この記事では,ヤコビアンとホモロジー群のそれぞれを用いて,2種類の向きを多様体に対して定義し,それらの間にはよい対応があることを示す.ヤコビアンにより定まる向きとは,多様体を向き付ける座標近傍系(の同値類)のことであり,ホモロジー群により定まる向きとは,ホモロジー群の基本類(適切な条件下では生成元)のことである.
なお,この記事で定義する「向き(ムキ)」「向き(ムキ)を保つ」「向き(ムキ)を逆にする」などの用語は,『トポロジーの基礎 上』(参考文献2)の中で使われている「向き」「向きを保つ」「向きを逆にする」という言葉と整合的になるようにしたつもりである.なので,『トポロジーの基礎 上』を読む際の参考にしてほしいと思う.2種類の向きの間には後述するような整合性があるため,本の中の向きという用語を,この記事のどちらの定義の向きとして読んでも,大きな問題は生じないと思う.
円周$S^1$を例にとって,2種類の向きを見てみよう.都合により$\Delta^1:=[-1,1]$とみなすことにする.
まず$S^1:=\{(x,y)\in \mathbb{R}^2;x^2+y^2=1\}$とする.開区間$V_1=V_2:=(-\frac{3}{2},\frac{3}{2})\subset\mathbb{R}$を考える.
$\psi_1:V_1\rightarrow S^1,t\mapsto (\cos(\frac{\pi}{2}t+\frac{\pi}{2}),\sin(\frac{\pi}{2}t+\frac{\pi}{2}))$,
$\psi_2:V_2\rightarrow S^1,t \mapsto (\cos(\frac{\pi}{2}t+\frac{3}{2}\pi),\sin(\frac{\pi}{2}t+\frac{3}{2}\pi))$を考える.$U_1:=\psi_1(V_1),U_2:=\psi_2(V_2)$とおく.$\psi_1,\psi_2$の逆写像をそれぞれ$\varphi_1:U_1\rightarrow V_1,\varphi_2:U_2\rightarrow V_2$とおく.すると,$T:=\{(U_1,\varphi_1,V_1),(U_2,\varphi_2,V_2)\}$は$S^1$を向きつける座標近傍系である.$\iota:\mathbb{R}\rightarrow \mathbb{R},t\mapsto -t$を$\varphi_1,\varphi_2$に合成することで,$T$の逆向きの座標近傍系$\{(U_1,\iota\circ\varphi_1,\iota(V_1)),(U_2,\iota\circ\varphi_2,\iota(V_2))\}$が得られるので,それを直感的に(ここだけの記号で)$-T:=\{(U_1,\iota\circ\varphi_1,\iota(V_1)),(U_2,\iota\circ\varphi_2,\iota(V_2))\}$と書くことにする.あとできちんと定義するが,ここでは$T,-T$のことをヤコビアンにより定まる$S^1$の向きと呼ぶことにする.$T,-T$は互いに逆の向きである.図1のように$T$は反時計回りの向きであり,$-T$は時計回りの向きであることが見てとれる.
一方,$\varphi_1,\varphi_2$の逆写像(つまり$\psi_1,\psi_2$)の定義域を$\Delta^1=[-1,1]$に制限したものをそれぞれ$g_1,g_2:\Delta^1\rightarrow S^1$とする.実は$g_1+g_2\in S_1(S^1)$が代表する$H_1(S^1)$の元$\varepsilon:=[g_1+g_2]\in H_1(S^1)$は,$T$に対応する$H_1(S^1)\cong\mathbb{Z}$の生成元であり,基本類と呼ばれるものである.
また,$\iota$の制限$\iota:\Delta^1\rightarrow\Delta^1$を合成した$g_1\circ\iota,g_2\circ\iota:\Delta^1\rightarrow S^1$を考えると,これらは$-T$の座標として現れる$\iota\circ\varphi_1,\iota\circ\varphi_2$の逆写像の制限になっている.$g_1\circ\iota+g_2\circ\iota\in S_1(S^1)$が代表する$H_1(S^1)$の元$[g_1\circ\iota+g_2\circ\iota]\in H_1(S^1)$は,$-T$に対応する生成元である.実は$[g_1\circ\iota+g_2\circ\iota]=-\varepsilon\in H_1(S^1)$となっている.
この$\varepsilon,-\varepsilon\in H_1(S^1)$を,ホモロジー群により定まる$S^1$の向きとここでは呼ぶことにする.図1のように$\varepsilon$は反時計回りの向きであり,$-\varepsilon$は時計回りの向きであることが見てとれる.
$S^1$における2種類の向きの対応
ヤコビアンにより定まる向きは$T,-T$の2つであり,ホモロジー群により定まる向きも$\varepsilon,-\varepsilon$の2つである.そして,$T$と$\varepsilon$,$-T$と$-\varepsilon$とが,それぞれ対応している.2種類の向きの間のこのような対応について考察するのが,この記事の目的である.この例では$\pm T$の座標を表す写像(の逆写像)の制限により$\pm \varepsilon$の代表元が与えられているので,確かに$T$と$\varepsilon$とは同じ反時計回りだし,$-T$と$-\varepsilon$とは,同じ時計回りになっている.
さて,$T$に属する座標近傍$U_1,U_2$はもちろん$S^1$の開被覆である.
面白いことに,$\varepsilon$の代表元に現れる$g_1,g_2$の像$g_1(\Delta^1),g_2(\Delta^1)$も$S^1$の被覆になっている.ただしこちらは閉被覆である.ヤコビアンにより定まる向きは,開被覆が多様体に向きを与えており,ホモロジー群により定まる向きは,閉被覆が多様体に向きを与えているということもできるかもしれない.
(なお,$g_1(\Delta^1),g_2(\Delta^1)$が$S^1$の閉被覆になっているのは偶然ではなく,このようなことは,一般に成立する.記事の最後で示そう.)
以下では,まずここで見たような2種類の向きを一般の状況で定義し,最後に,それらの間の整合性を考察する.
2種類の向きを定義する1つ目として,ヤコビアンを用いて$C^\infty$多様体の向きを定義する.
多様体は境界付きのものも含めて考える.多様体$X$の境界を$\partial X$,内部を$X^\circ := X \setminus \partial X$と書くことにする.境界を持たない多様体にしか興味がない人(あるいは境界付き多様体を知らない人)は,以下の記述に出てくる$X^\circ$とは$X$のことだと思ってよい.
$X$は$C^\infty$多様体であり,$S=\{(U_\alpha,\varphi_\alpha,V_\alpha)\}_{\alpha \in A}$を$X$の座標近傍系とする.また,$S_0=\{(U_\beta,\varphi_\beta,V_\beta)\}_{\beta \in B}$は$S$を含む$C^\infty$級極大座標近傍系であるとする.(ただし,$C^\infty$級極大座標近傍系の定義は参考文献1の定義6.VI(p.54)を用いる.)
さて,$S_0$に含まれる座標近傍系全体の集合を$M^0_X$とおく.
$M^0_X := \{\{(U_\beta,\varphi_\beta,V_\beta)\}_{\beta \in C}; C \subset B, \underset{{\beta \in C}}{\bigcup} U_\beta = X\}$.
$(U_\alpha,\varphi_\alpha,V_\alpha),(U_\beta,\varphi_\beta,V_\beta)\in S_0$は$X$の座標近傍とする.
任意の$p \in U_\alpha \cap U_\beta \cap X^\circ$について,$\varphi_{\alpha}(p)$における$\varphi_\beta \circ (\varphi_\alpha)^{-1}$のヤコビアンが正であるとき,$(U_\alpha,\varphi_\alpha,V_\alpha)$と$(U_\beta,\varphi_\beta,V_\beta)$とは,同じ向きであるということにする.(参考文献1のp.300を参照してほしい.)
$M^0_X$の元$T$であって,$T$に属するどの2つの座標近傍も同じ向きであるようなもの全体の集合を$M^1_X$とする.
$M^1_X := \{T \in M^0_X; T$に属するどの2つの座標近傍も同じ向き}.
$M^1_X$が空でないことと多様体$X$が向き付け可能であることは,同値である.
さて,$M^1_X$に次のように同値関係$\sim_1$を定める:
任意の$T_1, T_2 \in M^1_X$に対して,$T_1 \sim_1 T_2 :\Leftrightarrow T_1 \cup T_2 \in M^1_X$.
この同値関係$\sim_1$に関する商集合$M^1_X/\sim_1$を考え,$M_X := M^1_X/\sim_1$とおく.$M_X$を$X$の向きの集合,$M_X$の元のことを$X$の(大域的な)向きと呼ぶことにする.(あとでホモロジー群を用いて定義する向きはカタカナでムキと表記して区別することにする.)
$T \in M^1_X$に対して,$T$が代表する$M_X$の元($[T]$と書く)のことを,$T$が定める$X$の向きと呼ぶことにする.$T_1, T_2 \in M^1_X$が$[T_1]=[T_2](\Leftrightarrow T_1\sim_1 T_2)$を満たすとき,$T_1$と$T_2$とは$X$に同じ向きを定めるということにする.
2つの向き $\tau_1, \tau_2 \in M_X$が「互いに逆である」ということを定義する.
$X$の多様体としての次元を$n$とする.$\mathbb{R}^n$の元の第一成分だけを$(-1)$倍する写像$\iota: \mathbb{R}^n \rightarrow \mathbb{R}^n, (x_1, x_2, \ldots, x_n) \mapsto (-x_1, x_2, \ldots, x_n)$を考える.$T \in M^1_X$と座標近傍$(U, \varphi, V) \in T$に対して,第一成分を$(-1)$倍した座標近傍$(U, \iota \circ \varphi: U \rightarrow \iota(V), \iota(V))$を$\iota \circ (U, \varphi, V)$と書くことにする.
$T \in M^1_X$に対して,座標近傍系$\{\iota \circ (U, \varphi, V); (U, \varphi, V) \in T\}$を$\iota \circ T$と書くことにする.$\iota \circ T$は,$M^1_X$の元になる.$\iota \circ T \in M^1_X$.
$\tau = [T] \in M_X$に対して,$[\iota \circ T]\in M_X$のことを$-\tau$と書くことにする.$-\tau:= [\iota \circ T]$.$-\tau$は代表元$T$の取り方によらずに定まる.$-\tau$のことを,$\tau$の逆の向きと呼ぶことにする.容易にわかるように$-(-\tau) = \tau$が成り立つ.$-\tau$のことを$(-1)\tau$とも書くことにする.また,$\tau$のことを$+\tau$,あるいは$(+1)\tau$とも書くことにする.
2つの向き $\tau_1, \tau_2 \in M_X$が$-\tau_1 = \tau_2$を満たすとき,$\tau_1$と$\tau_2$とは互いに逆である,ということにする.$T_1, T_2 \in M^1_X$が$-[T_1] = [T_2]$を満たすとき,$T_1$と$T_2$とは$X$に逆の向きを定めるということにする.
ここで向きの個数について注意をしておく.$X$が向き付け可能な多様体で$T \in M^1_X$が取れるとする.このとき,$X$の向きは$[T]$と$-[T]$の$2$個だけだと思うかもしれないが,これは一般には正しくない.例えば$X := \mathbb{R} \coprod\mathbb{R}$を$2$つの$\mathbb{R}$のディスジョイント和とするとき,$X$の向きは$4$個存在する.一方の$\mathbb{R}$に入る向きが通常の向きとその逆の向きの$2$個,他方の$\mathbb{R}$に入る向きも$2$個で,それらの組み合わせにより$2\times 2=4$個の向きがあるからである.
向きを保つ,向きを逆にする,の定義をする.(これらの用語は,局所的に定義される.)
$X, Y$は向き付け可能な$n$次元$C^\infty$多様体とする.$f: X \rightarrow Y$は$C^\infty$写像とする.$p \in X^\circ$とする.$f$は$p$で局所同相的であるとする.すなわち,$X^\circ$における$p$の開近傍$W_1 \subset X^\circ$と$Y^\circ$における$f(p)$の開近傍$W_2 \subset Y^\circ$が存在して制限$f: W_1 \rightarrow W_2$が$C^\infty$同相であるとする.(このような$W_1, W_2$をとる.)
向き $\sigma \in M_X$と$\tau \in M_Y$,および座標近傍系$S \in \sigma$と$T \in \tau$をとる.座標近傍$(U_1, \varphi_1, V_1) \in S$と$(U_2, \varphi_2, V_2) \in T$であって,$p \in U_1, f(p) \in U_2$を満たすものをとる.必要なら$U_1,U_2$を小さくとりなおすことで,$i=1,2$に対して$U_i\subset W_i$かつ制限$f:U_1\rightarrow U_2$が同相になるようにできる.
$C^\infty$同相写像$\varphi_2 \circ f \circ \varphi_1^{-1}: V_1 \rightarrow V_2$の$\varphi_1(p)$におけるヤコビアンが正(resp.負)であるとき,$f$は$p$において$\sigma$と$\tau$に関して向きを保つ(resp.向きを逆にする),ということにする.$f$が$p$において向きを保つ(あるいは逆にする)ことは,$\sigma, \tau$によって定まり,$S, T$や$(U_1, \varphi_1, V_1), (U_2, \varphi_2, V_2)$の取り方によらない.
$W \subset X^\circ$を開集合とし,$W$に属する任意の点で$f$は局所同相的であるとする.任意の$p \in W$に対して,$f$が$p$において$\sigma$と$\tau$に関して向きを保つ(resp.向きを逆にする)とき,$f$は$W$において$\sigma$と$\tau$に関して向きを保つ(resp.向きを逆にする)ということにする.
もう1つの向きを定義する.今度は,多様体は位相多様体とする代わりに,コンパクトを仮定する.以下では,参考文献2に書かれているような代数トポロジーの知識を仮定する.この記事の中に定義のない用語や記号については,参考文献2のものを用いている.
今からホモロジー群を用いて定義する向きは,ヤコビアンを用いて定義した向きと区別するため,片仮名を用いてムキと表記することにする.
$X$は(境界を持つかもしれない)コンパクトな$n$次元位相多様体とする.$X$の全ての座標近傍系の集合を$N^0_X$とする.$N^0_X$の元$T$であって,$T$に属するどの2つの座標近傍も同じ向きであるようなもの全体の集合を$N^1_X$としたい.ところが位相多様体ではヤコビアンを用いることができないので,2つの座標近傍が同じ向きであることを,次のように局所写像度を用いて定義する:
$(U_\alpha,\varphi_\alpha,V_\alpha),(U_\beta,\varphi_\beta,V_\beta)$は$X$の座標近傍とする.
任意の$p \in U_\alpha \cap U_\beta \cap X^\circ$について,座標変換函数の局所写像度が$+1$であるつまり,$\text{deg}_{\varphi_\alpha(p)}(\varphi_\beta \circ (\varphi_\alpha)^{-1})=+1$が成り立つとき,$(U_\alpha,\varphi_\alpha,V_\alpha)$と$(U_\beta,\varphi_\beta,V_\beta)$とは,同じ向きであるということにする.(参考文献2のp.189を参照してほしい.)
この座標近傍の同じ向きの定義をもって,次のように$N^1_X$を定義する:
$N^1_X = \{T \in N^0_X; T$に属するどの$2$つの座標近傍も同じ向き}.
$N^1_X$が空でないことと多様体$X$が向き付け可能であることは,同値である.
さて,$N^1_X$に次のように同値関係を定める:
任意の$T_1, T_2 \in N^1_X$に対して,$T_1 \sim_2 T_2 :\Leftrightarrow T_1 \cup T_2 \in N^1_X$.
この同値関係$\sim_2$に関する商集合$N^1_X/\sim_2$を考え,$N'_X := N^1_X/\sim_2$とおく.('を付したのは,このあとここからさらに集合$N_X$を定義するからである.あとで定義する$N_X$の元のことを,$X$のムキと呼ぶことにする.)$T\in N^1_X$に対して,$T$が代表する$N'_X$の元を$[T]\in N'_X$と書くことにする.
$N'_X$の元ごとに,$X^\circ$の各点におけるムキを定義しよう.(大域的なムキより先に,局所的なムキを定義する.)
$p \in X^\circ$と$\tau \in N'_X$をとる.座標近傍系$T \in \tau$を1つとる.座標近傍$(U, \varphi, V) \in T$であって$p \in U$を満たすものをとる.$U' := U \cap X^\circ,\;V' = \varphi(U')$とおくと,$V'$は$\mathbb{R}^n$の開集合であり,制限$\varphi: U' \rightarrow V'$は同相である.
同型$H_n(V', V' \setminus \{\varphi(p)\}) \xrightarrow{\varphi^{-1}_*} H_n(U', U' \setminus \{p\}) \underset{\text{exc}}{\cong} H_n(X, X \setminus \{p\})$による$\mu_{\varphi(p)} \in H_n(V', V' \setminus \{\varphi(p)\})$の像を$\mu_p^\tau$と書くことにする.(参考文献2のp.189を参照してほしい.$U', V'$を考えずに$U, V$のままでもよいかもしれないが,念のためにこのようにした.)$\mu_p^\tau$は,$p$と$\tau$のみによって定まり,$T$や$(U, \varphi, V)$の取り方によらない.この$\mu_p^\tau \in H_n(X, X \setminus \{p\})$を,$\tau$が定める$p$における(局所的な)ムキと呼ぶことにする.$\mu_p^\tau $は,$H_n(X,X\setminus \{p\})\cong \mathbb{Z}$の生成元である.(参考文献2,p.189参照.)
上で定義した各点でのムキ$\mu_p^\tau$を使って,多様体全体のムキを定めよう.
$\tau \in N'_X$をとり固定する.
各点$p \in X^\circ$ごとに$\tau$が定めるムキ $\mu_p^\tau \in H_n(X, X \setminus \{p\})$がある.$p \in X^\circ$ごとに空間対の包含写像$j_p: (X, \partial X) \rightarrow (X, X \setminus \{p\})$を考える.$j_p$がホモロジー群に誘導する準同型$j_{p*}: H_n(X, \partial X) \rightarrow H_n(X, X \setminus \{p\})$がある.実は次の条件を満たす$u_\tau \in H_n(X, \partial X)$が一意的に存在する:
任意の$p \in X^\circ$に対して$j_{p*}(u_\tau) = \mu_p^\tau$.
(参考文献2のp.247, l.-5からの記述および次のページの補題4.5.14を参照してほしい.)
この条件を満たす$u_\tau \in H_n(X, \partial X)$のことを,$[X]_\tau$と書き,$X$の$\tau$に関する基本類,あるいは$X$の$\tau$に関する(大域的な)ムキと呼ぶことにする.
$X$のムキ全体の集合$\{[X]_\tau; \tau \in N'_X\} (\subset H_n(X, \partial X))$を$N_X$と書くことにする.
$N_X$は加群$H_n(X,\partial X)$の部分集合だが,どのような元の集合になっているだろうか.また,ムキ$[X]_\tau\in N_X$は加群の元であるから逆元$-[X]_\tau$を考えることができる.自然な発想でこれを$[X]_\tau$の逆のムキと定義したいのだが,そのためには$-[X]_\tau\in N_X$となっていなくてはならない.これらのことについて考察しよう.
簡単のため,以下では$X$は向き付け可能かつ連結であると仮定する.もちろん今まで通り,$X$は$n$次元位相多様体であり,コンパクトでもあるとする.
次の事実がある:
(1)$H_n(X,\partial X)\cong \mathbb{Z}$.
(2)任意の$p\in X^{\circ}$に対して,$j_{p*}: H_n(X, \partial X) \rightarrow H_n(X, X \setminus \{p\})$は同型.
(3)任意の$\tau\in N'_X$に対して,$[X]_\tau$は$H_n(X,\partial X)(\cong\mathbb{Z})$の生成元である.
(参考文献2,定理4.5.13参照.)
さて,$H_n(X,\partial X)$の生成元全体の集合を$G_X$と書くことにする.ムキの集合$N_X$は,実は$G_X$に一致する.ヤコビアンを用いて定めた向きに関して逆の向きを定義したときと同様に,座標近傍系$T\in N^1_X$に対して,座標の第一成分を$(-1)$倍させた座標近傍系を$\iota\circ T$と書くことにする.また,$\tau = [T] \in N'_X$に対して,$[\iota \circ T]\in N'_X$のことを$-\tau$と書くことにする.$-\tau := [\iota \circ T]$.$-\tau$は代表元$T$の取り方によらずに定まる.容易にわかるように$-(-\tau) = \tau$が成り立つ.
(1)任意の$\tau\in N'_X $に対して,$[X]_{-\tau}=-[X]_{\tau}$である.したがって$-[X]_\tau\in N_X$.
(2)$N_X=G_X$.
$N_X\subset G_X$は,定理1の(3)による.
逆の包含を示す.$\tau \in N'_X$を任意にとる.($X$は向き付け可能と仮定しているので,$N'_X \not =\emptyset$である.)定理1より,$H_n(X,\partial X)\cong\mathbb{Z}$で$[X]_\tau$は$H_n(X,\partial X)$の生成元なので,$G_X$は$2$つの元$[X]_\tau,-[X]_\tau$からなる集合である.$G_X=\{[X]_\tau,-[X]_\tau\}$.$-[X]_\tau\in N_X$を示せば,$G_X\subset N_X$が言えたことになる.
$T\in\tau$と$p\in X^{\circ}$をとる.$-\mu_p^{\tau}=\mu_p^{-\tau}$を示すことができれば,同型$j_{p*}: H_n(X, \partial X) \rightarrow H_n(X, X \setminus \{p\})$の逆写像で両辺を写すことで$-[X]_{\tau}=[X]_{-\tau}\in N_X$が得られ,証明が完了する.
座標近傍$(U,\varphi,V)\in T$で$p\in U$を満たすものをとる.$U\cap X^{\circ}$を考えることで,最初から$U\subset X^{\circ}$としてよい.$x:=\varphi(p),x':=\iota\circ\varphi(p),V':=\iota\circ\varphi (V)$とおく.
今,同型からなる次の可換図式がある.
$
\xymatrix{
H_n(V,V\setminus \{x\}) \ar[r]^{\varphi^{-1}_*} \ar[d]^{\iota_*} & H_n(U,U\setminus \{p\}) \ar[r]^{\underset{\text{exc}}{\cong}} \ar@{=}[d] & H_n(X,X\setminus \{p\}) \ar@{=}[d]\\
H_n(V',V'\setminus \{x'\}) \ar[r]^{(\iota\circ\varphi)^{-1}_*} & H_n(U,U\setminus \{p\}) \ar[r]^{\underset{\text{exc}}{\cong}} & H_n(X,X\setminus \{p\})
}
$
この可換図式において,$\mu_x\in H_n(V,V\setminus \{x\})$の右下での値を考えよう.
右上を経由すると,$\mu_x$は$\mu_p^{\tau}\in H_n(X,X\setminus \{p\})$に写る.一方,$\iota_*$の局所写像度は$(-1)$であること(参考文献2補題4.2.10参照)により,左下を経由すると,$\mu_x$は$-\mu_p^{-\tau}\in H_n(X,X\setminus \{p\})$に写る.よって,$\mu_p^{\tau}=-\mu_p^{-\tau}$である.したがって$-\mu_p^{\tau}=\mu_p^{-\tau}$が得られ,証明が完了した.$\square$
$X$のムキとは結局,加群$H_n(X,\partial X)$の生成元のことだということがわかった.
命題2をふまえて,逆のムキを定義しよう.
$\varepsilon\in N_X$に対して,加群$H_n(X,\partial X)$における$\varepsilon$の逆元$-\varepsilon\in N_X$を$\varepsilon$の逆のムキと呼ぶことにする.もちろん,$-(-\varepsilon) = \varepsilon$が成り立つ.命題2により,ムキ$\varepsilon\in N_X$を1つとると,$N_X=G_X=\{\varepsilon,-\varepsilon\}$である.
2つのムキ $\varepsilon_1, \varepsilon_2 \in N_X$が$-\varepsilon_1 = \varepsilon_2$を満たすとき,$\varepsilon_1$と$\varepsilon_2$とは互いに逆である,ということにする.
ここで$N'_X$と$N_X$の関係を見ておこう.$N'_X$は座標近傍系の同値類の集合であり,同じく座標近傍系の同値類の集合である$M_X$との間によい対応がありそうである.あとで$M_X$と$N_X$の間に全単射があることを示すための準備として,$N'_X$と$N_X$の間に全単射があることを示しておこう.
$\eta_1:N'_X \rightarrow N_X,\;\tau\mapsto [X]_\tau$は全単射.
全射は$N_X$の定義により明らか.
単射を示す.$\tau_1, \tau_2 \in N'_X$をとる.$\tau_1 \neq \tau_2$とする.$T_1 \in \tau_1, T_2 \in \tau_2$を1つずつとる.仮定から$T_1 \not\sim_2 T_2$なので,$T_1 \cup T_2 \notin N^1_X$.ゆえにある座標近傍$(U_1, \varphi_1, V_1) \in T_1, (U_2, \varphi_2, V_2) \in T_2$と$p \in U_1 \cap U_2 \cap X^\circ$が存在して$\deg_{\varphi_1(p)} \varphi_2 \circ \varphi_1^{-1} = -1$.
$x_1:=\varphi_1(p),\;x_2:=\varphi_2(p),\;U := U_1 \cap U_2 \cap X^\circ,\;V'_1 := \varphi_1(U),\; V'_2 := \varphi_2(U)$とおく.同型からなる次の可換図式がある:
$
\xymatrix{
H_n(V'_1,V'_1\setminus \{x_1\}) \ar[r]^{\varphi^{-1}_{1*}} \ar[d]^{(\varphi_2\circ\varphi_1^{-1})_*} & H_n(U,U\setminus \{p\}) \ar[r]^{\underset{\text{exc}}{\cong}} \ar@{=}[d] & H_n(X,X\setminus \{p\}) \ar@{=}[d]\\
H_n(V'_2,V'_2\setminus \{x_2\}) \ar[r]^{\varphi^{-1}_{2*}} & H_n(U,U\setminus \{p\}) \ar[r]^{\underset{\text{exc}}{\cong}} & H_n(X,X\setminus \{p\})
}
$
この可換図式から,命題2の証明と同様にして$[X]_{\tau_1}=-[X]_{\tau_2}$が得られる.もし$[X]_{\tau_1}=[X]_{\tau_2}$なら,今得られた等式に代入することで$[X]_{\tau_2}=-[X]_{\tau_2},\;2[X]_{\tau_2}=0$となるが,これは$[X]_{\tau_2}$が$H_n(X,\partial X)\cong\mathbb{Z}$の生成元であることに矛盾する.したがって$[X]_{\tau_1}\not =[X]_{\tau_2}$が得られ,証明が完了した.$\square$
命題2,命題3により,次の命題が得られる:
$\tau\in N'_X$を1つとると,$N'_X=\{\tau,-\tau\}$である.
$p\in X^{\circ}$と$\varepsilon \in N_X$をとる.$j_{p*}: H_n(X, \partial X) \rightarrow H_n(X, X \setminus \{p\})$による$\varepsilon$の像を,記号の濫用だが$\mu_p^{\varepsilon}$と書くことにする.$\mu_p^{\varepsilon}:=j_{p*}(\varepsilon)$.$\mu_p^{\varepsilon}$のことを,$\varepsilon$が定める$p$における(局所的な)ムキと呼ぶことにする.
なお,$\varepsilon$はある$\tau\in N'_X$によって一意的に$\varepsilon=[X]_{\tau}$と表されるが,このとき$ \mu_p^{\varepsilon}=j_{p*}([X]_{\tau})=\mu_p^{\tau}$である.($[X]_{\tau}$の定義を参照.)
ムキを保つ,ムキを逆にする,の定義をする.(これらの用語は,局所的に定義される.)
$X, Y$は連結でコンパクトな向き付け可能$n$次元位相多様体とする.$f: X \rightarrow Y$は連続写像とする.$p \in X^\circ$とする.$f$は$p$で局所同相的であるとする.すなわち,$X^\circ$における$p$の開近傍$W_1 \subset X^\circ$と$Y^\circ$における$f(p)$の開近傍$W_2 \subset Y^\circ$が存在して制限$f: W_1 \rightarrow W_2$が同相であるとする.(このような$W_1, W_2$をとる.)
$\varepsilon\in N_X$と$\delta\in N_Y$をとる.
同型の合成$H_n(X,X\setminus\{p\})\underset{\text{exc}}{\cong}H_n(W_1,W_1\setminus\{p\})\xrightarrow{f_*}H_n(W_2,W_2\setminus\{f(p)\})\underset{\text{exc}}{\cong}H_n(Y,Y\setminus \{f(p)\})$による$\mu_p^{\varepsilon}\in H_n(X,X\setminus\{p\})$の像が$+\mu_{f(p)}^{\delta}$(resp.$ -\mu_{f(p)}^{\delta}$)のとき,$f$は$p$において$\varepsilon$と$\delta$に関してムキを保つ(resp.ムキを逆にする)ということにする.$f$が$p$においてムキを保つ(あるいは逆にする)ことは,$\varepsilon,\delta$によって定まり,$W_1,W_2$の取り方によらない.
$W \subset X^\circ$を開集合とし,$W$に属する任意の点で$f$は局所同相的であるとする.任意の$p \in W$に対して,$f$が$p$において$\varepsilon$と$\delta$に関してムキを保つ(resp.ムキを逆にする)とき,$f$は$W$において$\varepsilon$と$\delta$に関してムキを保つ(resp.ムキを逆にする)ということにする.
これで2種類の向きとそれらの周辺概念の定義が終わった.
ここまでで,ヤコビアンとホモロジー群を用いて,多様体に異なる方法で2種類の向きを定義した.ではいよいよ,これらの間の整合性を考察することにしよう.これがこの記事の主目的である.2種類の向きの間に整合性をもたらしているのは,基本的に参考文献2の補題4.2.10である.
2種類の向きの整合性を考察するにあたって,2種類の向きの両方が定義されるような多様体を考えることにしよう.$X$は連結コンパクトで向き付け可能な$n$次元$C^{\infty}$多様体とする.
参考文献2の補題4.2.10により,次の補題が得られる:
(1)任意の$T\in M^1_X$に対して,$T\in N^1_X$.
(2)任意の$T_1,T_2\in M^1_X$に対して,$T_1\sim_1 T_2$ と$T_1\sim_2 T_2$とは同値.
この補題から,次の補題が得られる:
(1)$\eta_2:M_X\rightarrow N'_X, [T]\mapsto [T]$はwell-definedな全単射.
(2)任意の$\tau\in M_X$に対して,$\eta_2(-\tau)=-\eta_2(\tau)$.
$\eta_2$のwell-definedと単射は補題5による.
$\eta_2$の全射を示す.$[T]\in M_X$を1つとる.$\eta([T])=[T]\in N'_X$なので,命題4により,$N'_X=\{[T],-[T]\}$.$-[T]$の定義により,$\eta_2(-[T])=\eta_2([\iota\circ T])=[\iota\circ T]=-[T]$.全射が示された.$\square$
命題3の$\eta_1$と補題6の$\eta_2$の合成を$\pi_X:=\eta_1\circ\eta_2:M_X\rightarrow N_X$と表すことにする.次の定理がこの記事の主定理の1つである.
(1)$\pi_X:M_X\rightarrow N_X$は全単射である.
(2)$\pi_X$は逆の向き(ムキ)と整合的である.つまり任意の$\tau \in M_X$に対して$\pi_X(-\tau)=-\pi_X(\tau)$.
$ \xymatrix{ M_X \ar[r]^{\pi_X} \ar[d]^{-1} & N_X \ar[d]^{-1}\\ M_X \ar[r]^{\pi_X} & N_X } $
(左(resp.右)の縦の射は,逆の向き(resp.ムキ)を対応させる写像.)
(1)命題3と補題6(1)による.
(2)命題2(1)と補題6(2)による.$\square$
$X, Y$は連結でコンパクトな向き付け可能$n$次元$C^{\infty}$多様体とする.$f: X \rightarrow Y$は$C^{\infty}$写像とする.$p \in X^\circ$とする.$f$は$p$で局所同相的であるとする.次の定理がこの記事の主定理の2つ目である.
$\sigma \in M_X,\tau \in M_Y$は任意の元とする.このとき,次の2つは同値:
(1)$f$は$p$において$\sigma$と$\tau$に関して向きを保つ(resp.逆にする).
(2)$f$は$p$において$\pi_X(\sigma)$と$\pi_Y(\tau)$に関してムキを保つ(resp.逆にする).
$S\in \sigma,T\in \tau$,および$(U_1,\varphi_1,V_1)\in S,(U_2,\varphi_2,V_2)$をとり,$p\in U_1,f(p)\in U_2,U_1\subset X^{\circ},U_2\subset Y^{\circ}$で制限$f|_{U_1}:U_1\rightarrow U_2$が同相になるようにする.$x:=\varphi(p),y:=\varphi(f(p))$とおく.
同型からなる次の図式があり,左の四角は可換である:
$
\xymatrix{
H_n(V_1,V_1\setminus \{x\}) \ar[r]^{\varphi^{-1}_{1*}} \ar[d]^{(\varphi_2\circ f \circ \varphi_1^{-1})_*} & H_n(U_1,U_1\setminus \{p\}) \ar[r]^{\underset{\text{exc}}{\cong}} \ar[d]^{f_*} & H_n(X,X\setminus \{p\}) \\
H_n(V_2,V_2\setminus \{y\}) \ar[r]^{\varphi^{-1}_{2*}} & H_n(U_2,U_2 \setminus \{f(p)\}) \ar[r]^{\underset{\text{exc}}{\cong}} & H_n(Y,Y\setminus \{f(p)\})
}
$
この可換図式と参考文献2補題4.2.10により,定理8が従う.$\square$
これで,2種類の向きの間の整合性が示された.
記事冒頭の例でも触れたように,ムキは多様体に閉被覆を与える.最後にそのことについて考察する.
$X$は向き付け可能でコンパクトな$n$次元位相多様体とする.(連結は仮定しない.)
ムキ$\varepsilon \in N_X\subset H_n(X,\partial X)$をとる.$u\in S_n(X)$が存在して$[u]=\varepsilon \in H_n(X,\partial X)$である.(このような$u$をとる.)
整数$a_1,a_2,...,a_m\in \mathbb{Z}$と連続写像$g_1,g_2,...,g_m:\Delta^n\rightarrow X$により$u=\sum\limits_{i=1}^m a_ig_i$と書かれるとする.このとき次の命題が成立する:
$\{g_i(\Delta^n)\}_{1\leq i\leq m}$は$X$の閉被覆.
まず,$\Delta^n$はコンパクト空間であるから,任意の$1\leq i\leq m$に対して,$g_i(\Delta^n)\subset X$はコンパクト.今,$X$はハウスドルフ空間であるから,$g_i(\Delta^n)\subset X$は$X$の閉集合.よって,$\bigcup\limits_{1\leq i\leq m}g_i(\Delta^n)$も$X$の閉集合.$X^{\circ}\subset \bigcup\limits_{1\leq i\leq m}g_i(\Delta^n)$を示すことができれば,両辺の$X$における閉包をとることで$X\subset \bigcup\limits_{1\leq i\leq m}g_i(\Delta^n)$が得られ,証明が完了する.
$p\in X^{\circ}$を任意にとる.$p\not\in \bigcup\limits_{1\leq i\leq m}g_i(\Delta^n)$と仮定して矛盾を導く.
$\tau \in N'_X$で$[X]_{\tau}=\varepsilon$を満たすものをとる.準同型$j_{p*}:H_n(X,\partial X)\rightarrow H_n(X,X\setminus\{p\})$を考える.$[X]_{\tau}$の定義により,$j_{p*}(\varepsilon)=j_{p*}([X]_{\tau})=\mu_p^{\tau}$であり,右辺は$H_n(X,\partial X)\cong \mathbb{Z}$の生成元である.したがって$j_{p*}(\varepsilon)\not=0$.
一方,任意の$1\leq i \leq m$に対して,$g_i(\Delta^n)\subset X\setminus \{p\}$であるから,$u=\sum_{i=1}^m a_ig_i\in S_n(X\setminus \{p\})$.ゆえに$[u]=0\in S_n(X,X\setminus \{p\})$であり,$[u]=0\in H_n(X,X\setminus \{p\})$となる.これは$j_{p*}(\varepsilon)=0$を意味し,矛盾.
$p\in \bigcup\limits_{1\leq i\leq m}g_i(\Delta^n)$が得られ,命題9の証明が完了した.$\square$
この記事では,多様体に対して2種類向きを定義した.1つ目はヤコビアンの符号を用いて定義した「向き」であり,向きとは座標近傍系の同値類のことであった.2つ目はホモロジー群を用いて定義した「ムキ」であり,ムキとは連結コンパクトを仮定した場合にはホモロジー群$H_n(X,\partial X)$の生成元のことであった.最後にこれら2種類の向きの間に,整合性があることを見た.
ムキについての議論においては,途中から連結を仮定して議論したが,連結の仮定を外しても,定理7,定理8と同様のことが実は成立する.
直感的に,連結を仮定しない多様体の向き(ムキ)とは各連結成分ごとの向き(ムキ)の選択と思えるから,連結を仮定しなくても向きとムキの間に整合性があることは,想像ができるのではないだろうか.(気が向いたら,連結を仮定しない場合の証明も加筆するかもしれない.)
また,$X$が向き付け可能な境界付き多様体のとき,$X$から境界$\partial X$に誘導される向きというものがある.これについても,記事が長くなってしまうので触れられなかった.(これも気が向いたら加筆するかもしれない.)
それでは記事を終わりにします.ここまで読んでくれてありがとうございました!質問や感想はいつでも歓迎します.(SNSの𝕏の方が対応しやすいです.)