の閉じた形式を求めたくなったのが始まり。この値を
母関数を
微分したりxを掛けたりなんやかんやすると(あとで解説します)、
ちなみに、元の
となる。
階乗の
として定義する。
今回の記事は、この数列の閉じた形式を見つけ、実数値に拡張する。
やっぱり増加速度は階乗くらいなので、
とする。
もとの漸化式を出したいので、両辺に
ここで、両辺に
を足すことで、漸化式の形を作る。
あとは両辺を積分する。積分定数は
これより、
と分かる。
この式に
(後で言及することですが、この式の分子は"
次は階乗との比の極限を求めてみる。漸化式のままでは不明瞭だったのが、母関数を得たことにより、
とべき級数に展開し係数比較をすることで、
と、(閉じた形ではないけれど)明示的な式が得られる。この状態で
となる。
そして、この結果において、収束値は
"
極限、母関数、明示的な公式(閉じていないけれど)が得られたので、今度は連続な関数にしてみる。
つまり階乗とガンマ関数の関係みたいなものですね。
せっかく似たような形の漸化式的関係を満たすガンマ関数の積分表示
があるので、利用してみる。積分範囲を0~∞としてしまうと定数項が消えてしまうので、[0,1]で。定数項が
とすると、
と上手くいきそうなんだけど、
と
母関数から得た明示式
を利用する。
としても、問題はない...はず。調和数を実数値に拡張するときも、
このように有限和を無限和に置き換えて
(一般にはミューラーの公式というらしいのですが、拙いネット検索能力では言及している記事が見つけられませんでした。情報をお持ちの方が
いましたらぜひコメントください。)
さて、いまから
とおき、この関数の閉じた形を得るのがゴール。
ここで、「反復積分に関するコーシーの公式」を用いる。それは何?って話だけれど、詳しくはWikipediaとかにあるのでそこを読んでください。
が成り立つらしい。すごい。
それを、
となる。一方で、この関数はただのべき乗関数(?)なので、手で積分することも可能で、
となる。真ん中の分母はいわゆる上昇階乗冪っていうやつです。記事を書いている人がその記法に不慣れなので直接ガンマ関数で表しています。
2式を比較することで、
(右辺の
何はともあれ、これで分母にガンマ関数の逆数の表示が積分の形で得られた。ここから、
(厳密には収束性とか極限とインテグラルの交換とか色々と気にしないといけないですが、共通テスト1週間前で多忙のため交換可能であることを認めておきます。)
そうすると、
なんと
と定積分で表せた。あとは件の明示式
に当てはめれば(計算略)、
と実数値に拡張できた。(ガンマ関数のように
更に、不完全ガンマ関数
を用いれば、
とも書ける。
興味深いのは、元々の漸化式においての、毎回
整数ならいうまでもなく、
ガンマ関数の類似ということで、反射公式や無限乗積展開はないか考えていますが、和が含まれることでかなり難しいです。逆数の無限和もきつそう。
今日もS台で共通テスト演習をした休憩時間に思いついてすぐに書いた出来立てホカホカの記事です。1週間前に何をやっているのだろう。