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D&Dでよい武器を探せ

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$$\newcommand{combi}[2]{{}_{#1}C_{#2}} \newcommand{pasfibo}[0]{![算術三角形とフィボナッチ数列](/uploads/image/20201113231516.jpg =360)} \newcommand{sanzyutusankakukei}[0]{![算術三角形](/uploads/image/20201113231328.jpg =400)} $$

導入

君の目の前には$3$種類の武器がある。一つはグレートアックス。両手用の重武器で敵に$1\rm{d}12$の[斬撃]ダメージを与えることができる。もう一本も両手用の重武器であるグレートソードだが、これは[斬撃]ダメージを$2\rm{d}6$だけ与えることができる。最後は片手用武器のフレイルだ。[殴打]ダメージを$1\rm{d}8$与えることができる。

また、両手武器を選んだ場合、君は「両手武器戦闘」の戦闘スタイルを採用し、

その攻撃のダメージ・ダイスで1か2の目を出したなら、君はその1や2が出たダイスを再ロールできる。そうした場合、必ず再ロールの結果を使用すること。

という効果を得ることができる。片手武器なら戦闘スタイルは「片手武器戦闘」だ。

その武器のダメージ・ロールに+2のボーナスを得る

ことができる。

さて、君はどの武器を選ぶ?

計算

よりダメージの期待値が高いものを選ぼう。

フレイル

期待値は「ダメージの平均値」になる。フレイルの場合、1から8までの出目が出る確率は同様に確からしいから、ダメージとその確率は以下の表のようになる。

ダメージ345678910
確率$\frac{1}{8}$$\frac{1}{8}$$\frac{1}{8}$$\frac{1}{8}$$\frac{1}{8}$$\frac{1}{8}$$\frac{1}{8}$$\frac{1}{8}$

したがって期待値は
$$ 3\times\frac{1}{8}+4\times\frac{1}{8}+5\times\frac{1}{8}+6\times\frac{1}{8}+7\times\frac{1}{8}+8\times\frac{1}{8}+9\times\frac{1}{8}+10\times\frac{1}{8}=\frac{13}{2} $$

となる。

グレートアックス

(i)振り直す場合

一度目が$1$$2$で、振り直して$1$が出る確率は$\frac{2}{12}\times\frac{1}{12}$である。したがってこの場合の表は以下のようになる。

ダメージ123456789101112
確率$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$$\frac{1}{72}$

(ii)振り直さない場合

ダメージ3456789101112
確率$\frac{1}{12}$$\frac{1}{12}$$\frac{1}{12}$$\frac{1}{12}$$\frac{1}{12}$$\frac{1}{12}$$\frac{1}{12}$$\frac{1}{12}$$\frac{1}{12}$$\frac{1}{12}$

したがって期待値は
$$ 1\times\frac{1}{72}+2\times\frac{1}{72}+3\times\frac{7}{72}+4\times\frac{7}{72}+5\times\frac{7}{72}+6\times\frac{7}{72}+7\times\frac{7}{72}+8\times\frac{7}{72}+9\times\frac{7}{72}+10\times\frac{7}{72}+11\times\frac{7}{72}+12\times\frac{7}{72}=\frac{22}{3} $$

グレートソード

以下、両方振り直すものをパターンA、一方のみを振り直すものをパターンB、どちらも振り直さないものをパターンCとする。

$(2)$ダメージが$2$になる確率(以下同様)
パターンAのみ。一度目の出目は$(1,1),(1,2),(2,1),(2,2)$$4$通り。二度目の出目は$(1,1)$$1$通りのみ。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{1}{36}=\frac{1}{324}$

$(3)$
パターンAのみ。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{2}{36}=\frac{1}{162}$

$(4)$
パターンAのとき。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{3}{36}=\frac{1}{108}$
パターンBのとき。一度目の出目は$(1,3),(2,3),(3,1),(3,2)$$4$通り。二度目の出目は$1$$1$通りのみ。よって確率は$\frac{4}{36}\times\frac{1}{6}=\frac{1}{54}$
パターンCはなし。
したがって$4$ダメージとなる確率は$\frac{1}{108}+\frac{1}{54}=\frac{1}{36}$

$(5)$
パターンAのとき。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{4}{36}=\frac{1}{81}$
パターンBのとき。一度目の出目は$(1,3),(2,3),(3,1),(3,2),(1,4),(2,4),(4,1),(4,2)$$8$通り。$3$が出たときの二度目の出目は$2$$1$通り、$4$が出たときの二度目の出目は$1$$1$通りのみ。よって確率は$\frac{4}{36}\times\frac{1}{6}\times2=\frac{1}{27}$
パターンCはなし。
したがって$5$ダメージとなる確率は$\frac{1}{81}+\frac{1}{27}=\frac{4}{81}$

※以上から、パターンBは、振り直さないほうの出目が$n$通り(上なら$3$$4$の2通り)あるとき、確率は$\frac{n}{54}$となることがわかる。

$(6)$
パターンAのとき。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{5}{36}=\frac{5}{324}$
パターンBのとき。振り直さない方の出目は$3$$4$$5$$3$通り。よって確率は$\frac{3}{54}=\frac{1}{18}$
パターンCのとき。出目は$(3,3)$$1$通り。よって確率は$\frac{1}{36}$
したがって$6$ダメージとなる確率は$\frac{5}{324}+\frac{1}{18}+\frac{1}{36}=\frac{8}{81}$

$(7)$
パターンAのとき。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{6}{36}=\frac{1}{54}$
パターンBのとき。振り直さない方の出目は$3$$4$$5$$6$$4$通り。よって確率は$\frac{4}{54}=\frac{2}{27}$
パターンCのとき。出目は$(3,4)$$(4,3)$$2$通り。よって確率は$\frac{2}{36}=\frac{1}{18}$
したがって$7$ダメージとなる確率は$\frac{1}{54}+\frac{2}{27}+\frac{1}{18}=\frac{4}{27}$

$(8)$
パターンAのとき。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{5}{36}=\frac{5}{324}$
パターンBのとき。振り直さない方の出目は$3$$4$$5$$6$$4$通り。よって確率は$\frac{4}{54}=\frac{2}{27}$
パターンCのとき。出目は$(3,5)$$(4,4)$$(5,3)$$3$通り。よって確率は$\frac{3}{36}=\frac{1}{12}$
したがって$8$ダメージとなる確率は$\frac{5}{324}+\frac{2}{27}+\frac{1}{12}=\frac{14}{81}$

$(9)$
パターンAのとき。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{4}{36}=\frac{1}{81}$
パターンBのとき。振り直さない方の出目は$3$$4$$5$$6$$4$通り。よって確率は$\frac{4}{54}=\frac{2}{27}$
パターンCのとき。出目は$(3,6)$$(4,5)$$(5,4)$$(6,3)$$4$通り。よって確率は$\frac{4}{36}=\frac{1}{9}$
したがって$9$ダメージとなる確率は$\frac{1}{81}+\frac{2}{27}+\frac{1}{9}=\frac{16}{81}$

$(10)$
パターンAのとき。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{3}{36}=\frac{1}{108}$
パターンBのとき。振り直さない方の出目は$4$$5$$6$$3$通り。よって確率は$\frac{3}{54}=\frac{1}{18}$
パターンCのとき。出目は$(4,6)$$(5,5)$$(6,4)$$3$通り。よって確率は$\frac{3}{36}=\frac{1}{12}$
したがって$10$ダメージとなる確率は$\frac{1}{108}+\frac{1}{18}+\frac{1}{12}=\frac{4}{27}$

$(11)$
パターンAのとき。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{2}{36}=\frac{1}{162}$
パターンBのとき。振り直さない方の出目は$5$$6$$2$通り。よって確率は$\frac{2}{54}=\frac{1}{27}$
パターンCのとき。出目は$(5,6)$$(6,5)$$2$通り。よって確率は$\frac{2}{36}=\frac{1}{18}$
したがって$11$ダメージとなる確率は$\frac{1}{162}+\frac{1}{27}+\frac{1}{18}=\frac{8}{81}$

$(12)$
パターンAのとき。確率は$\frac{4}{36}\times\frac{1}{36}=\frac{1}{324}$
パターンBのとき。振り直さない方の出目は$6$$2$通り。よって確率は$\frac{1}{54}$
パターンCのとき。出目は$(6,6)$$1$通り。よって確率は$\frac{1}{36}$
したがって$12$ダメージとなる確率は$\frac{1}{324}+\frac{1}{54}+\frac{1}{36}=\frac{4}{81}$

以上よりダメージと確率の表は以下のようになる。

ダメージ23456789101112
確率$\frac{1}{324}$$\frac{1}{162}$$\frac{1}{36}$$\frac{4}{81}$$\frac{8}{81}$$\frac{4}{27}$$\frac{14}{81}$$\frac{16}{81}$$\frac{4}{27}$$\frac{8}{81}$$\frac{4}{81}$

したがって期待値は
$$ 2\times\frac{1}{324}+3\times\frac{1}{162}+4\times\frac{1}{36}+5\times\frac{4}{81}+6\times\frac{8}{81}+7\times\frac{4}{27}+8\times\frac{14}{81}+9\times\frac{16}{81}+10\times\frac{4}{27}+11\times\frac{8}{81}+12\times\frac{4}{81}=\frac{25}{3} $$

結論

以上から各武器の期待値は以下のようになる。ダメージの期待値が一番高い武器はグレートソードであることがわかった。

武器期待値
グレートソード$8\frac{1}{3}$
グレートアックス$7\frac{1}{3}$
フレイル$6\frac{1}{2}$

最後に

D&D(に限らずTRPG)では好きなようにキャラ作するのが一番です。(周囲が許してくれるなら)期待値なんか気にせず使いたい武器を使いましょう。
また、D&Dには様々な武器や職業があり、これ以外の選択のほうがダメージが伸びる可能性もあります。今回はあくまでも導入に述べた設定の上での比較になります。

投稿日:517
更新日:517
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投稿者

三星聯
三星聯
35
4009
主にフィボナッチ数列とパスカルの三角形の関係について書いていくと思います。

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