APMO2022-5の解法を置いておきます.
実数 が をみたすとき, のとりうる最小の値を求め, その最小の値を実現する組 をすべて求めよ.
STEP1 問題を言い換える
まず, 最小値は負だとわかります.
最小値が負なので のうちちょうどつまたはつが正となることがわかります. また, いずれの場合でも の値を適切に並べ替えることで の値を変えないまま とできます.
の差が問題となっているので, を平行移動させることを考えてみます.
が平行移動したとき, の値は変わりませんが の条件に影響します.
とおくと で となっています.
STEP2 問題を言い換える2
の値から を復元することを考えます.
となり, をみたすように の値を適切に選ぶ必要があります.
そのためには,
が実数解をもつ必要があり, 判別式を見ることで が必要とわかります.
整理すると, となります.
ここで, であるため, 次の問題に帰着できることがわかりました.
STEP3 問題を言い換える3
という形で気がついた人もいると思いますが, ここでHeronの公式を思い出してみます.
三辺の長さが である三角形の面積は であり, 三辺の長さが である三角形の面積は となります.
さらに, 実数 について, 三辺の長さが である三角形が存在することの必要十分条件は正の実数 が存在して と書けることなので次の問題に帰着できます.
三角形 が をみたすときの三角形 の面積の最大値を求めよ.
STEP4 解く
辺 の中点を とし, とおきます.
このとき, は と直せて, 三角形 の面積は となります.
となり, これらの等号がすべて成立するとき, すなわち , , のときに最大値を達成することがわかります.
このとき であり, となります.
これに対応する の値は となり, の値を復元すると となります.
また,このときの の値は でこれが最小値です.
最小値をとるときの は およびこれを逆順にしたもの, およびこれらを巡回させたものの計個です.