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高校数学問題
文献あり

零点問題集-ゼータ入門の宿題の回答を行ってみる.

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$$$$

白状します.
1.についてはオリジナルの回答ですが,2.については思いつく事すらできませんでした.

$n \geq m \geq 0 $を整数とする.このとき,
\begin{equation} Z_n(s)=\frac{1}{2}\{(s-1)(s-3)\cdots(s-(2n+1))+s(2s+2)\cdots(s+2n)\} \end{equation}
なる$Z_n(s)$を考えると次の事が成り立つ.

  1. $Z_n^{(m)}(1-s)=(-1)^{n-m+1}Z_n^{(m)}(s)$
  2. $Z_n^{(m)}(s)=0\Rightarrow Re(s)=\frac{1}{2} $
(1)

$s \mapsto 1-s$に対して次の事が成り立つ.
\begin{eqnarray} s-(2k+1) &\mapsto& -(s-2k)\\ s+2k &\mapsto &-(s-(2k+1)) \end{eqnarray}
この事を用いればよい.
例えば,$Z_{n}^{(m)}(s)$を微分した場合,$Z_n^{(m)}(s)$は次の様な項の総和となる.
\begin{eqnarray} &&(s-(2k_1+1))(s-(2k_2+1))\cdots(s-(2k_{n-m+1}))\\ &&(s+2k_1)(s+2k_2)\cdots(s+2k_{n-m+1}) \end{eqnarray}
ただし,$k_1,k_2,...,k_{n-m+1}$は,$0 \leq k_1 \lt k_2 \lt \cdots\lt k_{n-m+1}\leq n$を満たす整数全体である.
この事を用いると
\begin{eqnarray} &&(s-(2k_1+1))(s-(2k_2+1))\cdots(s-(2k_{n-m+1})) \mapsto (-1)^{n-m+1}(s+2k_1)(s+2k_2)\cdots(s+2k_{n-m+1}) \\ &&(s+2k_1)(s+2k_2)\cdots(s+2k_{n-m+1})\mapsto (-1)^{n-m+1}(s-(2k_1+1))(s-(2k_2+1))\cdots(s-(2k_{n-m+1}+1)) \end{eqnarray}
を得る.ゆえに,(1)の証明が完了した.

(2)

$m=0$の場合
$Z_n(s)=0$とすると,定義より
\begin{equation} |s(s+2)\cdots(s+2n)|=|(s-1)(s-3)\cdots(s-(2n+1))| \end{equation}
この時,$k=0,1,2...,n$に対して,次式が成り立つので$Re(s)=\frac{1}{2}$が示された.
\begin{eqnarray} &&Re(s)>\frac{1}{2}\Rightarrow |s+2k|>|s -(2k+1)|\\ &&Re(s)=\frac{1}{2}\Rightarrow |s+2k|=|s-(2k+1)|\\ &&Re(s)\lt\frac{1}{2}\Rightarrow |s+2k|\lt|s-(2k+1)|\\ \end{eqnarray}
*この不等式のイメージがわかない場合は,$Re(s)=\frac{1}{2}$の直線上の点P,点Q$-2k$,点R$2k+1$により$\Delta PQR$を考えると$\Delta PQR$が底辺をQRとする二等辺三角形であり,直線$Re(s)=\frac{1}{2}$が角$QPR$を二等分する事を考えればよい.
$m=1$の場合
$Z_n(s)$の零点を$ \alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{k}$とすると,$Z_n(s)$は次のように書ける.
\begin{equation} Z_n(s)=\Pi_k(s-\alpha_k) \end{equation}
この式を微分して次式を得る.
\begin{equation} \frac{Z_n^{'}(s)}{Z_n(s)}=\Sigma\frac{1}{s-\alpha_k}=0 \end{equation}
この式の複素共役をとって,次式を得る.
\begin{equation} \Sigma\frac{1}{s^*-\alpha_k^*}=\Sigma(s-\alpha_k)|s-\alpha_k|^{-2} =0 \end{equation}
そこで,
\begin{equation} t_k=\frac{|s-\alpha_k|^{-2}}{|s-\alpha_1|^{-2}|s-\alpha_2|^{-2}\cdots|s-\alpha_n|^{-2}} > 0 \end{equation}
と置くと,次式を得る.
\begin{equation} s=\Sigma_kt_k\alpha_k \end{equation}
ゆえに,
\begin{eqnarray} Re(s)&=&\Sigma_{k}t_kRe(\alpha_k)\\ &=&\Sigma_{k}t_k\frac{1}{2}\\ &=&\frac{1}{2}\Sigma_kt_k\\ &=&\frac{1}{2} \end{eqnarray}
が示された.
$m \geq 2$の場合は先の議論を繰り返せばいい.

参考文献

[1]
黒川重信, 零点問題集-ゼータ入門, 現代数学社, 2019, 16,157-160
投稿日:20231121
更新日:20231122

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投稿者

ただ趣味で数学をやっている普通の人です。 特殊な知識もなくただ数学を楽しみたいenjoy勢です。正直間違った事も平気で書くかもしれません。 僕の書いている記事で間違いを発見した時は遠慮なくご指摘してくださると助かります。

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