区間(0,1)における重み関数ta−1(1−t)b−1に関する, Jacobi多項式をρn(a,b)(x):=(−1)n(a)nn!∑k=0n(−n,a+b+n−1)kk!(a)kxk今回は以下の等式を示す.
ρn(a,b)(1−x)=(−1)nρn(b,a)(x)
区間(0,1)において, ρn(a,b)(x)は重み関数ta−1(1−t)b−1の直交多項式であるから, ρn(a,b)(1−x)は重み関数tb−1(1−t)a−1の直交多項式である. よって, 同じ区間と重み関数の直交多項式系は定数倍を除いて等しいので, 各nに対して, ρn(a,b)(1−x)=Cnρn(b,a)(x)となる定数Cnがある. x=1とすると, ρn(a,b)(0)=(−1)n(a)nn!であり, Vandermondeの恒等式より,ρn(b,a)(1)=(−1)n(b)nn!(1−n−a)n(b)n=(a)nn!である. よって, Cn=(−1)nとなることが分かる.
上の証明では同じ区間と重み関数の直交多項式系が等しいことを用いたが, より直接的にρn(a,b)(1−x)に現れる1−xの累乗を二項定理で展開しても示すことができる. よく用いられる区間(−1,1)において重み関数(1−x)a(1+x)bのJacobi多項式Pn(a,b)(x)においては, この対称性はPn(a,b)(−x)=(−1)nPn(b,a)(x)と表される. 特にa=bの場合, Jacobi多項式はその次数に応じて偶関数か奇関数になり, 定数倍でGegenbauer多項式に一致する.
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