「$11^3$を、連続した奇数の和で表すとき、その連続した奇数の和」というような問題を解く中で発見した定理などを書いていきます。
連続した奇数の真ん中の数を$a$、連続した奇数の個数を$n$とする。
連続した奇数の和を式として表すと
$$ (a-n+1)+(a-n+2)+,,,+(a-4)+(a-2)+a+(a+2)+(a+4)+,,,+(a+n-2)+(a+n-1)\cdots ①$$
$$= \sum_{i=- \frac{n-1}{2}}^{ \frac{n-1}{2}}a+2i$$
二番目の式はあくまで一般的に表したものなので特に使わない。
ここで、$①$式をひっくり返して足し合わせると、
$2a+2a+,,,+2a+a=2an$
となる。これは直観的にわかるはず。
二つ足し合わせた結果なので、$①$式のみの値は、$2an\div 2=an$で、$an$だ。
つまり、「真ん中の奇数が$a$で、長さが$n$の連続した奇数の和は、$an$になる」ということ。
連続した奇数の和を扱いやすくしたところで、最初に書いた、
「$11^3$を連続した奇数の和で表す」問題のことを考えよう。
奇数の和は$an$となるのだから、
$11^3=an$となる。
ようするにこれが成り立つような$a$、$n$のぺアの個数なのだから、
$a$、$n$の組、$(a,n)$は、$(1,1331),(11,121),(121,11)$の$3$つとなる。
($(1331,1)$の場合は連続した奇数の和とは言えないため除外した)
この議論を一般化すると、$S$を素数としたとき、
$S^3$を連続した奇数の和で表すとき、その連続した奇数の和の真ん中の奇数を$a$、連続した奇数の個数を$n$として$(a,n)$の組は$(1,S^3),(S,S^2),(S^2,S)$の$3$つとなる。
という定理が言える。
また、連続した奇数がすべて正の時、ありうる$(a,n)$の組は$(S^2,S)$のみとなる。
以下、その証明だ。
まず、$①$式で最小の項は$a-n+1$。
すなわち$a-n+1$が正であれば連続した奇数はすべて正となる。
$a-n+1>0 \Longrightarrow a>n-1$
よって、連続した奇数はすべて正となるとき、$a>n-1$である。
それが当てはまるような$(a,n)$の組は$(S^2,S)$のみとなる。
よって、$S$が素数の時$S^3$は、すべてが正の連続した奇数の和では、$1$通りでしか表現できず、その$a$、$n$の組$(a,n)$は$(S^2,S)$となる。
奇素数$S$は、すべてが正の連続した奇数の和で表すことはできない。
なぜなら$a$、$n$の組は$S=an$から$(1,S)$もしくは$(S,1)$しか存在せず、
$n=1$の場合は連続した奇数の和とは言えないため、ありうる組が$(1,S)$のみしか存在しない。
$a>n-1$の場合、すべてが正の連続した奇数の和で表すことができるが、$1>S-1$では明らかにないので
奇素数$S$はすべてが正の連続した奇数の和で表すことはできない。
また、奇数の合成数の場合、パターンは約数の数$+1$だけ存在するといえる。
もう少し掘り下げると面白そうだ。
このアプローチ、偶数の場合は全く使うことができない。
なぜなら、連続した奇数の和で表すことができる、かつ真ん中の奇数が存在する場合、$a$と$n$はどちらも奇数となる。
奇数同士の積は必ず奇数となるので、偶数の場合は全く使えないのだ。
真ん中の奇数が存在しない場合でも定義するか、連続した整数の和で考えるかした方が汎用性は上がると思う。
一応、この記事で書いた定理などをまとめる。
上の$3$つをこの記事の最終結論とする。