$f: \mathbb{R}^+ → \mathbb{R}^+ $
$f(xf(y)+y)=(y+1)f(x)$
極限を用いることで解ける関数方程式を作問してみました。
ISL2020 A8
を参考に作りました。
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与式への代入を$ P(x,y)$と表す。
広義単調増加である。
$f(a)>f(b),a< b$となるものが存在すると仮定する。$x= \dfrac{b-a}{f(a)-f(b)} >0$とし、$ P(x,a),P(x,b)$から
$f(xf(a)+a)=(a+1)f(x)$
$f(xf(b)+b)=(b+1)f(x)$
となり、$ (a+1)f(x)=(b+1)f(x) \Longrightarrow a=b$
これは仮定に矛盾。よって広義単調増加である。
$f(x)\leq 1$となる$x \in \mathbb{R}^+ $は存在しない。
$f(t)<1$となる$t \in \mathbb{R} ^+$が存在すると仮定。 $P(x,t)$で
$f(xf(t)+t)=(t+1)f(x)>f(x)$$ \Longrightarrow xf(t)+t \geq x$$ \Longrightarrow t \geq x(1-f(t))$
$x$を十分大きく取ることで矛盾。
$f(t)=1$となる$t \in \mathbb{R} ^+$が存在すると仮定。$ P(x,t)$から
$f(x+t)=(t+1)f(x) $となり帰納的に正の整数$n$で$f(nt)=(t+1)^{n-1}$となる。一方、$ P(nt,t)$から
$f(nt) \leq f(tf(nt)+nt)=nt+1 $ $\Longrightarrow (t+1)^{n-1} \leq nt+1 $となり$n$を十分大きく取ることで矛盾。
$$\lim_{x \to +0}f(x)=1 $$
$c \in \mathbb{R}^+ $が存在して任意の$x \in \mathbb{R} ^+$に対して$f(x) >1+c$となると仮定。$ P(x, \frac{t}{f(x)} )$から
$f(x(1+c)) \leq f(xf(\frac{t}{f(x)})+\frac{t}{f(x)})=t+f(x)$$ \Longrightarrow 0 \leq f(x(1+c))-f(x) \leq t$
$t→0$で$f(x(1+ c ))=f(x)$となる。$x$は任意に取れるので帰納的に任意の整数$n$において$f((1+ c )^n)=f(1)$となり広義単調増加と合わせて$f$は定数関数になるがそれは矛盾。よって広義単調増加と補題2と合わせて補題を得る。
$1$より大きい範囲で全射。
$ P(x,y)$において$x$を十分小さくとることで補題3から$f(x)$は十分$1$に近づくので、$y$を動かすことで得る。
$$ \lim_{h \to +0} (f(x+h)-f(x))=0\quad \forall x \in \mathbb{R}^+ $$
$c \in \mathbb{R}^+ $が存在して任意の$h \in \mathbb{R}^+ $で$f(x+h)-f(x)>c$と仮定。補題4より$f(x)+c=f(x')$となる$x< x'$が存在する。そのとき$f(x+h)>f(x')$$ \Longrightarrow x+h \geq x'$となるが$h$を十分小さくとることで矛盾。よって広義単調増加と合わせて補題を得る。
$f(x)=x+1\quad \forall x \in \mathbb{R}^+ $
$ P(x,y)$から
$f(y) \leq f(xf(y)+y)=(y+1)f(x)$$ \Longrightarrow f(y)-y-1 \leq (y+1)(f(x)-1)$
また$ P(x,y)$から
$ f(xf(y)+y)=(y+1)f(x)>y+1$$ \Longrightarrow f(y)-f(xf(y)+y)< f(y)-y-1$
よって$f(y)-f(xf(y)+y)< f(y)-y-1\leq (y+1)(f(x)-1)$
$x→0$としたとき$xf(y)→0$であるから補題5より最左辺は$0$に収束する。補題3より$f(x)→1$であるから最右辺は$0$に収束する。よって$f(y)=y+1$を得る。
十分性は明らか。