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高校数学問題
文献あり

Derichilet核とPoisson核(問題形式)

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[Stein-Shakarchi, Fourier Analysis]の例より。
演習問題形式にしてみました。
高校生でも理解できて面白いと思います。

$N$を自然数とする。関数($N$次Derichilet核という)
\begin{align} D_N(x)=\sum_{n=-N}^{N}e^{inx} \end{align}をシグマ記号を使わず、$\sin$関数と$N,x$のみを用いて表せ。

解答例

$\omega=e^{ix}$とおく。等比級数の総和の公式より
\begin{align} \sum_{n=0}^{N}\omega^n&=\frac{1-\omega^{N+1}}{1-\omega},\\ \sum_{n=-N}^{-1}&=\frac{\omega^{-N}-1}{1-\omega} \end{align}
である。Eulerの公式より、$\omega^{-A}-\omega^{A}=2\sin(Ax)$であることに注意すると、
\begin{align} D_N(x)=\frac{\omega^{-N}-\omega^{N+1}}{1-\omega} =\frac{\omega^{-(N+\frac{1}{2})}-\omega^{N+\frac{1}{2}}}{\omega^{-\frac{1}{2}}-\omega^{\frac{1}{2}}}=\frac{\sin((N+\frac{1}{2})x)}{\sin(x/2)}. \end{align}

次の問題では関数の収束性(関数列が一様収束すること)の議論が必要であるが、高校生の読者は「今の状況では自由に式変形してよいのだ」と理解されたらよい。

$0\leq r<1$を実数とする。関数(Poisson核という)
\begin{align} P_r(\theta)=\sum_{n=-\infty}^{\infty}r^{|n|}e^{in\theta} \end{align}をシグマ記号を使わず、$\cos$関数と$r,\theta$のみを用いて表せ。

(詳しい読者へ:$P_r(\theta)$は関数列$(\sum_{n=-N}^{N}r^{|n|}e^{in\theta}:\mathbb{R}\to \mathbb{C})_{N=1,2,\dots}$の極限として与えられる関数である。$|e^{in\theta}|=1$であることから、この関数列が一様収束することが容易にわかる。したがって、和の順序を自由に変えても良い。)
$\omega=re^{i\theta}$とおく。すると、
\begin{align} P_r(\theta)&=\sum_{n=0}^{\infty}\omega^n+\sum_{n=1}^{\infty}\overline{\omega}^n\\ &=\frac{1}{1-\omega}+\frac{\overline{\omega}}{1-\overline{\omega}}\\ &=\frac{1-|\omega|^2}{|1-\omega|^2}\\ &=\frac{1-r^2}{1-2r\cos\theta +r^2}. \end{align}
ただし最後の式変形では、複素平面上での三角形に対して、余弦定理を用いた。

参考文献

[1]
E M. Stein, R Shakarchi, Fourier Analysis, Prinston University Press
投稿日:15日前
更新日:15日前
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