0

非可換ラドンニコディムの定理

68
0

今回は非可換ラドンニコディムの定理を紹介しようと思います.

まず測度と類似する性質を持つ線形汎函数のクラスを定義します.

状態,正規状態

ヒルベルト空間Hに作用するvon Neumann環M上で定義された正の線形汎函数でIでの値が1であるものを状態という.σWOT連続な状態を正規状態という.

これは単調収束定理に似た次の性質を持ちます.

ωM上の正規状態とする.Hを上限とするM上の作用素の単調増加なネット{Ha}aに対しω(Ha)ω(H)が成り立つ.

σWOTは同型で保たれる位相でvon Neumann環を考える時によく登場する自然な位相の一つです.WOTやSOTの場合は以下のように保たれない例があります.
https://mathoverflow.net/questions/313640/examples-of-isomorphic-w-algebra-with-non-homeomorphic-weak-topology
非可換ラドンニコディムの定理を述べます.

Sakai-Radon-Nikodym

ω,ω0M上の正の正規線形汎函数でω0ωを満たすものとする.このとき,ノルム1以下のある正の元H0Mが存在してω0(A)=ω(H0AH0)を満たす.

さらにσWOTでの連続性を落とした場合次が成り立ちます.

ωM上の正の正規線形汎函数とする.ρ0M上の有界線形汎函数で0ρ0ωを満たすものとすると,ノルム1以下のある正の元H0Mが存在してρ0(A)=12ω(H0A+AH0)を満たす.

この定理を用いると次のようなことがわかります.

定理2

MII1型因子環,trをそのトレースとする.ωM上の正規線形汎函数で0ωtrを満たすものとする.このとき,ノルム1以下のある正の元H0が存在してω(A)=tr(H0A)を満たす.

定理2 系

MII1型因子環,Nをその部分von Neumann環とするとtr(AB)=tr(EN(A)B)を満たすNへの条件付き期待値ENが一意に存在する.

投稿日:202452
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

qq_pp
qq_pp
6
3429

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中