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ζ(1,3,・・・1,3)について

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0.目次

1.はじめに
2.補題など
3.本題
4.終わりに

1.はじめに

ζ(1,3,,1,3)について書いてある記事が(自分が探した限りでは)見当たらなかったので備忘録も兼ねて自分用に書こうと思います。

今回やるやつ

ζ({1,3}n)=2π4n(4n+2)!

2.補題など

文字の意味など

ш:シャッフル積Am=AAAmA0=1としてAш1=1шA=Ap,qを非負整数としてSp+q,j:(AB)pш(AB)qから生成される元のうちA2個含むものの集合Tp+q,j:Sp+q,jの元すべての和

Sp+q,jの元は、p+q個の長さ2の連続したブロックに分割することができる。また、Sp+q,jの元はB2j個含んでおり、A2B2がどのブロックに配置されるかを考えることにより、Sp+q,j(p+q2j)個の元を持つことが分かる。(ABBAの部分はA2,B2の位置が決まれば一意的に定まる。)

(AB)pш(AB)q=j=0min(p,q)4j(p+q2jpj)Tp+q,j

まずuSp+q,j1つとり、これが(AB)pш(AB)qからいくつ生成されるかを考える。uに含まれるp+q個のAのうち、2j個はA2であり、p+q2j個は両隣にAが来ない孤立したAである。p+q2j個の孤立したAのうち、pj個は(AB)p由来なので場合の数を考えることにより重複度が(p+q2jpj)だと分かる。また、A2について考えると、(AB)p由来のA(AB)q由来のA一つずつで構成されることから2通りの場合があり、これがj個あるため全体として2j通りの場合がある。B2についてもまったく同様に2j通りあることが分かる。これらによって、孤立したBの配置は一意に定まるためuの係数は4j(p+q2jpj)となる。最後に、jの範囲が0jmin(p,q)であることは容易にわかる

r=nn(1)r{(AB)nrш(AB)n+r}=4n(A2B2)n

例えばn=1のときは
r=11(1)r{(AB)1rш(AB)1+r}=(AB)2ш1+(AB)ш(AB)1ш(AB)2=(4A2B2+2(AB)2)2(AB)2=4A2B2

(左辺)=r=nn(1)rj=0min(nr,n+r)4j(2n2jnjr)T2n,j(命題2)=j=0n4jT2n,jr=jnnj(1)r(2n2jnjr)=N=0n4nNT2n,nNr=NN(1)r(2NNr)(N=nj)=4nT2n,n+N=1n4nNT2n,nNr=NN(1)r(2NNr)=4nT2n,n+N=1n4nNT2n,nN(11)2N=4nT2n,n
S2n,nの元は(A2B2)nしかないためT2n,n(A2B2)nに等しい。よって示された

r=nn(1)r(2n+2r+1)!(2n2r+1)!=22n+1(4n+2)!

参考文献[1]で証明が飛ばされていたやつです

sin(z)zsin(iz)iz=cos((1i)z)cos((1+i)z)2iz2=12in=0(1)n(2n)!z2n2{(1i)2n(1+i)2n}=12in=02n(1)n(2n)!z2n2(enπ2ienπ2i)=n=02n(1)n(2n)!z2n2sin(nπ2)=n=022n+1(1)n(4n+2)!z4n
したがって、
sin(z)zsin(iz)iz=n=022n+1(1)n(4n+2)!z4n
一方で
sin(z)zsin(iz)iz=k=0m=0(1)k(2k+1)!(2m+1)!z2k+2m=n=0k+m=n(k,m)Z02(1)k(2k+1)!(2m+1)!z2(k+m)=n=0z2nk+m=n(k,m)Z02(1)k(2k+1)!(2m+1)!=n=0z4nk+m=2n(k,m)Z02(1)k(2k+1)!(2m+1)!(z2,z6,z100)=n=0z4nr=nn(1)n+r(2n+2r+1)!(2n2r+1)!(kn+r , mnr)
したがって、
sin(z)zsin(iz)iz=n=0z4nr=nn(1)n+r(2n+2r+1)!(2n2r+1)!
☆★においてz4nで係数比較することにより
r=nn(1)r(2n+2r+1)!(2n2r+1)!=22n+1(4n+2)!

ζ({2}n)=π2n(2n+1)!

sin(πz)πz=n=1(1z2n2)=1+k=1(1)kζ({2}k)z2k
一方で、
sin(πz)πz=m=0(1)mπ2m(2m+1)!z2m
♡♥においてzで係数比較することにより
ζ({2}n)=π2n(2n+1)!

3.本題

再掲

ζ({1,3}n)=2π4n(4n+2)!

補題3においてA=ω0(t)(=dtt),B=ω1(t)(=dt1t)として多重ゼータ値の反復積分を考えることにより
r=nn(1)rζ({2}nr)ζ({2}n+r)=4nζ({1,3}n)π4nr=nn(1)r(2n+2r+1)!(2n2r+1)!=4nζ({1,3}n)(4)22n+1π4n(4n+2)!=4nζ({1,3}n)(2)2π4n(4n+2)!=ζ({1,3}n)ζ({1,3}n)=2π4n(4n+2)!

ちなみにζ({4}n)=22n+1π4n(4n+2)!なので
ζ({4}n)=4nζ({1,3}n)が分かります

4.終わりに

記事書くの大変(><)!!!
ここまで読んでいただきありがとうございました。ぷえ~(>
<)

参考文献

  1. Combinatorial aspects of multiple zeta values
投稿日:2024210
更新日:2024210
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余余余
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