射影幾何を学ぶ前に、そもそも幾何って何?という問から始めようと思います.要するに基礎固めといったところです.一般論であるため抽象度は高いですが,ゆっくりと一歩ずつ進んでいきましょう.
集合
(1)反射律
(2)対称律
この対
この定義の意味を具体例を用いて考えてみましょう.
以下の図1を見てください.
幾何というものは点(point),直線(line),平面(plane)がどういう繋がりを持っているのかを扱います.つまり図1でいうと「点
あれ?包含関係は対称律を満たさないけど...
と思いつく方もいると思いますが、この包含関係は特殊なもので対称律を満たすものとします.つまり,
これを特に接続関係(incidence relation)と呼び,(つながっていることを表すもの)多くの幾何の場面では,この接続関係を
さて,図1の
を満たすとき,
また,任意に
となるとき
具体例として馴染み深い幾何
旗としては,次のようなものが考えられます.
定義から明らかに最後の1つのみが最大旗となることは分かります.
ここで,
(多少,書き方に厳密さが欠けます.)
と定めれば,これらは定義3を満たすため
この階数は3であることが分かります.
さて今まで出てきた定義などを確認するために次の簡単な補題を示してみましょう.
同じ型に属する異なる2つの要素は接続されない.
このとき,
すると,この2つの要素を含む最大旗
しかし,
したがって,題意は示された.
次からの節では,最もシンプルな構造を持つ階数
そして,これらの要素と単純な公理から成り立つ射影幾何を見ていこうと思います.
以上で,1.1基礎を終わりにしたいと思います!
今日,出てきたキーワードは3つ!
"幾何"、"(極大)旗"、"階数"
おさらいをしておくと...
<幾何>
扱いたい対象
<旗>
繋がりの単位,その中でも極大旗は考えうる繋がりの最大単位
<階数>
次元のようなもの
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