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【疑問】年齢を重ねると1年が短く感じる不思議

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はじめに

1年は365日、1日は86400秒、すべての人々に等しく与えられている時間ですね。この1分1秒を常に投資し続けて私たちの日常が作られていきます。さて学生さんではまだ感じることがあまりないのではないかと思いますが、年齢を重ねてくるとふと感じることがあります。それは「歳をとると一日、ひと月、一年が短く感じる」ということです。時間は楽しい時には短く、つらいときには長く感じるものですが、いつのときも1分1秒の長さが変わってはいないですよね。ではなぜ年齢を重ねるごとにひと月、一年が短く感じるようになるのでしょう?
というわけで今回はこのふとした疑問にフォーカスして、視覚化してみることにします。

様々な年齢における1年の長さ

少しずつ言葉を話しはじめる3歳、中学生の15歳、社会の中核を担い始める30歳、様々な経験を積んできた還暦前の55歳、日本の平均寿命に近い80歳、このそれぞれの年齢における1年を棒グラフにしてみましょう。

各年齢における1年と1か月の割合 各年齢における1年と1か月の割合

赤い部分はそれぞれの年齢、緑色の部分は1年を表し、橙色の部分は1か月(31日)を表しています。どの年齢でも1年の長さは変わりませんので、緑色も橙色の部分も同じ長さになっています。このグラフだと、緑色も橙色の部分が短くなんだか分かりにくく感じてしまいます。

各年齢を100%として考えてみる。

上のグラフで分かりにくく感じる要因としては、各年齢の長さが揃っていないことだと考えることができます。なのでそれぞれの年齢を100%として、そのうち1年がどのくらいの割合を占めるのかというグラフにしてみましょう。例えば3歳で考えてみると、3を100%と考えるので$3歳:1歳=100%:緑色の部分$、つまり緑色の部分$=\frac{100}{3}$となります。同様に各年齢を考えてあげると下図のようになります。

各年齢における1年と1か月の割合(年齢を100%としたとき) 各年齢における1年と1か月の割合(年齢を100%としたとき)

それぞれの年齢において、1年がどのくらいの割合を占めているのかがよくわかると思います。3歳では緑色の部分(1年の割合)がすごく多く、橙色の部分(1か月の割合)もはっきりと分かります。しかし、30歳くらいになると橙色の部分はすごく短く、緑色の部分でさえも比較的短く感じますね。

おわりに

「年齢を重ねると一日、ひと月、一年が短く感じる」というふとした疑問からグラフを作ってみました。3歳における1年は人生の$\frac{1}{3}$ですし、80歳における1年は人生の$\frac{1}{80}$です。これから過ごす1年は$\frac{1}{年齢}年$なので、同じ1年なのに自分の人生の中ではその割合が少なくなっていきます。これをグラフにすることにより、年齢を重ねればしっかりと1年の割合は短くなっていることを明確に見ることができました。
些細な小ネタ記事ですが、お読みくださりありがとうございました。

投稿日:202365

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くっく
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趣味数学家。 大学院時代には凸解析学を専攻。 多くの人が数学を好きになるためのサポート。 アイコンはdesmosを使用した関数アート。

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