ChatGTPすごいですね。数学の結構むずかしい問題も解けたりして。
でもよく読むと単純なミスが含まれてることもあるんですよね。
とりあえずここ数日ChatGTPと会話した結果を書いておきます。
何となくあやしいのですが(厳密ではない気がする)時間ができたら検証します。
(写像aとかbというのが出てきた経緯は僕の前回までの投稿に書いてあります)
※早速ですが誤りを見つけました。三角不等式の使い方が間違えていますね。
ChatGTPに指摘したら「お、鋭いご指摘です 👍」だって…。
修正するようにお願いしたら20秒で書き換えてきました。
また後日、修正版を検証してみます。
本稿では、自然数全体 $\mathbb{N} = \{1,2,3,\dots\}$ を対象とし、以下の写像 $a, b: \mathbb{N} \to \mathbb{N}$ を定義する。
まず、$a$ を次のように定義する。$n$ を 6 で割った余りにより、場合分けを行う:
$$
a(n) =
\begin{cases}
\dfrac{2n}{3} & (n \equiv 0 \pmod{6}) \\
\dfrac{4n-1}{3} & (n \equiv 1 \pmod{6}) \\
\dfrac{8n-1}{3} & (n \equiv 2 \pmod{6}) \\
\dfrac{16n-9}{3} & (n \equiv 3 \pmod{6}) \\
\dfrac{2n+1}{3} & (n \equiv 4 \pmod{6}) \\
\dfrac{4n-2}{3} & (n \equiv 5 \pmod{6})
\end{cases}
$$
次に、$b$ を次のように定義する。
$$
b(m) =
\begin{cases}
16m - 3 & (m \ \text{が偶数のとき}) \\
4m - 2 & (m \ \text{が奇数のとき})
\end{cases}
$$
次に、与えられた自然数 $t \geq 3$ に対して、$t = a(s)$ または $t = b(s)$ を満たす $s$ が存在し、かつ一意に定まることを示す。
任意の自然数 $t \geq 3$ に対して、
$$
t = a(s) \quad \text{または} \quad t = b(s)
$$
を満たす $s \in \mathbb{N}$ が存在し、そのような $s$ は一意に定まる。
任意の自然数 $t \geq 3$ について,$t$ の逆像の列は有限で停止する.
証明の概略
逆像を $L$ 段適用したときに得られる数は
$y_{-L}$=$\dfrac{3^L t - C_L}{P_L}$
という一般形で表せる.ここで $P_L$ は段数積分の分母(すべて2の冪),$C_L$ は各段の定数項の線形結合である.分母の連続評価 $v_2(P_L)$ は段数に比例して増大(少なくとも1段あたり1増)する一方,分子の2進評価 $v_2(3^L t - C_L)$ はせいぜい対数的にしか増えない($O(\log L)$ の範囲).よって十分大きな $L$ では分子が分母を下回るので逆像列は有限で終了する.以下で細部を与える.
準備:一般形の導出
単段の逆像は $\alpha \in \{4,8,16\}, \beta \in \{-9,-2,-1,0,1\}$(各剰余に対応)を用いて
$
x = \dfrac{3x - \beta}{\alpha}
$
の形に書ける($b$ の逆像 $\alpha \in \{4,16\}, \beta \in \{2,3\}$ の可能の形).この写像を $L$ 回合成すると線形展開から
$
y - L = \dfrac{3^L t - C_L}{P_L}, \quad
P_L = \prod_{j=1}^L \alpha_j, \quad
C_L = \sum_{j=1}^L \beta_j 3^{L-j} \prod_{i=1}^{j-1} \alpha_i
$
が得られる(空積は $1$).
各 $\alpha_j \geq 2$ ($\alpha_j \in \{1,2,3,4\}$) なので
$
v_2(P_L) = \sum_{j=1}^L r_j \geq L.
$
古典的な2進評価の事実 (LTE の標準形) により
$
v_2(3^L - 1) =
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
1, & L \ \text{奇}, \\
2 + v_2(L), & L \ \text{偶}.
\end{array}
\right.
\end{eqnarray} \leq 2+ \log_{2} L.$
従って $v_2(3^L - 1) = O(\log L)$ である.
任意の逆像列 $\{\alpha_j,\beta_j\}$ の列に対して,定数 $K$ (列型に依存するが $L$ に依らない)が存在して
$
v_2(3^L t - C_L) \leq v_2(t) + v_2(3^L - 1) + K
$
が成り立つ.
証明の要点
$
3^L t - C_L = t(3^L - 1) + (t - C_L)
$
より2進評価の三角不等式から
↓ここが誤りです
$
v_2(3^L t - C_L) \leq \max\{ v_2(t) + v_2(3^L - 1), \, v_2(t - C_L) \}.
$
↑ここが誤りです
一方 $C_L = \sum_j \beta_j 3^{L-j} \prod_{i=1}^{j-1} \alpha_i$ の各項は $2^s$ を因子に持つため,$v_2(C_L)$ は高々 $v_2(P_{L-1})$ に定数を足した程度に抑えられ,従って $v_2(t - C_L)$ が有意に大きく上限になるには $t \equiv C_L \pmod{2^S}$ が大きな $S$ で成立する必要があるが,この寄与は稀であり一般的には $v_2(t - C_L) \leq v_2(t) + O(\log L)$ に抑えられる.結局
$
v_2(3^L t - C_L) \leq v_2(t) + v_2(3^L - 1) + K
$
が得られる.
結論
補題2・3より
$
v_2(3^L t - C_L) \leq v_2(t) + O(\log L).
$
一方,補題1より
$
v_2(P_L) \geq L.
$
したがって十分大きな $L$ について
$
v_2(3^L t - C_L) < v_2(P_L).
$
すなわち $(3^L t - C_L)/P_L$ は整数にならない.ゆえに整数の逆像も段数 $L$ を超えて存在せず,どの $t \geq 3$ に対しても逆像列は有限で終了する.
付記(直観)
各段で分母には $2$ の因子が確実に追加される(累積増加)一方,分子側で起こり得る2進的な「偶然の一致」(キャンセル)は $3^L - 1$ の2進評価に依存する対数的のびしか強くならない.この成長速度のギャップが,無限逆像を原理的に不可能にする本質である.