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おもしろい漸化式の問題

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とても面白いので,1度自分で考えることをおすすめします.

$m$を自然数とし,数列$\lbrace a_n \rbrace$を漸化式
$$ a_0=m\ ,\ a_{n +1}=\dfrac{1}{n +2}\left((m +1)^{n +2} -1 -\sum_{k=0}^n {}_{n +2}\mathrm{C}_k\cdot a_k\right) $$
で定める.数列$\lbrace a_n \rbrace$の一般項を求めよ.

解答

$a_0=m$のときの一般項を$a_{m,n}$と書くことにする.すなわち
$$ a_{m,0}=m\ ,\ a_{m,n +1}=\dfrac{1}{n +2}\left((m +1)^{n +2} -1 -\sum_{k=0}^n {}_{n +2}\mathrm{C}_k\cdot a_{m,k}\right) $$
と書き直す.まず,$m=0$のときを考える(問題文で$m$は自然数と書いており正の整数だと捉えた人もいるだろうが,今回の解法ではどちらにしろ$m=0$の場合を考える必要がある).
$$ a_{0,0}=0\ ,\ a_{0,n +1}=-\dfrac{1}{n +2}\sum_{k=0}^n {}_{n +2}\mathrm{C}_k\cdot a_{0,k} $$
となる.一般項はすぐにわかるように$a_{0,n}=0$である.
さて,ここからがこの漸化式の面白いところである.$a_{m,n}$$n$に関しての漸化式を式変形し整理していく.
\begin{align} a_{m,n +1}&=\dfrac{1}{n +2}\left((m +1)^{n +2} -1 -\sum_{k=0}^n {}_{n +2}\mathrm{C}_k\cdot a_{m,k}\right) \\ &=\dfrac{1}{n +2}\left(\sum_{k=0}^{n +2} {}_{n +2}\mathrm{C}_k\ m^k -1 -\sum_{k=0}^n {}_{n +2}\mathrm{C}_k\cdot a_{m,k}\right) \\ &=\dfrac{1}{n +2}\left(m^{n +2} +(n +2)m^{n +1} -1 +\sum_{k=0}^n {}_{n +2}\mathrm{C}_k\ m^k -\sum_{k=0}^n {}_{n +2}\mathrm{C}_k\cdot a_{m,k}\right) \\ &=\dfrac{1}{n +2}\left(m^{n +2} +(n +2)m^{n +1} -1 -\sum_{k=0}^n {}_{n +2}\mathrm{C}_k\ (a_{m,k} -m^k)\right) \\ \end{align}
$b_{m,n}=a_{m,n} -m^n,b_{m,0}=m -1$とおくと
\begin{align} b_{m,n +1}&=\dfrac{1}{n +2}\left(m^{n +2} +(n +2)m^{n +1} -1 -\sum_{k=0}^n {}_{n +2}\mathrm{C}_k\cdot b_{m,k}\right) -m^{n +1} \\ &=\dfrac{1}{n +2}\left(m^{n +2} -1 -\sum_{k=0}^n {}_{n +2}\mathrm{C}_k\cdot b_{m,k}\right) \\ \end{align}
となり,$b_{m,n}=a_{m -1,n}$であるとわかる.よって次の等式が成り立つ.
$$ a_{m,n} -a_{m -1,n}=m^n $$
これで$m$に関する階差数列を求めることができた.よって数列$\lbrace a_n \rbrace$の一般項は
$$ a_n=a_{0,n} +\sum_{k=1}^m (a_{k,n} -a_{k -1,n})=\sum_{k=1}^m k^n $$
により$\displaystyle{a_n=\sum_{k=1}^m k^n}$となる.

投稿日:20231014

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約数関数、数列関係の記事を中心に書いていきます。 記事の内容に間違いがあれば教えてくれるとありがたいです。

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