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2べき分割

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はじめに

 最近面白い発見をしたので共有します.
 かなり既出っぽいです.既出だったらこっそり教えて下さい

 922+22+2021+21+21+21+20にするように,正整数を1個以上の2べきの和として表す方法を2べき分割とよぶ.この際,和の順序は区別しない.(例えば,23+2020+23は同一視する.)

本題

 本題になってしまいました

 2以上の整数について,その2べき分割の総数は偶数である.

 これは証明を考えるだけでもかなり面白いので考えてみて下さい.

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 2べき分割を,次のように2グループに分ける.(当然共通部分を持たない.)


(A) 2べき分割に使っている2べきのうち,最大のものがちょうど1つ存在する.

(B) 2べき分割に使っている2べきのうち,最大のものが2つ以上存在する.

 例えば,1023+21という分割について,最大の2べきは23だが,これは1回しか表れていないので(A)に分類される.逆に,22+22+2121+21+21+21+21(B)に分類される.


 実は,この2グループの間には次のように11対応が作れる.

  • (A)の分割について,最大の2べきを2nとして,それを2n1+2n1に置き換える.すると2n1は必ず2つ以上使っていることになり,(B)の分割に変わる.
  • 逆に,(B)の分割について,最大の2べきを2nとして,2n+2n2n+1に置き換える.すると2n+1は必ずちょうど1つ使っていることになり,(A)の分割に変わる.

 よって,(A)(B)に含まれる分割の個数は等しく,全体では偶数になる.

 (6のときの対応の例を示す.)
(4+22+2+2), (4+1+12+2+1+1), (2+1+1+1+11+1+1+1+1+1)

 面白いと思いませんか? 2n+1=2n+2nという2べき特有の性質を使っているのがポイントになっています.ちなみに,2以上の整数の2べき分割の個数は必ず偶数になりますが,1のときは奇数になります.12n+2nにできないので上の議論が崩れるんですね.

 上の全単射において,使う2べきの個数はちょうど1個変わります.従ってこんなこともいえます.

 2以上の整数について,「使う2べきの個数が偶数である2べき分割の個数」と,「使う2べきの個数が奇数である2べき分割の個数」は等しい

拡張?

 同様にmべき分割を考えると次のこともいえます.

(Am) mべき分割に使っているmべきのうち,最大のものがちょうど1つ存在する.

(Bm) mべき分割に使っているmべきのうち,最大のものがm個以上存在する.

という2つのグループを考えれば,この間に全単射が作れる.

 これが何かに使えるかは不明です

最後に

 すごい綺麗な議論を思い付いたので嬉しいです.ここまで読んで頂きありがとうございました!  

 

投稿日:202433
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じゃむ
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