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3日目

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導入

連分数について

今回は連分数です。連分数とは、整数ai,biを用いて、
a0+b0a1+b1a2+b2a3+b3a4+b4a5+...
のように表せる、分数の中に分数が連なっているような数です。特に、任意のibi=1となるようなとき、正則連分数といいます。
ある数が有理数であることと、その数を正則連分数として表した時に、有限の項で終わることは同値です。
逆に言えば、無理数を正則連分数で表すと、無限に下に項が伸びていきます。
また、ある無理数の正則連分数展開が与えられていた時、有限項で打ち切って計算していくと、元の数の良い有理近似を得ることができます。

黄金比として知られる数、ϕ=1+52を展開してみましょう。ϕは方程式x2x1=0の解ですから、
ϕ2=ϕ+1と書けます。両辺をϕで割って、ϕ=1+1ϕとなります。ここで、この式のϕ=1+1ϕをそのまま右辺の分母に代入すると、
ϕ=1+11+1ϕと再びϕが現れたので、同じ作業を行って、
ϕ=1+11+11+1ϕ==1+11+11+11+11+1となります。
なにかと美しいといわれる黄金比ですが、連分数でもこのような非常にシンプルな表示を持っているようですね。
ちなみに、方程式x2x1=0はもうひとつx=152を持っていますが、上の連分数は正の数ですから、この解が先ほどの連分数と一致することはありません。
他にも、
2=1+12+12+12+12+1
π=3 +126+326+526+726+92
などの連分数表示があります。
小数展開では規則性のないように見える無理数を、規則性の持つ表示に変えてしまうのが、連分数の魅力です。

作成した連分数

今回用意したのは、次の数です。αとでも名付けると、

α=1+323+3432+3633+3834+310

これは、冒頭の一般の連分数表示の、an=3n,bn=32n+2としたものです。
そして、実は、
α=1+132となります。
では導出していきましょう。

αを求める

連分数関数

まず、関数f(x)を、x>0として、
f(x)=1+x1+x1+x1+x1+x とします。

(厳密には、数列{an}
a1=x,an+1=1+xan
という漸化式を満たすような数列として定義し、
f(x)=limnanとしています。)

ここで、上の関係式を見ると、 f(x)とまったく同じ形が出現しているので、
f(x)=1+xf(x)となり、f(x)0を仮定して、
{f(x)}2=f(x)+x
です。2次方程式の解の公式を用いて、
f(x)=1±1+4x2ですが、
元々x>0 の下でf(x)を定義していたので、上の漸化式の振る舞いを考えると、適切なのは
f(x)=1+1+4x2の方です。
これで、連分数で表されたf(x)の閉じた形が得られました。xの定義域ですが、おそらくx>0であれば任意のxlimnanは収束するはずです。
いずれにせよ、今回は気にしないでおきます。

同値変形?

さて、
f(x)=1+x1+x1+x1+x1+x
ですから、分数の分子分母にxを掛けます。
=1+x21x+xx1+x1+x1+x
=1+x2x+x21+x1+x1+x
そして、新たに出てきた
x21+x1+x1+x
の分子分母にx2を掛けて、
x4x2+x31+x1+x
となるので、
f(x)=1+x2x+x4x2+x31+x1+x
です。再び、
x31+x1+xの部分の分子分母にx3を掛けて、
x6x3+x41+x
となり、
f(x)=1+x2x+x4x2+x6x3+x41+x
同様の操作を続けていくと、
f(x)=1+x2x+x4x2+x6x3+x8x4+x10
という表示が得られます。見出しが「同値変形?」となっているのは、この"分子分母にx2n を掛ける"という操作が、f(x)の収束性にまったく影響を及ぼさないとは限らないからです。数学的にまったく厳密ではないので、あまり真に受けないでください。

具体的な値を代入

ここで、x=3を代入すると、
f(3)=1+323+3432+3633+3834+310=α

となりますが、先ほどf(x)=1+1+4x2f(x)の閉じた形を求めていましたから、そちらにもx=3を代入して、
f(3)=1+132です。
よって、
α=1+323+3432+3633+3834+310=f(3)=1+132

1+323+3432+3633+3834+310=1+132
と導出できました。
(ちなみに、x=3を選んだ理由は、x=2では有理数になってしまい、有限の項で打ち切った時に、どのような値になるか推測しやすいからです。
というのも、元々この問題は、友人に解いてもらう目的で作ったものでした。そのため、答えが有理数では、数学的に考察せず、ただ計算機に入れただけで答えが簡単に分かってしまうので、骨折り損になってしまいます。)

終わりに

今回の問題はいかがだったでしょうか。巷にあふれるイテレーション型問題(指数の肩に無限に数が乗っていたり、根号の中に無限に根号が連なっていたりなど、同じ操作を繰り返して得られる等式ないし数の求値問題、の意味で用いています)の多くは、同型出現を使って閉じた形に直して解いています。特に連分数はそのような解き方がほとんどでしたので、ひとひねり加えた問題を作ってみました。
今回は直接値を代入しただけですが、微分をしても面白いかもしれません。合成関数の微分法を用いたら、連分数の無限積の形に出来ますね。
いつかチャレンジしてみます。

投稿日:2024712
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n=1 帰納法の失敗

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