JMO2024本選問1~3の問題と僕なりの解答を載せます 間違えてたらごめんなさい
問題パートと解説パートに分かれてます
$n$を$2$以上の整数とする.$n$個の実数の組$(a_1,a_2,\cdots,a_n)$であって,$a_1-2a_2,a_2-2a_3,\cdots,a_{n-1}-2a_n,a_n-2a_1$が$a_1,a_2,\cdots,a_n$の並び替えであるようなものをすべて求めよ.
ただし,$a_1,a_2,\cdots,a_n$自身も$a_1,a_2,\cdots,a_n$の並び替えである.
正の整数に対して定義され正の整数値をとる関数$f$であって,任意の正の整数$m,n$に対して
$$ \text{lcm}(m,f(m+f(n)))=\text{lcm}(f(m),f(m)+n)$$
をみたすものをすべて求めよ.
ただし,正の整数$x,y$に対し,$x$と$y$の最小公倍数を$\text{lcm}(x,y)$で表す.
$xy$平面において,$x$座標と$y$座標が$1$以上$2000$以下の整数である点を良い点とよぶ.また,以下の条件をすべてみたす$4$点$A(x_1,y_1),B(x_2,y_2),C(x_3,y_3),D(x_4,y_4)$について,折れ線$ABCD$をZ型折れ線とよぶ.
どの良い点$P$についても,$1$以上$n$以下の整数$i$が存在して,$P$が$Z_i$上にある.
ただし,折れ線$ABCD$とは,線分$AB,BC,CD$(いずれも端点を含む)を合わせた図形のことである.
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓ 解 答 で す ( $1$ か ら 順 番 に )
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
求める答えは$(a_1,a_2,\cdots,a_n)=(0,0,\cdots,0)$のみである.
$(a_1,a_2,\cdots,a_n)=(0,0,\cdots,0)$は条件をみたすから,$(a_1,a_2,\cdots,a_n)\neq(0,0,\cdots,0)$かつ条件をみたすものが存在しないことを示す.
以下$i\equiv j(\text{mod }n)$をみたす整数$i,j$に対し$a_i=a_j$とする.
$$\displaystyle\sum_{i = 1}^na_i=0$$
証明:条件より$a_1-2a_2,a_2-2a_3,\cdots,a_{n-1}-2a_n,a_n-2a_1$と$a_1,a_2,\cdots,a_n$の総和は等しい.
また$\displaystyle\sum_{i=1}^n(a_i-2a_{i+1})=\sum_{i=1}^na_i-2\sum_{i=1}^na_i=-\sum_{i=1}^na_i$より
$-\displaystyle\sum_{i=1}^na_i=\sum_{i=1}^na_i$, $\therefore\displaystyle\sum_{i=1}^na_i=0$ $\square$
$a_1,a_2,\cdots,a_n$のうち最大値,最小値をとるもののうち一つをそれぞれ$a_M,a_m$とすると,補題$1$と$(a_1,a_2,\cdots,a_n)\neq(0,0,\cdots,0)$から$a_m\lt 0\lt a_M$が分かる.
$a_1-2a_2,a_2-2a_3,\cdots,a_{n-1}-2a_n,a_n-2a_1$はそれぞれ$a_1,a_2,\cdots,a_n$のいずれかに等しいから
\begin{cases}
a_m\leq a_{M-1}-2a_M\\
a_{m-1}-2a_m\leq a_M
\end{cases}
が成り立つ.
対称性より(←飛躍しすぎな気もする...)$|a_m|\leq|a_M|$としてよい.このとき
$a_{M-1}-2a_M\geq a_m\geq -a_M(\because a_m\lt0\lt a_M)$
$\therefore a_{M-1}\geq a_M$
仮定より$a_{M-1}\leq a_M$だから,$a_{M-1}=a_M$となり,帰納的に$M$以下のすべての整数$i$に対して$a_i=a_M$となるが,
$a_M=a_{-n+m}=a_m$よりこれは$a_m\lt0\lt a_M$に矛盾.よって答えは$(a_1,a_2,\cdots,a_n)=(0,0,\cdots,0)$のみ.
↓
↓
↓ 問 $2$
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
求める答えは$f(n)=n$のみである.$f(n)=n$は条件を満たす.
$$ m|f(m)$$
証明:任意の$m$について,$n=(k-1)f(m)$($k$は$m$と互いに素な$2$以上の整数)を取れるので,これを代入すると
(右辺)$=\text{lcm}(f(m),kf(m))=kf(m)$
よって$\text{lcm}(m,f(m+f(n)))=kf(m)$より,$m|kf(m)$
$\gcd(k,m)=1$より$m|f(m)$ $\square$
$n=(a-1)f(m)$(aは$2$以上の整数)とすると,補題$2$より$m|n$,よって$m|f(m+f(n))$だから
(左辺)$=f(m+f(n))$
(右辺)$=af(m)$
よって$f(m+f((a-1)f(m)))=af(m)$
左辺は$m+f((a-1)f(m))$の倍数より$m+f((a-1)f(m))|af(m)\cdots ☆$
$$ f(1)=1$$
証明:☆に$m=1,a=2$を代入して$1+f(f(1))|2f(1)$
これと$1+f(f(1))\geq 1+f(1)$より$1+f(f(1))=2f(1)$
$\therefore 2f(1)-f(f(1))=1$
左辺は$f(1)$の倍数より$f(1)$は$1$の約数.よって$f(1)=1$ $\square$
補題$3$より☆に$m=1$を代入して$1+f(a-1)|a$
$1+f(a-1)\geq 1+a-1=a$より$1+f(a-1)=a$
$a\geq 2$より$n=a-1$とすれば$f(n)=n$が答え.
↓
↓
↓ 問 $3$
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
最小値は$n=1333$である.まず$n=1333$のときの構成を示す.
$1$以上$1333$以下の整数$i$に対し$Z_i$の端点をそれぞれ$A_i,B_i,C_i,D_i$とする(問題文の定義と同じ順番とする)と
$A_1(1,2000),B_1(2000,2000),C_1(1,1),D_1(2000,1)$
$1\lt i\leq667$のとき$A_i(1,2001-i),B_i(2000,2001-i),C_i(665+2i,666+i),D_i(2000,666+i)$
$668\leq i\leq1333$のとき
$A_i(1,2001-i),B_i(2668-2i,2001-i),C_i(1,-666+i),D_i(2000,-666+i)$
とすれば条件を満たす.
次に$n\geq1333$を示す.
$x$座標が$1$または$2000$,$y$座標が$2$以上$1999$以下の整数である点を優れた点とよぶ.このとき,各$Z$型折れ線は優れた点を高々$3$つしか通らないから,優れた点上すべてに$Z$型折れ線が引かれているために$n$は少なくとも$\dfrac{2\times1998}{3}=1332$以上である.
$n=1332$のとき,$Z_1,Z_2,\cdots,Z_n$すべてが優れた点を$3$つ通るが,このとき座標$(1,1)$を通る$Z$型折れ線は存在しないから不適.
よって$n\geq 1333$が示された. $\square$
問$3$は本番解き切っていない(し、なんなら本番の解法とちょっと違う)ので結構行間があるかもです(この構成が条件を満たすかとか座標(1,1)を通らないこととか わからんけど)
問$4,5$は解けないので解説は書きません