ここでは,私とRankTurnipが主催する第二回四国中国数学コンテストの全問題の解説を紹介しようと思います.
- 次のようなの立方体つを組み合わせて作ったブロックをいくつか(重なりなく)用いることによっての直方体の内部を隙間なく充填することは可能か.
解説.
の直方体をの立方体で埋め尽くすことを考えよう.このときの面を底面として左下から数えて奇数行、奇数列、奇数段のものと偶数行、偶数列、偶数段のものがあった場所を黒く塗りつぶすことを考える.このとき,ブロックはつねにちょうどつの黒く塗られた立方体と共通部分をもつのでこのブロックを置く個数はこの黒く塗られた立方体の個数と一致するが,この黒く塗られた立方体の個数はと一致しないので矛盾.よってこのような操作は不可能であることが示される.
正の有理数に対して定義され正の有理数値をとる関数であって,任意の正の有理数に対して を満たすものをすべて求めよ.
解説.
への代入を とする. より, . これより で . について, これを与式に適用すると を得る. これより, がわかる. 正整数 について より . したがって, .
三角形において,その内接円を,内の傍接円をとする.との接点をそれぞれとし,直線との交点のうち,により近い方をとする.点を通る円との交点であってでないものをとしたとき,点は共線であることを示せ
解説.
三角形の内心をとし,におけるの対蹠点をとする.いま,におけるの接線は明らかに直線と平行であるから,をに移すを中心とする相似拡大を考えることにより,は共線である.したがって,であるから,である.よって,線分の中点をとすればこれは円の中心である.これまでの結果より,直線と直線は平行であるから,を中心として直線を2倍に拡大することにより,直線がにおけるの対蹠点を通ることが分かる.の共線からの共線が明らかに従うから先述の結果と併せての共線が従い,特に題意は示される.
任意の正整数に対して,ある正整数が存在して,が種類以上の相異なる素数で割り切れることを示せ.
解説.
とする.とのいずれかは奇数であるので,そのようなものをとする.ここでを割り切る素因数を一つとってきてそれをとする.ここでフェルマーの小定理との補題からであることからより である.よってであり,かつからはでない素因数をもつ.ここで関数を次のように定義しよう.このときはに含まれる素因数であってでないものである.(このようなが取れることは一連の議論より従う.)ここでは少なくともで割り切れるので示された.
正整数に対して,とする.の任意の部分集合に対して定義されの部分集合を対応付ける規則であって,任意のの部分集合に対してを満たすものの個数を求めよ.
解説.
にを代入することによって任意のの部分集合に対してがわかる.ここでの要素であって次の条件を満たすようなものが存在すると仮定しよう.ここで集合をの要素であってでないもの全体の集合とする.このとき与式からとなるはずだがこれは仮定に矛盾.よってこのような要素の組は存在しないことがわかる.ここからの任意の要素はならばのある要素が存在してとなる.よって全てのそれぞれに対してとするかかつ通りのなるの部分集合を定めればは意に定まり,このとき確かに条件をみたすので求めるの個数は個である.
解説.
条件はなる整数が存在することと同値である.このときとなるのではで割って余る素因数を持たない.このときがある奇素数で割りきれると仮定するとはを約数に持ち,よりこれはで割ってあまる素因数で割り切れるので矛盾.よってはある非負整数を用いてとあらわすことができる.ここで式を以下のように変形する. のときは条件を満たす整数が存在する.以下と仮定する.LTEの補題より.よりであるのでであり,である.ここで再び式を以下のように変形する.このとき左辺を割り切る任意の素数についてであることからにおけるの位数がであることが分かるのでである.しかしとからであるのではなる素因数をもち矛盾.以上よりである.
問題・解説共に
1W2TZMS
2ButterFlv(とW2TZMS)
3かえで
4W2TZMS
5W2TZMS
6W2TZMS
が担当しました.また,私は難易度順に並べたつもりでしたが参加者の成績を見ると123564の順の方が適切だったかもしれません.読んでいただきありがとうございます.