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再スケール微積分の公式をいくつか作る

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はじめに

雑に書きました. あんまり活用方法は思いつきませんがやっとくだけやっときます.

再スケール微分の四則

再スケール微分の変換公式

X,Y:全単射, X,Y,fが微分可能のとき, 次が成り立つ.
fRsc(X,Y)(x)=f(x)(Y1)(f(x))(X1)(x)

この公式を使って, 微分の四則を再スケール微分に当てはめた公式を考える.

和の再スケール微分法則

f,gが再スケール微分可能のとき(f+g)Rsc(X,Y)(x)=fRsc(X,Y)(x)+gRsc(X,Y)(x)を満たすような条件を求めます.

(f+g)Rsc(X,Y)(x)=(f+g)(x)(Y1)((f+g)(x))(X1)(x)=(f(x)+g(x))(Y1)(f(x)+g(x))(X1)(x)
fRsc(X,Y)(x)+gRsc(X,Y)(x)=f(x)(Y1)(f(x))(X1)(x)+g(x)(Y1)(g(x))(X1)(x)

(X1)(x)0なので
(f(x)+g(x))(Y1)(f(x)+g(x))=f(x)(Y1)(f(x))+g(x)(Y1)(g(x))
両辺を積分して
(Y1)(f(x)+g(x))=(Y1)(f(x))+(Y1)(g(x))+定数
を満たすYを見つければよい.

これはコーシーの関数方程式型に定数を加えたものなので, Y(x)=C1x+C2と解ける.

和の再スケール微分法則

Y(x)=C1x+C2(C1,C2R,C10)のとき, 次が成り立つ.
(f+g)Rsc(X,Y)(x)=fRsc(X,Y)(x)+gRsc(X,Y)(x)

定数倍の再スケール微分法則

kR,fが再スケール微分可能のとき,
(kf)Rsc(X,Y)(x)=kfRsc(X,Y)(x)
となる条件を求めます.

(kf)Rsc(X,Y)(x)=(kf)(x)(Y1)((kf)(x))(X1)(x)=kf(x)(Y1)(kf(x))(X1)(x)
kfRsc(X,Y)(x)=kf(x)(Y1)(f(x))(X1)(x)
(X1)(x)0なので
kf(x)(Y1)(kf(x))=kf(x)(Y1)(f(x))
両辺を積分して
(Y1)(kf(x))=k(Y1)(f(x))+定数
これを満たすYY(x)=C1x+C2のみに限られる.

定数倍の再スケール微分法則

Y(x)=C1x+C2(C1,C2R,C10)のとき, 次が成り立つ.
(kf)Rsc(X,Y)(x)=kfRsc(X,Y)(x)

積の再スケール微分法則

f,gが再スケール微分可能のとき(fg)Rsc(X,Y)(x)=fRsc(X,Y)(x)g(x)+f(x)gRsc(X,Y)(x)を満たすような条件を求めます.

(fg)Rsc(X,Y)(x)=(fg)(x)(Y1)((fg)(x))(X1)(x)=(f(x)g(x)+f(x)g(x))(Y1)(f(x)g(x))(X1)(x)
fRsc(X,Y)(x)g(x)+f(x)gRsc(X,Y)(x)=f(x)(Y1)(f(x))(X1)(x)g(x)+f(x)g(x)(Y1)(g(x))(X1)(x)
(X1)(x)0なので
(f(x)g(x)+f(x)g(x))(Y1)(f(x)g(x))=f(x)(Y1)(f(x))g(x)+f(x)g(x)(Y1)(g(x))
ddx(Y1)((fg)(x))=g(x)ddx(Y1)(f(x))+f(x)ddx(Y1)(g(x))

これを満たすYを直接求めるのは厳しいので, 事前に用意した関数方程式を当てはめて考えて, Y,f,gの条件を含めた特殊解を求めます.

Y(x)=C1x+C2のとき, (Y1)(x)=C=定数なので
(f(x)g(x)+f(x)g(x))C=Cf(x)g(x)+Cf(x)g(x)
このときは成り立つ.

積の再スケール微分法則(再スケールLeibnizの法則)

ddx(Y1)((fg)(x))=g(x)ddx(Y1)(f(x))+f(x)ddx(Y1)(g(x))を満たすY,f,gに対して, 次が成り立つ.
(fg)Rsc(X,Y)(x)=fRsc(X,Y)(x)g(x)+f(x)gRsc(X,Y)(x)
特にY(x)=C1x+C2(C1,C2R,C10)のとき, 任意のf,gで成り立つ.

商の再スケール微分法則

f(x)0,fが再スケール微分可能のとき
(1f)Rsc(X,Y)(x)=fRsc(X,Y)(x)f(x)2
となる条件を求める.

(1f)Rsc(X,Y)(x)=(1f(x))(Y1)(1f(x))(X1)(x)=f(x)(Y1)(1f(x))f(x)2(X1)(x)
fRsc(X,Y)(x)f(x)2=f(x)(Y1)(f(x))f(x)2(X1)(x)
(X1)(x)0なので
f:定数関数または(Y1)(1f(x))=(Y1)(f(x))

(Y1)(1f(x))=(Y1)(f(x))のとき, (Y1)(x)=g(x)+g(1x)と書ければ解となる.

商の再スケール微分法則

fが定数関数のとき, またはある関数gが存在して, (Y1)(x)=g(x)+g(1x)と書けるとき, 次が成り立つ.
(1f)Rsc(X,Y)(x)=fRsc(X,Y)(x)f(x)2

再スケール積分法則

再スケール積分の変換公式

fは再スケール可積分とするとき, fは積分可能で次が成り立つ.
Sf(x)dx=Y((X1)(x)f(x)dx)

再スケール微分ではY1(f(x))が含まれるので微分の四則をそのまま当てはめられる条件を求めましたが, 積分は

和の再スケール積分法則

f,gは再スケール可積分とする.
S(f+g)(x)dx=Y((X1)(x)(f+g)(x)dx)
=Y((X1)(x)f(x)dx+(X1)(x)g(x)dx)
=Y(Y1(Sf(x)dx)+Y1(Sg(x)dx))

定数倍の再スケール積分法則

kR,fは再スケール可積分とする.
S(kf)(x)dx=Y((X1)(x)(kf)(x)dx)
=Y(k(X1)(x)f(x)dx)
=Y(kY1(Sf(x)dx))

再スケール積分法則

再スケール積分法則

S(f+g)(x)dx=Y(Y1(Sf(x)dx)+Y1(Sg(x)dx))

定数倍

S(kf)(x)dx=Y(kY1(Sf(x)dx))

多項式の再スケール積分

部分積分での展開公式

fn階微分をf(n)とし, gn階積分をGnとする.
f(x)g(x)dx=(1)nf(n)(x)Gn(x)dx+k=1n(1)k1f(k1)(x)Gk(x)

f(x)=k=0nakxkと表せるとする. g(x)=(X1)(x)として, これを適応して
(X1)(x)f(x)dx=(1)n+1f(n+1)(x)(X1)n(x)dx+l=0n(1)lf(l)(x)(X1)l(x)=l=0n(1)lf(l)(x)(X1)l(x)
f(m)(x)=k=mnk!(km)!akxkmなので
=l=0n(1)l(X1)l(x)k=lnk!(kl)!akxkl=k=0nl=0k(1)lk!ak(kl)!(X1)l(x)xkl

多項式の再スケール積分

(X1)nX1n階積分とする. f(x)=k=0nakxkと表せるとき, 次が成り立つ.
Sf(x)dx=Y(k=0nl=0k(1)lk!ak(kl)!(X1)l(x)xkl)

おわりに

最後の多項式の再スケール積分を超微分の方でやろうとしたけど特に目立った成果が出ず詰まってしまった... 超微分をやってる人が少ないのでやることが単調になってしまい書くことがなくなりました. しばらく再スケールは休むかな?

投稿日:20241230
更新日:20241230
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  5. 積の再スケール微分法則
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  8. 和の再スケール積分法則
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  10. 再スケール積分法則
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