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MZVで遊んでいたらめっちゃすごい式を見つけたかもしれない。

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あいさつ

んちゃ!
今回はコネクターで遊びます。
最後の結果は度肝を抜かれる事間違いなしでです!
ぜひ読んでみてください!

Notation
K係数多項式全体:K[x]={f(x)|f(x)=anxn++a1x+a0,an,...,a0K,nN{0}}
K係数有理多項式全体:K(x)={f(x)g(x)|f(x)K[x],g(x)K[x]{0}}
・超幾何項は断りなくcn=A(a1)n(ak)n(b1)n(bl)nxnと書く。
nCN,AC,kCN:(n+A)k=i=1N(ni+A)ki

超幾何項

超幾何項

複素数列{cn}nN{0}Cが次の性質を持つとき、超幾何項という。
nN:tnC(n) s.t. cn+1=tncn

複素数列{cn}nN{0}Cが超幾何項であるとすると下記の式が成り立つ。
nN:a1,...,ak,b1,...,bl,xC s.t. cn+1=(a1+n)(ak+n)(b1+n)(bl+n)xcn
が成り立つ。
ゆえにc0=Aとおくと、次式が成り立つ。
cn=A(a1)n(ak)n(b1)n(bl)nxn

これは{cn}nN{0}が超幾何項なのでnに関するある有理関数tnC(n)が存在して
cn+1=tncn
が成り立つのだから、nに関するある多項式f(n),g(n)K[n]が存在してtn=f(n)g(n)が成り立つ。
f(n)g(n)それぞれの最大次数の係数をa,b、根を重複も込めてa1,...,ak;b1,...,blCとすると
{f(n)=a(a1+n)(ak+n)g(n)=b(b1+n)(bl+n)
が成り立つのでx=abとして
tn=(a1+n)(ak+n)(b1+n)(bl+n)x
を得る。
後は計算すれば所要の結論が示される。

超幾何項cn=A(a1)n(ak)n(b1)n(bl)nxnは次の性質を持つ。
n=0cn=Ak+1Fl(a1,...,ak,1;b1,...,bl|x)(|x|<{0(k>l)1(k=l)(k<l)

[1]まず
n=0cn=Ak+1Fl(a1,...,ak,1;b1,...,bl|x)
に関しては簡単なので省略する。
[2]収束半径RについてはCauchy-Hadamardの定理より次の様に計算すればいい。
R=limn|(b1+n)(b2+n)(bl+n)(a1+n)(a2+n)(ak+n)|={0(k>l)1(k=l)(k<l)

コネクターを作成

インデックス

aは自然数とする。この時下記の様な集合を考える。
Ia=i=1aZ0
このとき、kIaの事をインデックスと言う。
ただし、便宜上I0=とする。

矢印

インデックスk=(k1,...,ka)Iaに対して四つの矢印,,,を次の様に定める
{k=(k1,...,ka+1)k=(1,k1,...,ka)k=(1,k1,...,ka1)k=(k1,...,ka,1)
また、iを自然数としkii回繰り返す事を意味するものとする。
ただし、便宜上0は何もしない操作であるとする。
一応注意しておくと左から順番に矢印操作をするものとする。

複素矢印操作(the function name is called 'complex arrow operation' only at this article)

,に限りrC、インデックスk=(k1,...,ka)Iaに対して
{kr=(k1,...,ka+r)kr=(k1,...,kar)
なる操作を定める。

頭部抽出関数(the function name is called 'get head element function' only at this article)

写像h:CNCを以下の様に定める。
h((c1c2cN))=c1

最後尾抽出関数(the function name is called 'get last element function' only at this article)

写像e:CNCを以下の様に定める。
e((c1c2cN))=cN

トカゲのしっぼの断面関数 (the function name is called 'Lizard tail cross section function' only at this article)

写像liz:CNCを以下の様に定める。
liz((c1c2cN))=cN1

分割っぽい集合

自然数a,Nに対して
UN(a)={(k1,k2,...,ka)N{0}|Nk1k2ka}
と定める。

コネクター

超幾何項(a1)n(ak)n(b1)n(bl)nに対して以下の様なコネクターを考える。
C(n,m)=(a1)n+m(ak)n+m(b1)m(bl)m

実験
[1]差分を求める。
C(n,m+1)C(n,m)=C(n,m){(a1+n+m)(a2+n+m)(ak+n+m)(b1+m)(b2+m)(bl+m)1}=C(n,m)(a1+n+m)(a2+n+m)(ak+n+m)(b1+m)(b2+m)(bl+m)(b1+m)(b2+m)(bl+m)
適当にa1,...,ak,b1,...,blを適当に定める事で分子がns{(b1+m)(b2+m)(bl+m)}tの多項式で表せたとすると適当なd00,...,dKLを定める事で以下の式を得る事が出来る。
符号に注意
C(n,m)C(n,m+1)=C(n,m)d00++dKLnK{(b1+m)(b2+m)(bl+m)}L(b1+n+m)(b2+n+m)(bl+n+m)
[2]m=0であるとすると、C(n,0)=(a1)n(ak)nである事に

以下実験の条件を想定して計算を進めていく。
また、D={(k,l)C02|dkl0}として話を進める。

連結和

a,bを自然数としインデックスkIa,lIbに対して、
Z(k,l)=nU1(a),mU0(b)C(n,m)(b1)h(n)(b2)h(n)(bl)h(n)nk(m+b1)l(m+b2)l(m+bl)l

輸送関係式

(i,j)DdijZ(ki,lj1)=Z(k,l)

(i,j)DdijZ(ki,lj1)=Z(k,l)=nU1(a),mU0(b)1(b1)h(n)(b2)h(n)(bl)h(n)nk(m+b1)l(m+b2)l(m+bl)lliz(m)e(m)d00++dKLe(n)K{(b1+e(m))(b2+e(m))(bl+e(m))}L(e(m)+b1)(e(m)+b2)(e(m)+bl)C(e(n),e(m))=Z(k,l)

具体的な計算

実験
[0]k=1,l=2
[1]Z(1,)=n=1(a1)n(b1)n(b2)nn

[2]
(b1+m)(b2+m)(a1+n+m)=(b1+m)(b2+m)nK(b1+m)(b2+m)(b1=b2=b)=(b+m)2nK(b+m)=(b+m)2nKbKm(K=1,b=a1=a)
[3]C(n,m)=(a)m+n(a)m2
[4]輸送関係式に代入計算
{Z(1,ϕ)=n=11(a)nnZ(1,0)Z(1,12)Z(0,1)=n=1m=0(a)n+m(a)n2(a)m2{1n1n(m+a)1(m+a)2}=n=1m=0(a)n+m(a)n2(a)m2m2+(2a1)m+a2ann(m+a)2
[5]結論
n=11(a)nn=n=1m=0(a)n+m(a)n2(a)m2m2+(2a1)m+a2ann(m+a)2

複素数aCに対して以下の式が成り立つ?
n=11(a)nn=n=1m=0(a)n+m(a)n2(a)m2m2+(2a1)m+a2ann(m+a)2

もう少し一般化したものを載せておく。

0<kR複素数aCに対して以下の式が成り立つ?
n=11(a)nnk=n=1m=0(a)n+m(a)n2(a)m2m2+(2a1)m+a2annk(m+a)2

どうしてこの様な計算が許されているかについては、m=0(a)n+m(a)n2(a)m2m2+(2a1)m+a2an(m+a)2=1(a)nとなる事から分かる。
というか、そうなる様に決めたから当たり前。

appendix

Cauchy-Hadamardの定理

数列{an}nN{0}から定まる級数f(x)=anxnの収束半径Rは次の様に与えられる。
R=1limnsupn|an|

λn=sup{n|an|,n+1|an+1|,...}とおくすると
|k=0Nakxk|k=0n01|ak||x|k+k=n0N(λn|x|)k
λnの極限λが存在するとすると0<ϵ:n0N s.t. n0n:λλn<λ+ϵが成り立つので
k=n0N(λn|x|)k<k=n0N{(λ+ϵ)|x|}k=(λ+ϵ)n0|x|1{(λ+ϵ)|x|}Nn0+11(λ+ϵ)|x|
を得る。ゆえに(λ+ϵ)|x|<1を満たすならばNとして
k=n0(λn|x|)k<(λ+ϵ)n0|x|1(λ+ϵ)|x|<+
なる不等式が成り立つ。
この不等式から直ちに所要の不等式をxが満たすなら絶対収束する事が分かる。
|x|<1λ+ϵϵ01λ

ダランベールの判定法

Cauchy-Hadamardの定理の証明において、上極限が極限と一致した場合f(x)の収束半径は下記の様に与えられる。
R=|anan+1|

Cauchy-Hadamardの定理の証明において出てきた記号を踏襲する。
極限の定義より、0<ϵ:n0N s.t. n0nN:λϵ<λn<λ+ϵが成り立つので
{λϵ<λn=n|an|<λ+ϵλϵ<λn+1=n+1|an+1|<λ+ϵ(λϵ)(λϵλ+ϵ)n<|an+1an|<(λ+ϵ)(λ+ϵλϵ)n
ゆえに挟み撃ちの原理より証明完了。

投稿日:218
更新日:225
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