の整数を言えばよく、そうすることで$A$さんは自分の手番を$k+1$を法として$r$と合同な数で手番を終えられるため、$A$さんが勝利できる。
ここで$11\not\equiv r-1$であるとする。$r-1\neq0$であれば$A$さんが自身の最初の手番で$r-1$までの整数を言いその後$B$さんが$i$個の整数を言ったならば次に$A$さんが$(k-i+1)$個の整数を言うことで、$9090$を$A$さんがいうことができAさんが勝利する。
しかし$r-1=0$であれば、$A$さんが$i$個の整数を言ったならば$B$さんが$(k-i+1)$個の整数を言うことで$B$さんが$9090$を言うことができるため$A$さんは負けとなる。このような$k$の値は、
\begin{equation*}
\begin{cases}
100000 \equiv 1
9091 \equiv 1 \\
11 \not\equiv 0
\end{cases}
\end{equation*}
をともにみたす。それを整理すると、$k$の個数は$11$でないかつ$3$以上かつ$99999$と$9090$の公約数であるものの個数と一致し、その個数は$2$個。
$11\equiv r-1$であるならば、$12\equiv r$であるので、$k+1$の値は$9091$と$12$の差の約数かつ$3$以上の数といえるので$k=6,1296,9078$と定まる。$k=6$のとき、$A$さんがまず$3$までの整数を言うことで$B$さんが何個の整数を言っても$A$さんは次の手番を$10$を言って終わることができる。その後$B$さんは$12$より大きい数を最後に言って終わる必要があり、このとき$A$さんは$18$を言って手番を終了させられる。$18\equiv 9090\pmod{7}$であるため、これののち$B$さんが$i$個の整数を言ったならば次に$A$さんが$(7-i)$個の整数を言うことで、$9090$を$A$さんがいうことができ$A$さんが勝利する。$k=1296,9078$のときも同様に最初の手番で$10$までの数字を言うことで$9090$と合同な数を最後に言って手番を終了させられるので$A$さんが勝利できる。
$2$)$11\equiv r$かつ$9091\not\equiv r$のとき
このとき、$A$さんが$10$を最後に言う手番があったと仮定すればその後$B$さんは$12$以上の数を言ってから、つまり$2$個以上整数を言ってから手番を終える必要があり、ここで$B$さんが$i$個の数を言ったならば$A$さんは$(k-i+2)$個の整数を言えばよく、そうすることで$A$さんは自分の手番を$k+1$を法として$r$と合同な数で手番を終えられるため、$A$さんが勝利できる。
ここで$10\not\equiv0$であれば、$A$さんが自身の最初の手番で$r-1$までの整数を言いその後$B$さんが$i$個の整数を言ったならば次に$A$さんが$(k-i+1)$個の整数を言うことで、$10$を$A$さんがいうことができ$A$さんが勝利する。
しかし$10\equiv 0$であれば、$A$さんが$i$個の整数を言ったならば$B$さんが$(k-i+1)$個の整数を言うことで$B$さんが$10$を言うことができるため$A$さんは負けとなる。このような$k$の個数は$3$以上かつ$99999$と$10$の公約数であるものの個数と一致するがこれをみたすものは存在しない。
$r=0$であるとき、$A$さんが$i$個の整数を言ったならば$B$さんが$(k-i+1)$個の整数を言うことで$B$さんが$100000$を言うことができるため、$B$さんが必ず勝利する。また、この状態において$B$さんが手番の最後に言う数は$k+1$の倍数であり、$100000\equiv 0$かつ$k\geqq2$であるので$100000$のある素因数、つまり$2$もしくは$5$の倍数であることが言える。$N=100001$の素因数は$11,9091$のみであり$N$の約数は$11,9091$以外の素因数を持ちえない。よって$B$さんが最後に言う数が$100001$の約数となることはないので、$r=0$であるとき$B$さんが必ず勝利することが示された。
このような$k$の個数は、$k\geqq2$を踏まえ$3$以上の$100000$の約数の数と一致し、それは$34$個である。
ここまでの議論により、すべてのパターンについて考えることができた。
$A$さんが勝利する$k$の個数は$100000$から$B$さんが勝利するものの個数を引けばよい。それらのものの条件は以下のうちどれか一つを満たしていることである。
これらの個数はそれぞれ$1,2,34$個でありこの中に重複するものは存在しないので$B$さんが勝利する$k$の個数は
$1+2+34=37$
よって求める答えは$100000-37=\mathbf{99963}$。
組み合わせの問題がないなと思い作りました。
よくある『$30$を言ったら負けゲーム』の変形です。
もともとは$N$を$1$から$11$までの整数の最小公倍数とかにするつもりだったのですが計算が重く、楽にできる発想も思い浮かばなかったので計算が楽な数値になったというわけです。
解説が長ったらしいですが、参加者の解答をみてもっと楽にかけるなと思い、記述力不足を痛感しました。
条件$2$において、
\begin{align}
2025\cdot({\log_{2025}{(\sum\limits_{i=1}^{2025} l_{i}x_{i}})-1}) &\geqq \sum\limits_{i=1}^{2025} l_{i}\cdot\log_{2025}{x_{i}} \notag\\
\Leftrightarrow \dfrac{\sum\limits_{i=1}^{2025} l_{i}x_{i}}{2025} &\geqq \prod\limits_{i=1}^{2025}x_{i}^\frac{l_i}{2025} \notag
\end{align}
上記の不等式において$l_i=2025m_i$と置換し
$\sum\limits_{i=1}^{2025} m_ix_{i}\geqq \prod\limits_{i=1}^{2025}x_{i}^{m_i}$
ここで、以下の補題を用いる。
$x_j,m_j\in\mathbb{R}_+$において
$\sum\limits_{j=1}^{n} m_jx_{j}\geqq \prod\limits_{j=1}^{n}x_{j}^{m_j}$
は$\sum\limits_{j=1}^{n} m_i=1$と同値である。ただし$n$は正の整数、$j$は1以上$n$以下の整数とする。
<証明>
$\sum\limits_{j=1}^{n} m_j=k$とすると$\sum\limits_{j=1}^{n} \dfrac{m_j}{k}=1$から重み付き相加相乗平均の不等式より
\begin{align}
\sum\limits_{j=1}^{n} x_j\dfrac{m_j}{k} &\geqq \prod\limits_{j=1}^{n} x_{j}^{\dfrac{m_j}{k}} \notag\\
\Leftrightarrow \sum\limits_{j=1}^{n} x_jm_j &\geqq k\prod\limits_{j=1}^{n} x_{j}^{\dfrac{m_j}{k}}
\end{align}
ここで、$\sum\limits_{j=1}^{n} m_j=1$のときも同様に
\begin{align}
\sum\limits_{j=1}^{n} m_jx_{j}\geqq \prod\limits_{j=1}^{n}x_{j}^{m_j}
\end{align}
上記の二つの不等式が同値となる$k$の値が$k=1$のみであることを示せばよい。
$k$の値について両方の等号成立条件$x_i=x_2=\cdots=x_n$をふまえ
\begin{align}
k\prod\limits_{j=1}^{n} x_{j}^{\dfrac{m_j}{k}} &= \prod\limits_{j=1}^{n} x_{j}^{m_j} \notag\\
\Leftrightarrow k\cdot x_j^{\dfrac{1}{k}\sum\limits_{j=1}^{n} m_j} &= x_j^{\dfrac{1}{k}\sum\limits_{j=1}^{n} m_j} \notag\\
\Leftrightarrow k &= 1\quad(\because \sum\limits_{j=1}^{n} m_j=k) \notag
\end{align}
よって示された。
<証明終>
補題に$n=2025$を代入し
$\sum\limits_{i=1}^{2025} m_ix_{i}\geqq \prod\limits_{i=1}^{2025}x_{i}^{m_i}\Leftrightarrow\sum\limits_{j=1}^{2025} m_i=1$
よって条件$1$を満たす図形が存在することをふまえるとその周長は
$\sum\limits_{i=1}^{2025} (l_i+i) = 2025\sum\limits_{i=1}^{2025} m_i+\dfrac{1}{2}\cdot2025\cdot2026$
これを計算し$2025\cdot1014$となる。
また、図形$P$の面積は$P$の内接円の半径を$r$として$\dfrac{1}{2}r\cdot2025\cdot1014$とあらわされ、これは内接円の面積よりも大きいので
$\pi r^2 \leqq \dfrac{1}{2}r\cdot2025\cdot1014$
これをとき、$r<2025\cdot507\cdot\dfrac{1}{\pi}<326801$
よって整数$r$は高々$326800$以下の整数しかとりえないので、示された。
$n=2$のとき、これは明らかに満たす。
まず、$n$が合成数であるときを考える。
$n$が$2$以外に素因数をもつとき、$(n-1)!!$と$n$の最大公約数は1ではない。よって
$(n-1)!!\not\equiv\pm1\pmod n$
より不適。
$n$が2のみを素因数に持つとき、条件を満たすことを数学的帰納法により示す。
まず、$n=2^0$のとき、これは前述のとおり満たす。
$n=2^k$の時の成立を仮定し、$n=2^{k+1}$のときの成立を示す。
\begin{align}
(2^k-1)!! &\equiv \pm1\pmod {2^k} \notag\\
&\equiv \pm1\mp2^k\pmod {2^k} \notag\\
((2^k-1)!!)^2 &\equiv 1-2^{k+1}+2^{2k}\pmod{2^k} \notag\\
&\equiv 1\pmod {2^{k+1}} \notag
\end{align}
また$(2^{k+1}-1)!!\equiv(-1)^{2^{k-1}}((2^k-1)!!)^2\pmod{2^{k+1}}$
よって$(2^{k+1}-1)!!\equiv\pm1$
よって成立が示された。
次に、$n$が奇素数であるときを考える。
ここで、以下の補題を示す。
$p\geqq3$を満たす整数において、$(p-2)!!\equiv\pm1\pmod p\Leftrightarrow p$が4で割って3余る素数
<証明>
$p$が合成数である場合、$(p-2)!!$と$p$の最大公約数は$1$ではない。よって$(p-2)!!\equiv\pm1\pmod p$となることはないので、不適。
$p$が素数であるときについて考える。
\begin{align}
(p-2)!! &= (p-2)(p-4)(p-6)\cdots5\cdot3\cdot1 \notag\\
&\equiv (-2)(-4)(-6)\cdots5\cdot3\cdot1 \pmod p \notag
\end{align}
ここで$\dfrac{p-1}{2}=w$とおく。
$w\equiv0\pmod2$ならば、
\begin{align}
(p-2)!! &\equiv (\dfrac{p-1}{2})!\cdot (-1)^{\frac{w}{2}} \pmod p \notag
\end{align}
これが条件を満たすとき、下記が成立する。
\begin{align}
(\dfrac{p-1}{2})!\cdot (-1)^{\frac{w}{2}} &\equiv\pm1 \pmod p \notag\\
((\dfrac{p-1}{2})!)^2\cdot (-1)^w &\equiv1 \pmod p \notag\\
((\dfrac{p-1}{2})!)^2 &\equiv1 \pmod p \quad(\because w\equiv0\pmod 2) \notag
\end{align}
同様に考えて、$w\equiv1\pmod2$のときも$((\dfrac{p-1}{2})!)^2 \equiv1 \pmod p$が成立することが言える。
また、$p$は素数であることから$Wilson$の定理より
$(p-1)!\equiv-1\pmod p$
また、整数かつ$1\leqq k \leqq \dfrac{p-1}{2}$をみたす$k$において$k\equiv-(p-k)\pmod p$が成立するので
\begin{align}
(p-1)! &= 1\cdot2\cdot3\cdots(p-3)(p-2)(p-1) \notag\\
&\equiv 1\cdot2\cdot3\cdots(\dfrac{p-1}{2})\cdot(-\dfrac{p-1}{2})\cdots(-3)\cdot(-2)\cdot(-1) \pmod p \notag\\
&\equiv ((\dfrac{p-1}{2})!)^2(-1)^{\frac{p-1}{2}} \pmod p \notag
\end{align}
この式とここまでの結論を合わせ
$(-1)^{\frac{p-1}{2}}\equiv-1\pmod p$
が成立すればよいといえ、このとき$p\equiv3\pmod4$がいえる。
よって示された。
<証明終>
$1$)$n\equiv1\pmod 4$のとき
このとき、補題より$(n-2)!!\not\equiv\pm1\pmod{n}$
また$Wilson$の定理より$(p-1)!\equiv-1\pmod n$であるので$(n-2)!!\equiv a\pmod n(0\leqq a\leqq n-1)$とすると$(n-1)!!(n-2)!!=(n-1)!$であるので
$a(n-1)!!\equiv-1\pmod n$
$a\neq\pm1$より、$(n-1)!!\not\equiv\pm1\pmod n$
よって条件を満たす数は存在しない。
$2$)$m\equiv3\pmod4$のとき
上記と同様に考えることで補題と$Wilson$の定理からこれは条件を満たすことが言える。
よって求める条件は、$n$が4でわって3余る素数か1をのぞく2のべき乗である。
これはJMO夏季セミナー用に作ったので割と主張がきれいで好みです!
二重階乗はあまり見ないので新鮮な感じで解いてもらえたら幸いです。
ちなみにこれの$p$重階乗$ver.$もあります!
ここまで長い文章をお読みくださりありがとうございます。いかがでしたでしょうか。
いろいろ不手際はありましたが、なんとか終えることができてよかったです。
次はOMCでwriterができるように早くレートを上げたいと思います。
なにか不備や疑問があれば、コメントして頂ければ確認できると思いますのでよろしくお願いします。
ではではこんなところで。ありがとうございました!!
p.s. 編集にみどますさんの記事を参考にさせて頂きました。素晴らしい記事をありがとうございます!