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連続した奇数の和について

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113を、連続した奇数の和で表すとき、その連続した奇数の和」というような問題を解く中で発見した定理などを書いていきます。

連続した奇数の和についての整理

連続した奇数の真ん中の数をa、連続した奇数の個数をnとする。
連続した奇数の和を式として表すと
(an+1)+(an+2)+,,,+(a4)+(a2)+a+(a+2)+(a+4)+,,,+(a+n2)+(a+n1)

=i=n12n12a+2i

二番目の式はあくまで一般的に表したものなので特に使わない。
ここで、式をひっくり返して足し合わせると、
2a+2a+,,,+2a+a=2an
となる。これは直観的にわかるはず。
二つ足し合わせた結果なので、式のみの値は、2an2=anで、anだ。
つまり、「真ん中の奇数がaで、長さがnの連続した奇数の和は、anになる」ということ。

ある数の3乗を連続した奇数の和で表すパターン

連続した奇数の和を扱いやすくしたところで、最初に書いた、
113を連続した奇数の和で表す」問題のことを考えよう。
奇数の和はanとなるのだから、
113=anとなる。
ようするにこれが成り立つようなanのぺアの個数なのだから、
anの組、(a,n)は、(1,1331),(11,121),(121,11)3つとなる。
((1331,1)の場合は連続した奇数の和とは言えないため除外した)
この議論を一般化すると、Sを素数としたとき、
S3を連続した奇数の和で表すとき、その連続した奇数の和の真ん中の奇数をa、連続した奇数の個数をnとして(a,n)の組は(1,S3),(S,S2),(S2,S)3つとなる。
という定理が言える。
また、連続した奇数がすべて正の時、ありうる(a,n)の組は(S2,S)のみとなる。
以下、その証明だ。

ありうる(a,n)の組が(S2,S)のみとなる証明

まず、式で最小の項はan+1
すなわちan+1が正であれば連続した奇数はすべて正となる。
an+1>0a>n1
よって、連続した奇数はすべて正となるとき、a>n1である。
それが当てはまるような(a,n)の組は(S2,S)のみとなる。
よって、Sが素数の時S3は、すべてが正の連続した奇数の和では、1通りでしか表現できず、そのanの組(a,n)(S2,S)となる。

素数、合成数の場合の議論

奇素数Sは、すべてが正の連続した奇数の和で表すことはできない。
なぜならanの組はS=anから(1,S)もしくは(S,1)しか存在せず、
n=1の場合は連続した奇数の和とは言えないため、ありうる組が(1,S)のみしか存在しない。
a>n1の場合、すべてが正の連続した奇数の和で表すことができるが、1>S1では明らかにないので
奇素数Sはすべてが正の連続した奇数の和で表すことはできない。

また、奇数の合成数の場合、パターンは約数の数+1だけ存在するといえる。
もう少し掘り下げると面白そうだ。

このアプローチの弱点

このアプローチ、偶数の場合は全く使うことができない。
なぜなら、連続した奇数の和で表すことができる、かつ真ん中の奇数が存在する場合、anはどちらも奇数となる。
奇数同士の積は必ず奇数となるので、偶数の場合は全く使えないのだ。
真ん中の奇数が存在しない場合でも定義するか、連続した整数の和で考えるかした方が汎用性は上がると思う。
一応、この記事で書いた定理などをまとめる。

  • Sを奇素数とする。S3を連続した奇数の和で表すとき、(a,n)の組は(1,S3),(S,S2),(S2,S)3つとなる。
  • また、連続した奇数がすべて正の時、ありうる(a,n)の組は(S2,S)のみとなる。
  • 奇素数Sは、すべてが正の連続した奇数の和で表すことはできない。

上の3つをこの記事の最終結論とする。

投稿日:20231028
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ringo
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ヱヴァが好きなRingo(知恵の実)です。 得意分野は数論 学生です

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  2. ある数の3乗を連続した奇数の和で表すパターン
  3. 素数、合成数の場合の議論
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