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OMC対策(C分野:平均を使う)

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本記事の前提知識

和の期待値と期待値の和

 確率変数$X,Y$があるとき
  $E(X+Y)=E(X)+E(Y)$

 「確率変数」という言葉だけで苦手意識を持つ人もいるかもしれないが,上の式を何となくでもわかっていれば,おそらく以下の記事を読むうえでそんなには困らないだろう.

平均値を活用する

 

例題1

 どの位にも$0$を含まないような$3$桁の正整数の和を求めよ.


(解)そのような$3$桁は,全ての桁が$1$から$9$のいずれかであり,その平均は$5$である.つまり,そのような$3$桁の正整数の平均は$555$である.
 一方,そのような$3$桁の数は$9^3=729$通りあるので,求めるべき和は$555×729=404595$

 平均が$555$になるところについて,より厳密に書くと,次のようになる.
 どの位にも$0$を含まないような$3$桁の正整数$100a+10b+c$を無作為に一つ選ぶ試行を考える.このとき$a$の期待値は$5$$b$の期待値は$5$$c$の期待値は$5$であり,$E(100a+10b+c)=555$
 この例のように,平均が比較的容易に求まりそうな問題であれば(あるいは平均をエスパーできる問題であれば),それを利用して和を出してしまおうというのが本記事で紹介する技である.

練習問題1

 さいころを$3$回投げて出た目をそれぞれ$a$$b$$c$とするとき,$100a+10b+c$としてありうる値の和を求めよ.


$100a+10b+c$の平均値は$\dfrac{7}{2}×100+\dfrac{7}{2}×10+\dfrac{7}{2}=\dfrac{777}{2}$
よって和は$\dfrac{777}{2}×6^3=83916$
 このように平均は小数になる場合もある.途中で小数が出てきたからといって,間違ったと即断してはいけない.

 では,次の問題はどうだろうか.平均値の発想が使えるかどうかを,まずは考えてみてほしい.

練習問題2

 さいころを$3$個投げて出た目を大きい順に$a$$b$$c$とするとき,$100a+10b+c$としてありうる値の和を求めよ.


 この問題では,$b$の平均値は$\dfrac{7}{2}$だとわかるのだが,$a$$c$の平均値については,単純には求めることができない.
 $a$については$6$であるような場合の数が$6^3-5^3$通り,$5$であるような場合の数が$5^3-4^3$通り,……と考えていくよりないだろう.

 次の例はどうだろう.

練習問題3(OMC093(E)改)

 $3$桁の正整数であって,百,十,一の位のいずれかが$9$であるような数の和を求めよ.

ヒント
 単純に平均が出せないのでは…と思うかもしれないが,工夫すれば解決できる.「百,十,一の位のいずれもが$9$でないような数」の和を考えればよい.


「百,十,一の位のいずれもが$9$でないような数」について考えよう.百の位の平均は$\dfrac{36}{8}$,十の位と一の位の平均は$\dfrac{36}{9}$である.よって,そのような$3$桁の正整数の平均は$\dfrac{3600}{8}+\dfrac{36}{9}×11=494$,そのような$3$桁の正整数の合計は$494×(8×9×9)=320112$である.
 一方$3$桁の正整数の和は$494550$なので,求めるべき値は$494550-320112=174438$

 この平均を使うテクニックは,OMCの問題でも時折使える技である.身に着けておくと良いだろう.

OMCの例題
OMC093(E)
OMCB028(C)
OMCB025(E)
OMC047(C)
OMC101(D)
OMC084(F)
OMC095(E)
OMC031(D)
投稿日:4日前
更新日:3日前
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て
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