水の入ったペットボトルを投げ、空中で一回転させて立たせるという遊びを「(ペット)ボトルフリップ」という。
どんな水の量、どんなペットボトルにおいてもボトルフリップが成功するような投げ方(投げる高さ、初速度、回転の角速度など様々な条件の組)が一つ以上存在するか?
これに関して、数学的に証明する方法を思いついたのでここに記します。
(といっても厳密性はあんまりないです。あくまでイメージというかそういう数学的なギャグみたいな感じで読んでください)
直立する任意の物体において、ある投げ方が存在し、一回転させて立たせることができる。
(証明)
物体を投げたときにはたらく物理法則は連続的なものとする。
ここで、投げ方はまっすぐに限定すると(物体に自身から見て横向きの回転がかからないように)、初期条件のうちの一つのパラメータである「高さ」が、ある値の時は手前向きに倒れ、ある値の時は奥向きに倒れる、というようになるはず。
高さをこの間で連続的に変化させると中間値の定理より、物体が立つようなときが存在する。(終)
粗
上の証明の粗を探してみよう。
まず、この証明の肝である中間値の定理だが、この「物体を投げる」というのは結果が離散的(奥に倒れる/立つ/手前に倒れる)になるのでそもそも使えないのでは?という疑問がある。
これに関しては関数$\theta(h)$を、
「高さ$h$(他の条件は固定)で投げたときの物体の立つか倒れるか決まる最後の瞬間における地面とのなす角」
とすると連続関数になるので、$\theta(h)=90°$(地面に直立する)となる$h$がある。
というような解決策が考えられる。
しかし、そもそもこの証明では地面でバウンドするのを考慮に入れていないため、バウンドの仕方によっては結果が不連続になるところが出てしまうのではないか、という粗がある。しかしまぁそこを考え出したら物理の、しかもスーパーコンピュータとかを用いる計算になってしまいそうだし、そもそもそれを計算できたとしてこんな定理正しかったところでなんなんだ、、、とか考えだしたら元も子もなくなってしまい、なんか悲しくなったので、粗探しはこの程度にしておこう
最後に、この状況でも、もし地面がとりもちみたいなベッタベタな状態で、一度くっ付いたらその状態で維持されるとするとこの定理は成り立つことが言えるだろうが、それこそ意味のわからん仮定なので、この一連の問題はあくまで「中間値の定理」をわかりやすく伝える際のおもろ話、として消化するぐらいがちょうど良さそうだね。